成功するメールマーケティングとは

メールマーケティングは現在、ビジネスオーナーにとって最も費用対効果の高いオンラインマーケティング戦略の一つとして見なされています。実用的であるだけでなく、驚くような結果をもたらす革新的な戦略でもあるのです。

メールマーケティングが人気の理由は、下記のような利益をもたらしてくれるからです。

・新たな潜在顧客との関係構築
・魅力ある新規の見込み客
・既存・新規顧客のロイヤルティーの促進

このように魅力的な結果を得るには、正しくメールマーケティングを行うことが重要になります。果たしてどうすれば良いのでしょうか?

数値で見るメールマーケティングの効果

正しい活用方法を学ぶ前に、様々あるマーケティング戦略の中におけるメールマーケティングの立ち位置を理解しておきましょう。

2016年に小売業の専門家を対象に行われた調査では、メールマーケティングは顧客維持において最も良いツールと見なされています。ソーシャルメディア・マーケティングは僅差で2位に終わりました。(*1)

関連記事:SNS×メールマーケティングで顧客接点を拡大するには?

オンラインマーケティングサービスを展開するWordStreamは数カ月前、メールマーケティングの影響力を表す数値とビジネスを成功に導く重要な役割に関する記事を掲載しています。その情報によれば、メルマガ購読者は他の経路からの見込み客に比べて、コンテンツをSNSで共有する傾向が3倍もあるのです。(*2)

また、メルマガ購読者はメールを受信しない人に比べて、オンラインショッピングに138%多く時間を費やしています。(*3)

顧客へ配信するメールの中でも、特にウェルカムメールは驚きの結果を生むことが示されています。たった一つのメールで、他の販促メールに比べて3.2倍以上の利益を生むという調査結果があるのです。(*4)

自社のネット上の存在感をよりすばらしいものにする要素は、他にもたくさんあります。例えば人目を惹くウェブデザインや、最適化されたユーザー体験などです。しかしながら、その中にメールマーケティングを取り入れないのであれば、大きな機会を逃しているということになります。

参照元(外部リンク英語ページ)
*1 Email Marketing Is a Double Win for Customer Acquisition, Retention
*2 35 Face-Melting Email Marketing Stats for 2018
*3 HATCHBUCK 
*4 Thank You for Subscribing: How to Optimize Your Welcome Emails

10 Successful Email Marketing Campaigns and Why They Worked

驚きの効果を生み出すメールマーケティング成功事例10選とその秘訣

最低でも1つくらいは、誰しもニュースレターを購読していることと思います。インターネットを日常的に利用している方であれば、5個から10個ほど受け取っているかもしれません。そして、見向きもしないまま削除していることも多いでしょう。

しかし、時々とても良いメールが届いた場合には目を通し、共有したり友達に勧めたりするのです。

下記でご紹介する成功事例に共通しているのは、設定したゴールを達成できるメールを送っているということです。ゴールは利益を得ることだったり、訪問者を引き付けることだったり、フィードバックを得ることだったりと様々あります。

それでは、いくつかのメールマーケティング戦略の成功事例を見ていきましょう。

1. Grammarly 客観的な評価を掲載する

grammarlyを褒めるコメントをSNSから紹介しているメール

メールマーケティングの成功事例として最初にご紹介したいのは、英文校正ツールを提供するGrammarly社です。ユニークかつ効果的な組み合わせを行うことで、その目的を達成しています。

ユーザーからの評価は、自社から発する宣伝文句よりも信頼されるものです。SNSにおける客観的な評価を掲載することで、選ぶ価値がある企業であることをうまく印象付けたメールと言えます。

「5月3日まで60%オフ!」と期間限定サービスも掲載されており、読者に機会を逃してはならないという行動のきっかけを与えています。

期間限定戦略と客観的な評価との合わせ技で、魅力的で説得力のあるメールマーケティング戦略となっているのです。

2. UncommonGoods “まだ間に合う!”の原則

「今注文すれば母の日に間に合います」というキャンペーンメール

UncommonGoodsは、メールで切迫感を上手く演出しています。それに加え、ユニークな商品を探す読者がサイトに来てくれるよう、すぐに行動を起こさせる優れたメールマーケティング戦略を実施しています。

その戦略とは、速やかに人々が購入するように“まだ間に合う!”の原則を活用するというものです。読者にとって母の日は情緒的な結び付きを強く感じられる祝日なので、早急な対応の必要性を感じさせる色で読者の感情面に訴えています。これはマーケティング戦略として、強力な原則のひとつです。

3. Bonobos 3つの効果を持つメール事例

「あなたのサイズをクリックしてください。もれなく25%オフで購入頂けます」と記載されたメール

このメールは3つの効果がシンプルに含まれている、非常に素晴らしい例です。

  1.  相互にやり取りをするようなインタラクティブな体験が読者を引き込み、
  2.  割引オファーによって購入するきっかけを与え、
  3.  決定打として「最終日」の表記で切迫感を伝えています。

