
Eメールの送受信には送信者、受信者、Eメールサービスプロバイダー(ESP)の3者が関わっています。それぞれに役割があり、信頼できるEメールは最も効果的なマーケティングチャンネルの1つであるため、適切なESPを選択することはビジネスにとって非常に重要です。 この記事ではESPについて、ESPとメールクライアントの違い、良いESPの特徴等ESPの役割について説明しています。
ESPとは(Eメールマーケティングサービスプロバイダー)
Eメールサービスプロバイダ(ESP)とは、Eメールを作成し 購読者リストに送信するためのツールです。ESPは郵便配達員のようなものと想像してください。誰かに手紙を送る際その手紙が時間通りに目的地に届くかどうかは郵便配達人の責任となります。
その手紙が、Eメールのことです。Eメールが購読者の受信トレイに届くようにするためにはESPが重要です。ESPは メール配信を容易にするだけでなく、購読者のメールアドレスの保存をしておくことが可能です。
ビジネスにESPが必要な理由
ESPは見込み客や顧客にメッセージを届けるために不可欠なビジネスツールです。メールクライアントから1通ずつメールを送信するのではなく、ESPを使用してリスト上の全員にメッセージを送信し、結果を測定することができます。
ESPはどのように機能するのか?
ESPのアカウント上にはメールの作成と送信に必要なものがすべて揃っています。
まず、送信元アドレスを追加し、 ドメインを認証する必要があります。送信元ドメインの評価を維持し、メールの配信の効果を最大化するため、適切な送信元ドメインを所有していることを証明することを意味します。
連絡先または購読者を配信先リストに追加する必要がありますが、csvで簡単にアップロードできます。またはCRM等の他のソフトウェアからESPにコンタクトをインポートするために連携を使用して配信先リストを完成させます。
次にメールを作成します。テキストベースのメールはもちろん、画像やロゴなどでブランディングしたHTMLメールを作成することで受信ボックス内で目立たせることができます。多くのESPにはメールマーケティング用のテンプレートや、ドラッグ&ドロップで簡単に使えるメールビルダー、WYSIWYGメールエディターが用意されています。
配信先リストとメールの準備ができたら送信の準備は完了です。
メール送信後、ESPではメールマーケティングに必要な情報が確認できます。開封率、クリック率、エラーアドレス数、配信停止アドレス数などの メールマーケティングの指標を確認することにより今後のプラン作成と購読者リストの管理を容易にします。
以上がESPの基本的な仕組みとなります。メールマーケティングが進むにつれて、パーソナライズ、セグメンテーション、A/Bテスト、自動化などの機能が必要となってくるでしょう。
ESPの主な特徴
ESPは各社によって利用可能な機能に大きな違いがあります。MailchimpやConstant Contactのような、老舗のESPはホームページビルダーやマーケティング広告のようなメールマーケティング以外の機能も備えています。ほとんどのESPには以下のコアとなる機能が用意されています:
- ドラッグ&ドロップエディタ: HTMLコードでのメール作成が得意な人は少数ですし、各メールクライアントにはメールを表示するための独自のルールがあります。そのためESPにはドラッグ&ドロップやWYSIWYGエディタがあり、HTMLコードを使用することなくメールを作成することができます。
- あらかじめ用意してあるメールテンプレート: メールデザインは簡単ではないので、多くのESPはすぐに使えるテンプレートを用意しています。画像や色、ロゴを変更したり、メールのコピーを追加したりすることで、メールをカスタマイズしてオリジナルのメールを作成できます。
- 登録フォーム:購読者を増やすことはビジネスを成長させる上で非常に重要です。ESPにはウェブサイトやランディングページに簡単に追加できる登録フォームがあり、配信先リストを自動的に増加させる機能があります。
- オートメーションメール:オートメーションメールを備えたESPであれば、メールマーケティングの自動化が可能です。あらかじめワークフローを構築しておくことにより独自のメール配信シナリオを実行できるものもあります。
- A/Bテスト: ESPの中には件名、自動、購読者に合わせたメールコンテンツなどの条件によってどちらのメールがより購読者からの反響が良いかをテストするツールを提供しているところもあります。
- リスト管理: 購読者リストの管理は優れたメールの作成と同じくらい重要だという事をご存知でしょうか。ESPでは購読者の行動や属性によってリストをセグメント分けすることができます。
- レポートと分析: ESPでマーケティングメールを送信する醍醐味は配信の結果を確認できることです。レポートによってメールのパフォーマンスを知ることができ、次回のメールでどのような変更を加えるべきかのヒントを得ることができます。
ESPでのAIの使用について
生成AIはESPのあらゆるところで活躍しています。AIが生成するメールデザイン, 件名、メールコピーを活用することによりメ ールをより効率的に作成することができます。

スマート件名機能は常に魅力的な件名を生成
無料で試すESPを利用している企業
どのような業種でもESPの利用が可能であり、ご利用をお勧めします。規模の大小を問わず各企業は顧客や購読者とつながるためにESPを利用しています。
ESPのご利用料金
どのようなビジネスにとっても費用対効果の高い方法であり、そのROIは否定できません。最も長い歴史を持つデジタルマーケティングチャンネルであるにもかかわらず、メールマーケティングはいまだに 3600%という驚異的な投資収益率 で君臨しています。
