こんにちは!カスタマーサクセス担当の林です。
メールマーケティングに取り組む際、「何が効果的なコンテンツなのか」「どんな件名が正解なのか」と悩むことはありませんか?
でも、悩む必要はありません。A/Bテストをすればいいのです。様々な方法をテストすることで、最適な戦略を見つけることができます。
A/Bテストを行わない企業と、常にA/Bテストを行なってメールを配信している企業ではROIに37%もの差があることがわかっています。
参考記事(英語): The ROI of Email Marketing
では実際に、どの項目をどのようにテストすれば効果的なのでしょうか。
今回は、A/Bテストの比較項目を事例と共にご紹介します!
目次
ABテスト比較1:メルマガの件名
件名のテストは簡単かつ、非常に効果があります。全メール受信者のほぼ半数(47%)が、件名によってメールを開くか否かを決めます。
また、およそ10人中7人(69%)が件名だけで判断して、「迷惑メールとして報告」をクリックします。非常に多い数字です。件名には十分注意しましょう。
メールの種類にもよりますが、イベントなどのお知らせであれば日付を明記したり、セールやキャンペーンのお知らせであれば「無料」「○%割引」といった具体的な数値を入れると開封率が大きく上がることがあります。
しかしながら、メールの内容が期待をもたせた事柄と異なる場合はエンゲージメントの低下を招きます。件名のテスト結果では開封率もちろん、クリック率にも注目してみましょう。メールを開封した購読者が、内容にも興味を持ち続けているかの指標になります。
関連記事:【事例4選】メルマガ開封率upに効く!読まれるタイトル施策まとめ
ABテスト比較2:メルマガの差出人名
まず、送信元に「noreply」アドレスは使わないようにしましょう。人間味がなく、機械的なイメージがあります。(シンプルな通知を送る場合は問題ありません。)
そして差出人名ですが、実は件名と同じくらい開封に大きく影響を与える箇所です。
どこから来たメールなのか、ということをすぐ認識していただくために、弊社では会社名ではなくサービス名である「Benchmark Email」を差出人名に設定しています。
また、ブログ記事をご紹介するメルマガとイベント情報をお届けするメルマガで、下記のように差出人名を分けています。
購読者が認識しやすい差出人名を心がけましょう。候補がいくつかある場合は、どれにすれば良い結果が得られるかをテストをしてみてください。
ABテスト比較3:メール配信する曜日と時刻
Propellor CRMによると、メールを送信する最適な日時は火曜日の午前10時だそうです。
もちろん、すべてのマーケティング用のメールをこの時間に送信しなければならないわけではありません。ターゲット層の生活リズムや競争率も影響するため、色々なシナリオがあると言えます。メールを送る理由と受信者を考慮して、いつメールを配信するのが効果的かを考え、テストしてみましょう。
また、全購読者に一気にメールを送るべきか、ということも考えると良いでしょう。高いクリック率が見込まれる場合は、セグメントを利用するのも手です。
例えば、大規模なセール情報を発信してサイトがクラッシュしないようにしたい場合は、時間をずらすなど。また、海外に発信する場合はタイムゾーン別に分けるのがいいでしょう。
一方で、メールでソーシャルメディアの投稿をチェックするように人々に頼んだ場合は、時間で分けたりはせず購読者全員が同時にメールを受け取るようにします。そうすることで、あなたの投稿をトレンドに選んでくれるかもしれないからです。
ABテスト比較4:メルマガ配信頻度
あなたにとって、丁度いいと感じるメルマガの頻度はどのくらいですか?