4. PayPal 目的に沿ったデザインを

「素敵な仲間と素敵な食事、そしてスマートな割り勘。」と書かれたメール

世界的に有名な決済処理会社のPayPalも、メールマーケティング戦略に力を注いでいます。

操作方法を3ステップでわかりやすく示すメールの構造とデザインで、さらに画像とキャッチコピーによって読者の感情面へもアピールしています。また、マーケティング心理学において安心感と信頼感を表す青色を、全面的に採用しています。

5. jetBlue 明白なCTA設定

「今日は私たちの一周年記念日!さあ、記念チケットを手に入れましょう」 と書かれた、初めての搭乗から1年が経った顧客へ向けたメール

こちらは、簡潔でありながら同時に人目を惹く素晴らしいグラフィックデザインです。

このメールの素晴らしいところは、「LET’S GO」ボタンをクリックさせるという明白なCTA(行動喚起)設定をしている点です。複数の目的を設定したメールは読者を混乱させ、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

また本文は対話をするようなアプローチを取っています。最後の「LET’S GO」ボタンへ導く役割を果たしつつも、「私たちのこと忘れちゃった?」「でも大丈夫!また旅へ出ましょう」と気さくな会話や冗談を備えており、ブランドへの安心感を得られます。

6. Canva 上手く効果を叶えるデザイン

デザイン作成サービスで仕様できる最新レイアウトを紹介しており、希望のタイプをクリックすれば作成画面へ移動可能となっているメール

デザインを簡単に作成できるサービスを提供しているCanvaですが、デザインタイプをクリックすることにより、すぐに作成ページへ飛ぶことができる仕組みのメールを配信しています。

他社の例でも挙げたポイントがうまく組み込まれています。読者にすぐに行動を起こさせる明確なCTA設定がされており、インタラクティブなメールによって顧客エンゲージメントの向上を促しているのです。

7. LinkedIn 親しみを感じさせる

デモンストレーションのリクエストを呼びかけるメール。実際の社員が掲載されている。

読者に親しみを感じさせるため、活用方法についての相談サービスを紹介することで人とのつながりを強調しています。実際の従業員の写真を利用する事でブランドへの強い信頼感も築かれます。

また「何のためにこのメールを送っているか」を、短く簡潔に記載しているのもポイントです。メールの上部と中部に黄色い「リクエスト」ボタンを設置し、明確なCTAが設定されています。

8. BuzzFeed 読者を把握して適切なコンテンツを配信

ニュースサイトの最新記事を紹介するメール

BuzzFeedのようなエンタメ系ニュースサイトにとって、最大の目標は人々の注目を引き付けてそれを維持することです。

読者を把握している事でより適切なコンテンツを配信できます。その結果、共有されたコンテンツは皆が共感できるものとなっています。

また、コンテンツが読者に関わるものであるため、メールでエンゲージメントを高めることができます。あえてシンプルなメールを送ることで、情報量の多い他のメールに疲れた読者の目を引きつけます。このように大きなヘッドラインも、アイキャッチとして効果的です。

9. Dropbox リタゲメールは説得力が肝

「最近ご利用がないので、あなたのDropboxは寂しそうです」ユーモアを交えながら機能をリマインドするメール

Dropboxのリターゲティングメールを見てみましょう。ある程度時間が経過すればブランドを忘れるお客様がいても不思議ではありません。リターゲティングとはどのようにそのお客様を呼び戻すかですので、説得力が重要です。お客様に、自社がどんなすばらしいものを提供しているのか思い出してもらうのです。

Dropboxの場合は、使い勝手とアクセスの良さが自慢です。「帰ってきてください」という強いメッセージを押し付けるのではなく、あえて柔らかい色と楽しいグラフィックのメールを送り、非常に効果的なアプローチをしています。

また、関心はあるものの操作に自身のない購読者のために、再開用のチュートリアルページを提供しているのも特徴です。

10. Twitter 最新情報の紹介でユーザーエンゲージメントを強化

Twitter email

話題のストーリーを紹介

Twitter社がメールマガジンの目的としているのは、社会的な信頼感を宣伝することです。

メールでは他のTwitterユーザーのコンテンツを共有する事で、複数の目標が達成されています。フォローしている人や関連コンテンツを表示することで、読者がそのコンテンツに関与したり共有する傾向が強くなるのです。

また、読者がフォローしている人や関連するフィールドで有名なインフルエンサーの情報を紹介し、ユーザーエンゲージメントを強化しています。

さらにコンテンツに焦点を当てていることも、日々コンテンツマーケティングやユーザー体験を取り扱うSNSとして適切なアプローチとなっています。

メールマーケティングはオプションではなく必要不可欠なもの

様々な新しいマーケティング戦略の中でも、メールマーケティングは依然として最も有効的な手法のひとつです。メールマーケティングはビジネスの成長や利益、見込み客の獲得に大きな役割を果たしています。

メールマーケティングは、情報の共有、サイトへの誘導、利益の獲得など様々な目的に利用されます。重要なことは「配信したメールからどのような成果を得たいのか」を把握することです。メールマーケティングの目標を明確にし、その達成のためにコンテンツとデザインを作ることで、より大きな効果を得ることができるのです。

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著者情報:

by Sean Roberts

Digital Marketing Nerd with a Bias for Permission-based Marketing