本記事はBenchmark Email本社のブログ記事 “How to Use Google Analytics to Track the Success of Your Email Campaigns” を元に執筆したものです。

昨年、Apple社製品のOSアップデートのリリースにより、ユーザーのプライバシー保護が強化されました。

このアップデートにより、Apple Mailのユーザーはメルマガ配信者によるトラッキングを拒否することができるようになりました。つまり、Apple Mailでメルマガを購読するユーザーに関しては、今後以下のことが起こる可能性があるのです。

・メルマガの開封率の正確な把握ができない
・IPアドレスへのアクセスに制限がある
・購読者の所在地に基づくセグメントが困難

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メルマガの効果測定を行う際の指標が一部取得できなくなるため、メルマガ配信対象や現在の効果測定方法によっては、新しい測定方法に切り替える必要があります。そこでおすすめなのが、Googleアナリティクスの利用です。

この記事では、プライバシー保護が強化された中で効果的なメルマガ配信を行っていくための、Googleアナリティクスの利用方法についてご説明します。

メルマガの効果測定にGoogleアナリティクス利用がおすすめな3つの理由

Googleアナリティクスをおすすめする理由は3つあります。

まず、Googleアナリティクスは、Googleアカウントさえあれば誰でも無料で利用が可能という点です。マーケティング予算があまり多くない場合でも、手軽に利用することができます。

次に、Googleアナリティクスはウェブサイトのデータをすべて追跡・記録するため、スプレッドシートなどに情報を蓄積していく必要がない点です。Googleアナリティクス上でレポートをカスタマイズし、知りたい情報のみをまとめて確認することができます。

最後に、ウェブサイトのトラフィックや、訪問者の動きがわかる点です。メルマガがトラフィックやコンバージョンをどのように促進しているか、どのブログ記事が最も閲覧されているか、どのページが最もエンゲージメントを獲得しているかなどを確認することができます。

このようにGoogleアナリティクスを利用すると、最適化や改善が必要な部分の発見や、施策が成功しているかのチェックを簡単に行えるようになります。

Googleアナリティクスを使ったメルマガ効果測定の方法

配信するメルマガをGoogleアナリティクスを使ってトラッキングするためには、メルマガ内の全てのリンクにUTMパラメータを追加する必要があります。Benchmark Emailをご利用の場合は、Googleアナリティクスのアカウント連携のボタンをクリックするだけで、自動でメルマガ内の各リンクにUTMパラメータが振られ、トラッキングが可能となります。

Benchmark EmailのGA連携画面

UTMパラメータについての詳しい説明は、以下の記事の「メールマガジンで使うURLにパラメータをつける」章をご参照ください。

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メルマガを送信したら、Googleアナリティクスの「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」を開いて、メルマガ経由の流入を確認してみましょう。

ページ内の「参照元/メディア」の中にパラメータ「utm_source=」で設定した参照元名(Benchmark Emailで連携を利用した場合は、「BenchmarkEmail」)と、「utm_medium=」で設定したメディア名(Benchmark Emailで連携を利用した場合は、「email」)が表示されます。

GAの画面

また、「セカンダリ ディメンション」に「キャンペーン」を指定すると、パラメータ「utm_campaign=」で指定したキャンペーン名(Benchmark Emailで連携を利用した場合は、連携ボタンをONにした際に入力した文言)が表示されるため、メルマガごとの数値をすることができます。

Googleアナリティクスで「目標(コンバージョン)」を設定している場合は、「コンバージョン」の項目で、何件がコンバージョンに至ったのかも確認することが可能です。

コンバージョンの設定については、別記事の「Googleアナリティクスでのコンバージョン設定」章をご参照ください。

Googleアナリティクス画面の見方と考え方

では、どの数字をどのように見ていくのが良いのでしょうか。
Googleアナリティクス画面で確認できる主な項目が何を表しているのか、そこから何を分析できるのかを解説します。

GAの画面一部

1. 集客

メルマガによって、Webサイトにどれだけのトラフィックがもたらされたのかを確認できます。

ユーザー・・・期間中に1回以上のセッションを開始したユーザー数です。ユーザーは複数回サイトを訪れる可能性があるため、この数値はセッション数より少し低くなります。

新規ユーザー・・・指定した期間中の初回ユーザーの人数です。この数値は、今まで接触したことのないユーザーにメルマガがどれくらい支持されているかを確認するのに有効な指標です。

セッション・・・期間内の合計セッション数です。 選択したメルマガからどれだけの訪問が発生したかがわかります。このデータは、メルマガからウェブサイトへのトラフィックの量を確認するのに便利です。この数値には、メルマガの直接の受信者だけでなく、メルマガを転送された、またはメルマガへのリンクを送られた訪問者からのセッションも含まれます。

2.行動指標

サイトにアクセスしたユーザーが、どのような行動をとっているのかを確認できます。

直帰率・・・サイト内の1 ページしか閲覧されなかったセッション数を、すべてのセッション数で割った値です。

メルマガ経由でウェブサイトを訪問したものの、すぐに離脱してしまう場合、メルマガ内の表現が遷移先のウェブサイトにマッチしていない、またはランディングページの最適化が必要であることを示している可能性があります。

ページ/セッション・・・セッション中に表示された平均ページ数です。同じページが繰り返し表示された場合も表示されます。

平均セッション時間・・・セッションの平均時間です。

これらの数値は、訪問者がどのくらいウェブサイトに留まり、興味を持って見てくれているかを教えてくれます。平均ページ数が少なかったりセッション時間が短い場合、以下のような要因を検証してみましょう。

  • エンゲージメントの高い宛先にメルマガを送信しているか
  • ウェブサイトのコピーやコンテンツは最適化されているか
  • 訪問者をカスタマージャーニーの次のステージに導くためのディープリンクを使用しているか

3. コンバージョン

コンバージョンは、メルマガ配信が上手くいっているかどうかを知るための最も強力な指標です。メールマーケティングは、新規顧客とリピーターを生み出すためのものです。Googleアナリティクスを利用する際は、コンバージョンゴールを設定するようにしましょう。コンバージョンゴールは、ビジネスモデルやウェブサイトがどのように収益を上げるかによって異なります。例えば、セミナーやイベントへの申し込み、サービスの資料請求、商品購入などのゴール設定が可能です。

Googeleアナリティクスでコンバージョンゴールを設定すると、ゴールを選択し、メルマガで発生したコンバージョン数、コンバージョン率、そして設定されていればメルマガからのコンバージョンの価値(購入額など)を確認することができます。これにより、メールマーケティングのROIを正確に把握することができます。

Googleアナリティクスを活用して、メールマーケティングの成功度合いを知ろう

メルマガの開封率を知ることは大切ですが、それだけでは限界があります。さらに、今後はApple Mailユーザーについて開封率の正確な把握ができない可能性があるため、開封率のみを指標とするべきではありません。

Googleアナリティクスを活用することで、メルマガのパフォーマンスをより正確に把握することができます。また、コンバージョン数や売上高など、メールマーケティングとROIの関係を把握することで、より詳細な目標設定を行うことができます。

メルマガの効果測定に、ぜひGoogleアナリティクスをご活用ください。

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