こんにちは、ミヂカナ株式会社の一戸です。本日は株式会社シアタープロダクツ様へのコンサルティングを通じた事例記事の第二回目をお届けます。

前回の記事では、メルマガ運用における効果測定の重要な指標として、Benchmark Email管理画面上で確認ができる「開封数」や「クリック数」といった指標やその良し悪しの目安となる業界平均などをご紹介しつつも、本当の意味でメルマガが成果を上げたかどうかを確認するためには、メルマガからの遷移先であるWebサイトの効果測定までする必要があることをお伝えしました。

今回はBenchmark Emailのトラッキング設定からGoogle Analyticsと連携することで、どのような効果測定ができるようになるのか説明いたします。

Google Analyticsとの連携結果

Bencmark Email上のトラッキング設定にて入力した「Google Analytics用タイトル」は、Google Analytics上の「キャンペーン」として計測されます。

Benchmark Email上で設定したキャンペーンがGoogle Analyticsに反映される

Benchmark Email上で設定したキャンペーンがGoogle Analyticsに反映される

同一のタイトルを設定してしまうと、毎回違う工夫をしてメールマガジンを配信しても、Google Analytics上では同一のキャンペーンとして計測されてしまい、適切な効果測定が行えなくなってしまうためです。

それではキャンペーンの詳細を見てみましょう。

Google Analyticsで見るメルマガのキャンペーン結果

Google Analyticsで見るメルマガのキャンペーン結果

[参照元/メディア]に「BenchmarkEmail / email」と設定されているのが分かりますね。

Benchmark EmailでGoogle Analytics連携をおこなうとこのように[参照元]に「BenchmarkEmail」に[メディア]に「email」と設定されるようになっています。キャンペーン結果はランディングページ別に見ることで、メルマガのどの内容がどのページにランディングしたときが効果が高かったのか、などといった分析をすることが可能となります。

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メルマガが本当の成果に到るまでの段階的な遷移と指標

先ほど取り上げたキャンペーンはシアタープロダクツ様のeコマースサイトで成果を上げるためにBenchmark Emailで設定したキャンペーンです。eコマースということで当然最も求められている成果は「商品の購入(=コンバージョン)」になりますね。

メルマガの「開封」や「クリック」といった段階的な指標があるのに対して、その先のWebサイト上で商品の購入に到るまでの導線では次のような段階的な遷移と注視すべき指標があります。

メルマガからWebサイトのゴールまでの段階的な遷移

メルマガからWebサイトのゴールまでの段階的な遷移

上記の全ての遷移において、どのような要因が成果に影響を与えるかを意識してユーザーへサービスを提供する必要があります。メルマガの配信から商品の購入までの遷移一つ一つに影響を与えやすい要因は以下の通りです。

  • 配信 → 開封
    タイトルや配信日時、配信頻度
  • 開封 → クリック
    コンテンツの魅力、UIの分かりやすさ
  • クリック → 商品閲覧
    クリック後にWebサイトが表示されるまでの時間
  • 商品閲覧 → カートに入れる
    コンテンツの魅力、UIの分かりやすさ
  • カートに入れる → 購入
    購入フローのシンプルさ、UIの分かりやすさ、最終的な購入金額

Webサイト以降の要因は例えば「開封率」のように一概に何か一つの指標をGoogleAnalyticsで確認すれば成果が判断できることはあまりありません。例えばWebサイト上でコンテンツに魅力を感じてもらえたかどうかを推し量るのであれば、「直帰率」や「滞在時間」などを意識すると良いでしょう。

このようにメルマガは、メルマガだけに止まらず、コンバージョンである商品の購入まで到達するためには、一貫性をもち、どのフェーズでもユーザーが先に進む動機付けをつくること、離脱する理由を生み出さないことが重要です。

メルマガを活用した成果(コンバージョン)の目標値

メルマガの最終的な成果が、GoogleAnalyticsのキャンペーンによるコンバージョン率で計測出来たとします。ECサイトであれば当然、メルマガによるキャンペーン以外に、自然流入や広告流入など様々な経路からユーザーが訪れコンバージョンしていきます。

そこで意識したいのは、目標とするコンバージョン率です。コンバージョン率は流入経路に応じて差が出るものです。

例えば煽動力の高い派手な広告から流入したユーザーのコンバージョン率は低く、自然検索から来たユーザーのコンバージョン率は高くなりがちです。このあたりはマーケティングにおける顕在層や認知層による差として浮き彫りになります。

