現代社会において便利なアプリはまさに人生を快適にする秘密道具です。

今回は「目に見える現実の世界と目に見えない知識と感情を繋げ、日常生活をより豊かなものにする」をモットーに、オンラインアプリ「tab」と「tabモール」を展開する株式会社tabのマーケティングマネージャー立川様にオンラインサービスを運営する上でのメールマーケティングのあり方についてインタビューを敢行しました!

お忙しい中、ご協力頂きありがとうございます。


そもそも株式会社 tabとは?

tabはオンラインとオフラインをつなぐ、ネットで見つけた場所や商品をアプリ上に登録(クリップというらしいです)できるサービス。
何がすごいかというと、もしその場所や商品が近づいたら、自動でアプリが教えてくれます。これがあれば買い漏れが防止できそうですね。

また新たに「tabモール」というサービスも展開しています。このサービスは「欲しいけど近くでは扱っていない商品、ネット通販だとサイズがよく分からない商品」を近くのお店に取り寄せて、店舗で実際に商品をチェック、試着して購入できるというサービスです。

ユーザーからするとお店にないものも取り寄せすることで、購入前に実際に手に取って確認することができ、買い物の失敗を減らすメリットがあります。

見ているだけでワクワクするこのサービスですが運営する上で、メール配信は
アプリ内のランキングやセールス情報、PR告知をユーザー様にお伝えする欠かせない手段となっています。

中でもA/Bテストの活用方法は、アプリに限らずサービスを運営している方には
とても参考になります。必見!


アプリ運営におけるメール活用とは

そもそもtabのサービスでは20 – 40代の百貨店に足を運ぶ人たちをメインターゲットとしています。そういった年齢層はスマホの利用者率も高く、またメールという昔ながらのツールにも慣れ親しんできていることから、メルマガを活用することはターゲット層に対しても自然と受け入れてもらえるツールなのです。

tabでは2つのサービスで異なったメール活用をしています。主な活用目的、配信スケジュールは以下の通りです。

tabアプリでの活用: 週2回、2パターンのメール配信
1:アプリユーザーの行きたいリストのまとめ紹介。
2:人気スポットランキング紹介(地域別に合わせて内容を変更)

tabモールでの活用: 限定タイムセールの告知、セール商品の紹介。
取扱いブランドのPR、新着ブランド紹介、キャンペーン紹介等。

また同社ではプロダクト(tabアプリとtabモール)に落とし込むコンテンツを確定するための仮説検証を得るためにA/Bテストを利用している他、ステップメール機能も積極的に利用しています。


【A/Bテスト活用事例】本邦初公開!購読者が本当に好むメールレイアウトにたどり着くためには!

 


同社では様々なコンテンツを蓄積され、それに伴い「何をどう発信すればいいのか」といったクリエイティブにおける課題が生まれました。
そんな中で活用して頂いたのがBenchmark EmailのA/Bテスト機能
複数の候補をまず先行配信できるお馴染みのツールです。

今回はインタビューに当たり特に記憶に残っている事例をご紹介頂きました。

 

検証1:言葉よりも数字?値下げクーポンをよりアピールするための件名とは?

検証内容:○○%offという文言のある件名 vs 具体的数字のない件名

【Aパターンの件名】
件名:お得なクーポンがもらえるバレンタインキャンペーン開催中♪/今週の「tabモールSpecial」が始まりました♪/indexボトムス特集

【Bパターンの件名】
件名 :【最大51%OFF】「tabモールSpecial」が始まりました♪/お得なクーポンがもらえるバレンタインキャンペーン開催中♪/indexボトムス特集

検証目的:開封率の向上

検証結果:開封率よりもクリック率に大きな影響があった

受信者の行動として○○%offの文言があるメールも、そうでないものもメールボックス内をきれいに整理しておきたいという心理からひとまずメルマガを既読にするため開封はされるが、「51%OFF」という具体的に目を引く文言が件名にあったことでメルマガの内容を読む動機につながっている。

結果詳細:
開封率 – BパターンはAパターンの1.07倍高かった
クリック率 – BパターンはAパターンの2.3倍高かった

インタビュー当時にテスト中だったこの項目。思い付きから始めたとのことですが、そういった突発的アイディアを形にするために気軽に試せるのもA/Bテストの魅力です。

 


検証2:導入分=信頼性の証? 導入文は入れるべきか否か


検証内容:トップに長い導入文のあるメール vs 導入文なしでそのまま本文がスタートするメール

【Aパターンのメール】長い導入文
「こんにちは、今年もやっと冬の寒さが少しずつやわらぎはじめ、春の訪れを感じられるようになりました。皆さんどうお過ごしでしょうか・・・・・」という様にメールの本題に移る前に長いリード文がある。

【Bパターンのメール】導入文なし
前置きはなく、即本題の話に入るメール。こちらは海外のメルマガでよく見られるタイプです。

検証目的:クリック率などCTA向上

検証結果:結果として長い導入文のあるメールの方がリード文以降のリンククリック率が高かった。この結果は本来日本人の「活字を読むのが好き」という文化があるからこそ、リード文の様な読み込ませる部分があることで、メールを頭からよく読んでもらうことができ、そのあとのコンテンツもスルーされることなく、注目してもらえるのではないかと分析しています。

またこのリード文が長ければ長いほどその後のコンテンツへの反応も高いとのこと。メールにも「人」感を大事にした方がいいとも語ってくれました。


検証3:夜が深ければ深いほどいい?最適な配信時間とは?


検証内容:配信時間帯を分けたテスト

検証目的:自身のメール読者様に合う適切な配信時間を知ること、開封数などの効果の向上

検証結果:夜が深ければ深いほど開封率がいい。
tabのサービスの性質上、平日仕事をしている人など、まとまって空いた時間がないとサービスを使ってくれない。またECサイトの購入傾向として夜が多いことから、メール読者の属性もそれに当てはまり、夜のメール配信がより反応がいいのではないか、と分析されています。

この様に長期的なスパンで様々な項目を1つずつテストしていくことでメルマガ購読者が本当にほしいメールを完成させていくのです。そうです、メルマガは1日にしてならず!


tabにとってのメール配信とは


近年の流行として、SNSを利用したマーケティング方法があるが、こちらの方がより高い効果があるのでは、という問いに対して立川氏は、「SNSとメールは補完しあう存在であるべき。SNSを見ていない人にメールで確認してもらえるし、その逆もある。またユーザーとの関係性によってもそれらの存在価値は変わってくるので、双方が存在してよりパワフルなマーケティングを行うことができる」と語ってくれた。

その中で、tabはA/Bテストのほかにもステップメールを使ってサービス登録して次の日に1回目、登録3日後に2回目のメールを送っている。これもSNS同様、ユーザーとの接点を1つでも多くさせることでより多くのユーザーにアプリの存在に気づいてもらうような施策の一つと言える。

このようにtabではHTMLメールだからこそできるPDCAサイクルをうまく構築し、エンドユーザーとの密なコミュニケーションを図るツールとしてメール配信をビジネスに取り入れている。