「迷惑メール報告」を押されることなく、価値を提供できるようにするにはどのくらいの頻度が適当なのでしょうか。これまでと同様、それはあなたの購読者と購読理由によって変わってきます。
しかしながら、頻度を調べる場合はA/Bテストがやや難しくなります。テストをする中で煩わしいと思われてしまうことは避けたいものです。
そこで、これまでに送ったメールの開封もしくはエンゲージメントのデータがある場合は、それらを手がかりとして利用しましょう。
オンラインプリントショップVistaprintは、上記のように様々な割引を提供するメールをほぼ毎日送信していますが、あまりに頻度が多いと割引が当たり前になってしまい、価値を感じ辛くなる危険性があります。
メール配信の頻度は、伝えたい情報がどのくらいあるか、どれくらいなら継続的に開封してもらいやすいか、という部分が重要になってきます。
ABテスト比較5:画像重視かテキスト重視か
絵は、1000文字の代わりを務めることが可能であるといわれています。
つまり自分のメールをチェックしている人は、絵を見れば簡単に内容を理解できるのです。
視覚的な魅力を提供することと、素晴らしい文章力を示すこと、どのようにしてバランスを取れば良いのでしょうか。
A/Bテストでは、画像が多いメールとテキストが多いメールをテストしてみましょう。
一般的に、テキストベースのメールは到達率が高くなる傾向があります。(画像が重いメッセージは簡単にスパムであると紐付けられ、読み込みがされないことがあります)。しかし、配信されると、画像ベースのメールはクリックされる可能性が高くなる傾向があります。
例:Seafolly
Seafollyのような高級水着ブランドの場合は、画像で訴えかけるのが効果的でしょう。美しいビジュアルはブランドの訴求に大きく貢献します。
例: Milanote
一方で、ノートアプリMilanoteからのこのウェルカムメールはシンプルで工夫がないように感じますが、合理的で無駄がなく、テキストベースの効果を発揮できていると言えます。
ABテスト比較6:メッセージの長さ
メールはどのくらいの長さが適しているのか、ということは本当に悩ましい問題です。
理想的なメールの長さは、「対象製品が何であるか」「購読者どのような望みを持っているか」などによって異なります。
作家であるポール・ジャービスが購読者に向けて送ったメールです。非常に長いですね。ですが、彼の最新情報を受け取るために購読しているほとんどの人々は喜ぶに違いありません。 もちろん、著者に当てはまるものが必ずしもあなたのブランドに当てはまるとは限らないので、様々なコピーの長さをテストして、顧客が最も喜ぶものを探ってください。
ABテスト比較7:テキストリンクかボタンリンクか
下記のリンクで、どちらがより魅力的に見えますか?
ボタンリンクはテキストリンクよりも目立つため、一般的にクリックされやすいです。
しかし、もしボタン自体がロードされない、または表示されない場合はクリックが発生しないため、テキストリンクを貼った方が良いということになります。
どちらが本当に適しているかは、携帯電話でメッセージを読む傾向があるかどうか、ボタンクリックに慣れているかなどによるため、やはり顧客によって異ってきます。
関連記事:メルマガでクリック率を高めるための7つのヒント!CTAを設置した効果的なメールの作成方法
ABテスト比較8:リンクの数と配置
Eコマースブランドなどのコンテンツは、マーケティングにおいて重要な役割を担っています。適切なリンクの数と配置で、購読者にしっかりアピールできるメールとなっているかどうかは、テストにテストを重ねて確認したい部分です。
例: Refinery29
購読者が好むコンテンツを充実させ、クリックを促しています。記事や広告、さらにソーシャルメディアのフォローボタンも配置しています。 Refinery29はこれがオーディエンスが望むものであると判断し、それらを提供することで高いクリック率を得ています。
サンドウィッチショップのジャージーマイクズは、誰もが喜ぶ無料クーポンを配布しクリックを促しています。魅惑の言葉「無料クーポン」を拒否する人がいないことを知っているのです。
ABテスト比較9:パーソナライズした名前を挿入するかどうか
見知らぬ人がぶっきらぼうにあなたの名前を読んで挨拶してくると、不快に感じるでしょう、ですが友人であれば気持ちよく感じます。
同じように、メールへのパーソナライズした名前を挿入するかどうかや、その挿入の仕方は重要なポイントです。