ECサイトにおけるメルマガのユーザーは、購入の際に会員登録をしたことがきっかけでメルマガを受け取るようになっていることが多いですね。ということは顕在層に近しくなりますので、どの広告流入などよりもコンバージョンの見込みは高くなります。

広告やその他どのような流入施策を運用しているかによって相場は変わりますが、サイト全体のコンバージョン率の1.5〜2倍前後をひとまずの目標として試行錯誤していくことがよいでしょう。

担当者インタビュー:活用支援を受けて

最後に、このようなコンサルティングをさせていただいたシアタープロダクツ担当の山本様に、今回のコンサルティングを受けた感想や、コンサルティングを受けてからメルマガの運用において何か意識的な変化や、運用面での変化など何か良い変化が訪れたか、お聞きしました。


シアタープロダクツ
プロジェクト・マネージャー
山本さくら 様

アナリティクスの解析の仕方やコンバージョンの設定等、問題意識を抱えつつも未着手だったメルマガの効果測定に着手できたことが何よりもよかったです。また、メールマガジンのレイアウト等細かく改善の助言をいただき、疑問点が発生した際も質問に対してご担当の方がクイックに反応してくださり、大変助かりました。
今後は、アナリティクスの解析を習慣づけて、新たな視点で様々な施策を考えて行きたく思います。


今回のコンサルティングでは直接的な小技や知識として学ぶノウハウは極力抑え、効果測定を軸に日々少しずつサービスを改善して育てていくための意識付けやそのポイントについて指導させていただきました。

しかしメルマガの運用に止まらず日々多くの業務を抱える担当者の皆さまにとって、業務のサイクルに新たな手を加えることは決して簡単なことでありません。そんな中で、コンサルティングが終了した後も継続的な意識と実践をしていただけていることをとても光栄に思います。

Benchmark Emailではユーザーの皆様のメルマガ運用において「初めの一歩を支える導入支援」と「より良い成果を目指す活用支援」のコンサルティングをご案内しております。お悩みのユーザーの皆さまは是非お気軽にコンサルティングサービスについてサポートまでお問い合わせください。


株式会社シアタープロダクツ 様のご紹介

「ファッションがあれば世界は劇場になる」をブランドコンセプトとし、エンターテイニングでパフォーマンスの強いプレゼンテーションが特徴。服の製作から販売までの全過程を「演出」と捉え、服そのものから着る人の時間・空間までもプロデュースすることに拘る。

公式webサイト
http://www.theatreproducts.co.jp/
オンラインショップ
http://shop.theatreproducts.co.jp/


ワークショップ「メルマガから始めるデジタルマーケティング入門」がご好評につき第2回を6/11に開催決定!

熱意あるメルマガユーザーのご参加によって、第1回を無事ご満足いただける形で終えることができ、おかげさまでこのワークショップの第2回を6月11日(月)に開催することが決定いたしました。第2回からは「メルマガから始めるデジタルマーケティング 入門」と名前を改め、また新たな参加者のみなさまならではの取組みにマッチしたワークショップになるよう構成してまいります。

「メルマガから始めるデジタルマーケティング 入門」 6/11 申込みページへ

みなさまのお申し込みを心よりお待ちしております。


執筆者兼ワークショップ主催者:一戸健宏(ミヂカナ株式会社)について

Web制作会社でディレクターとして長く勤めた後、全国展開の小売事業会社にてWeb戦略およびEコマースのマネージャーへ転身してプランニングから効果測定やグロースハックまで幅広い業務を受け持った。その後、制作サイドとクライアントサイドの両サイドを実体験している経歴を活かし、両サイドに対して「身近な存在となること」をテーマの一つとして、2017年12月、ミヂカナ株式会社を設立する。
ミヂカナ株式会社
https://mijikana.jp/
またWeb制作会社時代に培ったディレクションやCMS「WordPress」のノウハウを活かし、書籍の執筆や講演などもおこなっている。

■その他のワークショップの開催予定
「PDCAを実現するECサイトディレクション初級講座」 – 定期開催
https://67.org/ws/workshop/detail/0137pdca.html
EC案件を担当するWebディレクターや企業でEC部門を担当するマネージャー、双方に必要とされる「ECサイトで抑えるべき全体像」を学び、ECサイトには「何が必要なのか」「どうすれば良いのか」を考えるための判断材料を学んでいきます。

■書籍執筆の実績
『現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識 知らないと困るWebデザインの新ルール2』2014年(共著)
『プロが選ぶ WordPress優良プラグイン事典』2013年(共著)
『「公式ディレクトリ掲載テーマ」で学ぶ WordPressサイト制作入門』2013年(単著)
『WordPress 3.x スタートアップガイド』2012年(単著)