Benchmark Emailプロダクトチームでは多忙なメールマーケターの皆さまのため、メールマーケティングを簡単かつ効果的に行うためのツール開発を行っています。

今回は、最高製品責任者であるジェフ・ジマーマンと、プロダクトマネージャーでスマートデザイン機能責任者のポール・リンダースに開発の裏話を聞きました。

彼らが手がけた最新機能である スマートデザイン機能は、AIを活用して誰でもプロ仕様のメールを時短で作り上げることを可能にするものですが、開発や日本語版のローカライズはどのように進んだのでしょうか。

最新機能の開発に関するエピソードに加え、今後提供したいサービス像についてもお話しします。

1.スマートデザイン機能を開発するきっかけは?

ジェフ:
Benchmark Emailは、創業以来「シンプルで使いやすい」をモットーにサービスを設計しています。本来HTMLメールをいちから作るのは専門知識が必要となる大変な作業ですが、私たちは、誰でも簡単にメールマーケティング戦略を実現できるツールを目指しています。AIを導入する以前からも、直感的に使えるドラッグ&ドロップエディタや豊富なメールテンプレートをご用意し、メール作成プロセスを簡単で便利にするための改善を続けてきました。

ポール:
ただそれでも、メール配信ツールを初めて使う方にとっては、見慣れないプラットフォームを使ってメールを作成するのは難しいことに変わりはありません。普通であれば数時間かかるタスクを、数分で終わらせるようにするにはどうしたらよいかと考えたときに、ChatGPTが公開される数年前から話題になっていた生成AIツールに目が向きました。2022年9月にはメール用の文章を生成できる スマートコンテンツ機能 の提供を開始しています。

ジェフ:
スマートコンテンツのリリース後間もなく、ChatGPTが一般公開されます。この新しいOpenAIとのAPIを利用して、スマートデザイン機能の開発を開始することになりました。自動コピー作成ツールから自動メールデザイン作成ツールの開発へと物事が進んでいったのは、ごく自然な流れといって良いでしょう。

2.スマートデザイン機能を開発するときに、苦労したことは?

ジェフ:
Benchmark Emailでは常にユーザー視点を優先したプロダクト開発を行っています。最先端技術でどんなに高性能なサービスを揃えたとしても、ユーザーが本当に欲しいと思っている機能やツールを提供できなければ意味がありません。スマートデザイン機能開発で難関ポイントとなったのは、最初にアイディアを詰め込みすぎないことでした。当初から高機能に作りこむのではなく、まずはシンプルなバージョンをスタート地点とすることにしたのです。はじめにリリースしたβ版は最新版に比べて機能や性能面で劣るものの、ユーザーが実際どのようにメール作成フローにAIを活用するのかを理解するとても良い機会となりました。

ポール:
そうしてユーザーが本当に必要とするものだけを精査し、不要なものを見極めるのはとても難しいプロセスでした。ユーザーが作成しているのは どんなタイプのメール なのかを理解するため膨大なリサーチを行い、その結果をもとにプロモーションメール、ニュースレター、ウェルカムメール の3種のテンプレートでスマートデザイン機能の提供を開始することになりました。

そのほか、ユーザーのビジネスや企業のスタイル、そしてメールの種類に合ったコピーを生成するAIプロンプトの作成には試行錯誤を重ねました。また日本語でのコピー生成は一筋縄ではいかず、特に当初のGPTバージョンでは困難を極めました。OpenAIは英語バージョンの方が優れていることが明らかだったため、プロンプトはまず英語で作成し、生成コピーを日本語で表示するよう指示を出すことで適切なアウトプットを得られるようになりました。

3.スマートデザイン機能のリリースで、どのように変わりましたか?

ジェフ:
ユーザーにとってメール作成やデザインの工程がより手軽になったように見られます。スマートデザイン機能のおかげで、新規ユーザーがすぐにメールを作成・保存できるようになり、アドレス登録などの次のステップに進むユーザーも増えました。スマートデザイン機能のおかげで、効果的なメールを簡単に作成できることが証明されました。

データで見える効果以外にも、ユーザーから受け取るフィードバックでもポジティブな影響がうかがえます。他社ツールを使用していたときには2時間かかっていた作業が、スマートデザイン機能を使ったら同様のメールが45分で完成した、という声も。他にはG2などのレビューサイト上でユーザー同士がスマートデザイン機能の使用感について意見交換をしていたりと、とても好感触といえます。

4.今後は、どのような体験をユーザーの皆様へ提供したいですか?

ジェフ:
これからも多忙なマーケターのためにメールマーケティングを簡潔化し、短時間で結果が出せるようサポートをしていく予定です。そのためには引き続きAI技術を活用し、コピーやデザインなどの生成機能だけでなく、レポートや効果測定データの分析により最適なメールマーケティング戦略
を提案できるようにしていきたいと考えています。

また多くのユーザーからBenchmark上でもっと高性能なコンタクト管理機能が欲しいと意見を頂いています。今年、来年でより効果的なコンタクトのフィルタリングとセグメント機能の開発に力を入れ、より便利にターゲット層にアプローチできるツールの提供を予定しています。


ポール:
最新のアップデートでは、メールエディタから直接フリーの画像素材にアクセスできる機能を追加しています。またCanvaとの新連携機能により、メールマーケティングに Canvaデザインを活用できるようになっています。これらの新機能はスマートデザインでのメールテンプレート生成を強化する役割も担っています。

ジェフ:
AIはとても便利な技術ではあるのですが、あくまでもマーケティング戦略における「アシスタント」として利用してもらう必要があります。Benchmarkユーザーもその顧客も、AIが生成したそのままのメールや件名に魅力を感じることはなく、必ず人間味をどこかで加えることを前提としなければいけません。私たちのミッションはAIツールとメールマーケターのコラボレーションの場を手軽に提供することで、ユーザー自身が思い描くマーケティング成果を出せるようサポートすることです。

 

以上、プロダクトチームへのインタビューでした。
普段、ユーザーの皆様への対応は日本チームが行っていますが、日々開発に励む米国チームのメンバーについても身近に感じていただければ幸いです。

Benchmark Emailでは今後もユーザーの皆様のお役に立つサービス開発を続けてまいります。
日本のユーザー様へのサポートやコンテンツの発信もますます充実させてまいりますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

 

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by Benchmark Team