下記は、パーソナライズした件名と通常の件名のA/Bテスト例です。
件名A:[名前]様にお得な情報をお届けします。
件名B:お得な情報をお届けします。
件名Aの方が個人に向けて送られている感が大きいですね。
また、本文でのパーソナライズのA/Bテスト例がこちらです。
パターンA:
パターンB:
このスターバックスのメールのパーソナライズはおしゃれですね。このようにカップに自分の名前が入っていたら、興味を引かれて読んでしまいます。
ABテスト比較10:GIF画像の使用
猫じゃらしを追いかけてしまう猫ではありませんが、動いているグラフィックを無視することは非常に困難です。うまく使用されているときはなおさらです。
GIFは、メールマーケティングにとって有効なものでしょうか?その答えは、あなたのブランド、顧客、挿入するGIFによります。
A/Bテスト事例を見てみましょう。
パターンA:
パターンB:
このBonobosからのメールは、イメージ自体に十分な説得力があります。しかし人目を引くアニメーションを利用しているパターンBを送信した方が、より多くのパンツが売れるのではないでしょうか。
ABテスト比較11:フォントカラーとフォントスタイル
落ち着いた色使い。エキサイティングな暖かい色。明朝体、ゴシック体。
テキストで気をつけることは、言い回しだけではありません。メールは視覚的な媒体のため、画面上での表示方法も考える必要があります。
A/Bテストでは、様々なフォントカラーとフォントスタイルをテストして、コンバージョン率にどのような影響を与えるかを確認します。驚くことに、アクションボタンの呼び出しの色を変更するなど、簡単なことが大きな影響を与える可能性があります。異なるフォントスタイルを使用する場合も同様です。
黄色は、人々を元気づける陽気な色とされています。購読者はきっと、リンクをクリックしてプランを選択することでしょう。
このブラッシュスクリプトスタイルのフォントは、すべてのブランドに適しているわけではありません 。しかし花の会社にとって、この風変わりな書体は優しい雰囲気を醸し出して、イメージにマッチします。
ABテスト時の6つの注意点!
正確で実用的なデータを取得するためには、注意するポイントがいくつかあります。
1. 一度に1つだけ変更する
メールのA/Bテストでは、変更点は一度に1つだけにしましょう。例えば件名とコンテンツの一部を変えるなど、複数変更してしまうとどちらが結果に影響を及ぼしているのかがわからなくなります。
2. 時間と曜日を考慮に入れる
A/Bテストはの結果は100%完璧というわけではありません。
異なる時間に、または異なる顧客リスト同士でテストを実行する必要があるかもしれません。外的要因がどのように結果に影響しているのか、常に考慮してください。
3. 全ての記録をとる
テスト結果なんて全て覚えている、と思うかもしれませんが、数週間、数ヶ月、数年経てばテスト直後のようにデータを思い出すことはできません。細心の注意を払って、新しいインサイトを見出してください。
4. 日常的にテストを実施する
テストをルーティン化させましょう。
5. テストグループはある程度の大きさにする
テストグループは管理できる範囲内に収めつつ、正確なデータを取るのに十分な大きさにしましょう。目安として、最低1000件(パターンAで1000件、パターンBで1000件送る)はあるといいでしょう。
6. とにかくテストを継続する
A/Bテストの結果が一見小さな差でしかなくても、大きな影響を与える重要な傾向やインサイトを示している可能性があります。テストにテストを重ねましょう。
Benchmark EmailのABテストについて
Benchmark Emailでは、上記全ての項目(件名、差出人名、コンテンツ、時間比較)を簡単にテスト可能なA/Bテスト機能があります。
配信先リストは自動的に「テストグループ」と「本配信グループ」に分割され、開封やクリックの数値が良かったメールを「本配信グループ」へ配信することができます。詳細は下記のFAQや動画をご参照下さい。
・関連FAQ:A/Bテスト
・YouTubeでのA/Bテスト解説動画はこちら
*A/Bテスト機能は、Proプラン以上(旧プランの場合、リストプラン及び配信数プラン)でご利用が可能です。
全てのメルマガに共通の正解はありません。悩んだ時は上記の事例や注意点を参考に、A/Bテストを実施してみてください。
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