みなさんこんにちは、コンテンツ担当の伏見です。
2017年最初の事例紹介となる今回は、新ビジネスを起業された会社に無料で送られる起業家向けのビジネス情報冊子「創業手帳」を発行しているビズシード株式会社が行うブランドのファン作りやセミナー集客などに効果のあるメール配信についてマーケティング部の久保さんにお話をお聞きしました。
リンククリック率30%以上という同社のメール施策とはどんなものなのか解明したいと思います。
ビズシード株式会社が発行している創業手帳とは、日本全国で毎月約10,000社ほどある新ビジネスを立ち上げた会社へ無料で送られる起業家向けのビジネス情報冊子のことです。会社を始めると直面する、様々な予期せぬ出来事や選択、課題に対応するためのノウハウを冊子やwebサイトの記事を通してわかりやすく提案している起業家たちの強い味方なのです。
目次
創業手帳のメール施策概要
- メール配信を行っているサービス名:創業手帳
- メールマーケティングの目的:
1.定期ニュースレター: webサイトへのリピート率向上(創業手帳のファン作り)
2.不定期で以下のような目的のメールを配信
– セミナー集客
– 広告主のサービスの訴求
– 新しい冊子の資料請求
– 起業される方に向けた無料のコンサルティング案内
3.社員知識向上&従業員満足度向上のための社内報(ほぼ毎日) - 配信頻度:開催されるセミナーなどのイベント数などにもよるが月に2〜4回(社内報を含まない)
- 主な配信コンテンツ:自社webサイトで掲載している記事を中心に、イベント情報や無料の起業コンサル案内など
- 目的達成への施策:
– 登録されたタイミングからステップメールを配信
– A/Bテストを行い、より効果が出るように何度も検証
-毎日配信している社内報
登録時により多くの情報を得ることがその後のメールでのコミュニケーションを熱くする
こちらでは創業手帳冊子を要望された方に、定期的にニュースレターを配信しています。
Webサイトで掲載している記事の中からSNSに投稿した時の反応のよかった記事を中心に、 セミナーイベント情報や無料の起業コンサルティング案内などをまとめ、月に2〜4回の頻度で全ての購読者に向けて配信しています。
またその他にも創業手帳ではセミナー集客を目的としたものやwebサイト上で掲載している広告主のサービスのセールス情報、新たに創刊された冊子の資料請求、起業された方のための無料コンサルティングの案内といった内容のメールも不定期で配信しています。
創業手帳では冊子の注文や資料請求時にアンケートを行っており、設問数を多く設けることでより詳しい相手の情報を収集しています。実はこれがメールマーケティングにも一役買っているのです。
アンケートの設問を多く設定すると登録の離脱率が上がると思われてしまうかもしれませんが、長いアンケートを答えてまでも「欲しい」と思ってもらえる人に欲しい情報を届けることで、よりメールの効果も高まります。
そうやって得られた情報を活用することで、各地のセミナー情報を配信相手の地域に合わせて内容を変えることができます。結果、同社ではwebサイト、SNS、メール、Peatixなどでセミナー情報を発信していますが、参加者の約4割はメールからの登録だそうです。
セミナーなどのイベントへの集客を目的とした場合、メールというツールとの相性はかなり良いですね。
その他にもアンケートでは起業にまつわる事柄における興味内容や業種、現在のステータス(起業前や起業後1年など)といった情報も集めているので、購読者をこれらの情報ごとにグループ分けできるようセグメントし、相手にできるだけ関係のある情報をメールで届けることを体現しています。
その結果、メール施策を通じて創業手帳のファン作り、webサイトへのリピート率向上を可能にさせています。購読者一人一人にできるだけ沿ったメールを配信しているからこそ、強い関係が生まれるんですね。
実際、久保さんがクライアント先へ訪問した時には「メルマガの人ですよね?」と言われるなど、メールの認知・効果が広がっているそうです。
Benchmark Emailで設定できるメールの差し込み方法(パーソナライズ機能)
クリック率30%越えを実現させた数々のメール施策
創業手帳ではメールを通じた購読者とのコミュニケーションを様々な方法で行っています。複数の側面からアプローチを行うことで、メール開封率は20%以上、リンククリック率ならメール開封者の30〜50%という結果を出しています。
ではここで創業手帳が行っている効果のあるメール施策の一部をご紹介します。
ステップメールによるタイミングを外さない注意喚起
創業手帳では以下の2種類のステップメールを配信し、冊子を受け取った方とのコミュニケーション向上を図っています。
1.創業手帳資料請求者向け(メール総数2通)
1通目(配信のタイミング:創業手帳資料請求5日後):
資料が実際に手元に届く頃を見計らって「届きましたか?」「コンサルタントもやってますのでご要望ください」と言った内容のメールを送っています(開封率40%以上)
2通目(配信のタイミング:創業手帳資料請求30日後):
資料についての感想などを得るために読者アンケートを送っています。
2. ニュースレターに記載している広告コンテンツに興味があり資料請求などを行った人向け(メール総数2通)
1通目(配信のタイミング:資料請求直後):
広告主が提供しているサービスのクーポンをお届けしています。(開封率20%以上)
2通目(配信のタイミング:資料請求14日後):
郵送で届けられた資料のリマインドメール
(興味を持ってくれた広告コンテンツに関するチラシが郵送された冊子に入っていると思いますが、ご確認いただけましたか?と言った内容)
このようにオフライン(冊子)とオンライン(メール)を複合的に活用することで、より密接なコミュニケーションを可能にさせ効果を高めています。その成果が開封率40%という数値に表れているんですね。
A/Bテストによる開封率の改善
メールの開封率やリンククリック数の改善に便利なのがこのA/Bテスト。
創業手帳ではA/Bテストを活用してメールの開封率やクリック率の改善を行っています。
その結果、以下のような施策を行うことで、より高い効果を上げられることが分かったそうです。
- メール件名に購読者のフルネームを挿入
- 送信元名の内容を「サービス名」「メール製作者個人名」の順番で記載
試したい施策をテストできる社内報
創業手帳では2016年11月に入ってからほぼ毎日、全社員に向けて社内報を送っています。webサイトに掲載した新着記事や起業関連の外部ニュースをまとめて配信することで、社員の知識向上と従業員満足度(エンプロイーサティスファクション)向上を図っています。
また、社内報の最大のメリットはメールのデザインや文章量、コピーライティングや構成といったメール施策を内部で試せること。社内向けの配信なので、開封やリンククリックした人の特定ができる上に、「この人のために記事を書いたのに読んでもらえなかった」、といった具体的なデータを得ることができます。
社内報はいわばメールマーケティング道場のような存在となっているんですね。
久保さん曰く、自身のスキルアップにもつながるので、社内報はとてもオススメなんだそうです!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回のメール施策の効果を高めるポイントはこちらです!
・購読者からできるだけ多くの情報を収集しその情報を元に購読者をグループ化。そのグループに合わせた内容のメール配信
・日々配信している社内報から自分の購読者に合ったメールの正攻法を見つける
ということで、今回はブランドのファン作りやセミナー集客などを目的にメールで行えるコミュニケーション方法の可能性を体現している創業手帳の事例をご紹介しました。多くの施策をご紹介しましたが、できるところから参考にしてみてはいかがでしょうか?
それではまた!
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