一般的に、メールサービスプロバイダのコストに影響するのは機能とコンタクトリストのボリュームという2つの要素です。
オートメーションメール、レポート、連携などのニーズが高度になればなるほどコストが上昇する傾向にあります。同様に購読者数が増え、ESPに保存する連絡先が増えれば増えるほどコストは増加します。
メールマーケティングのROI を知ることは機能とコストの適切なバランスを確認し、よりよいプラン選択をするために必要不可欠です。
各種ESPの特徴
ESPは万能ではありません。ここでは、Eメールサービスプロバイダの主な種類をご紹介します:
オール・イン・ワン型ESP
Eメールサービスプロバイダーが高額になるにつれ、備えられている機能も充実してきました。オールインワン型はメール送信だけでなく、コンタクト管理、ウェブ開発、広告など、関連するマーケティング活動を含んでいます。オールインワンソリューションは1つのアプリで多くのマーケティングニーズを網羅できますが、プラットフォームだけで充分かというとそうではありません。
独立型ESP
独立型ESPではEメールの送信のみに特化しています。メール用の単一ツールとして他のツールとの相性もよく、よりカスタマイズされたマーケティングスタックを構築することができます。
Eコマース用ESP
eコマース向けESPはかご落ちフォロー、商品のお勧め、購入追跡、eコマースプラットフォームとの連携など、オンライン小売業者向けに構築された特別な機能とワークフローを持っています。
トランザクションメール用ESP
トランザクション用ESPは注文確認、出荷の最新情報、支払い受領書などのトランザクションメールを送信するための強力な機能を備えています。これらのメールは顧客に購入に関する情報提供をするため、非常に重要です。
ニッチなESP
業界によっては、ニッチなソリューションを必要とする特定の要件や規制があります。例えばK12のメールサービスプロバイダは学校のデータベースとの連携や、児童/保護者の連絡先構造を管理するためのソリューションを提供しています。
人気の高いESP
ESPの世界で有名なESPには次のようなものがあります。Mailchimp、Constant Contact、Moosend、tinyEmail、そしてもちろんBenchmark Emailも有名なESPに入ります。
一般的なESPとその比較については、こちらをご覧ください:
目的に合ったESPを探すチェックリスト
ESPは何十年もデジタルマーケティングの主役として君臨しています。市場はかなり成熟しており新規参入企業も日々現れている状況です。しかし、非常に多くの選択肢があるため利用目的に適したESPを選択するのは難しいことです。
ESPをご契約する際、以下の10の質問を参考にしてメールマーケティングを始めてみましょう。
使い方は簡単ですか?
使いやすいツールはそれだけでコストパフォーマンスの向上に一役買います。ESPは直感的なインターフェースを備えているか、オンボーディングプロセスのシンプルさ、問題が発生した際は自信での解決が必要か、それともライブサポートにアクセスできるか、昨日の活用には技術的な専門知識が必要かなどがあります。
多くのESPは無料アカウントや無料トライアルを提供しており、操作性をお試しいただき直接評価することができます。
どのような機能が含まれていますか?
異なるESP間で機能を比較したり、同じESP内でプランを比較したりするのは決して容易なことではありません。Eメール戦略で何を達成したいのかがわかっていれば、必要な機能を絞り込むことができます。
- オートメーションメール
- セグメント
- パーソナライズ
- A/Bテスト
- 登録者数の増加
- レポートと分析
- 外部連携
到達率はどの程度ですか?
デザイン性の高いメールは到達率も良い傾向にあります。レビューサイトにてESPの到達率について他の消費者がどのように評価しているかを確認するのも良いでしょう。また、ESPのプラットフォーム上で 送信元評価 をコントロールする方法を聞いてみると良いでしょう。
料金プランは?
価格設定は必要な機能と配信リストのサイズにより決定されます。もしESPが段階的な価格設定をしているようなら使い始めてから必要な機能の増減が発生してもプランを簡単にアップグレードまたはダウングレードできるかどうかを知っておく必要があります。
配信先リスが増加する見込みがある場合、アカウント内に保存するコンタクト数や毎月送信するメール数による価格の変化を把握しておきましょう。配信先が1,000件から10,000件に増加する可能性がある場合は、価格の上昇にご注意ください。
カスタマーサポートは充実している?
信頼できるカスタマーサポートであるかどうかでメールマーケティングの締め切り間近の際や緊急時の対応に大きな違いが出ます。必要なときに必要なサポートが受けられるか、プランに含まれているのかオプションなのかを確認しておきましょう。
拡張性はある?
ビジネスが拡大するにつれ、メールマーケティングのニーズも変化していきます。例えば現在は1つのサービスを提供していても将来的にさらに多くの製品やサービスを開始する予定がある場合などです。ビジネスの変化は読者とのコミュニケーション方法やリストのセグメンテーション方法に影響を与える可能性があります。要件が進化するにつれて、より広範囲のリストや複雑なメールに対応できるかなどESPの拡張性についても尋ねてみましょう。
どのようなセキュリティとコンプライアンス対策がとられているか?
GDPRやその他の規制によるデータセキュリティとコンプライアンスはとても重要です。データの安全性、同意の管理、プライバシー法の遵守に関するESPのプロトコルについて尋ねてみましょう。