こんにちは。遠藤です。Benchmark Emailを利用しているユーザーの方に、お話を伺うインタビューシリーズです。今回お話を伺ったのは、全国的にレストランを展開されている株式会社ワンダーテーブル 竹原様です。

株式会社ワンダーテーブルのメール施策概要

メール配信を行っているサービス名:
・飲食店 全12ブランド(しゃぶしゃぶ・すき焼きブランド、海外から誘致した人気レストランや自社開発したオリジナルブランド)
・国内の約40店舗

対象:
各店舗を利用したことがある既存顧客

主な配信コンテンツと頻度:
店舗のイベントやフェアの情報

担当組織:
メールマガジンの担当者:2人

日本国内で全12ブランドの飲食店を展開している「株式会社ワンダーテーブル」

━ 株式会社ワンダーテーブルは、どのような事業をされていますか?

大きく分けて二つのタイプの飲食店を経営をしております。一つは「鍋ぞう」や「モーモーパラダイス」といったしゃぶしゃぶ・すき焼き食べ放題のブランド。もう一つは、海外から誘致した人気レストランと自社で開発したオリジナルブランドです。
国内は約40店舗、海外は120店舗といった形で展開をしています。海外に関しては直営ではなくて、フランチャイズ展開という形でやらせていただいています。

株式会社ワンダーテーブルが展開しているレストランの例株式会社ワンダーテーブルが展開しているレストランの例
(株式会社ワンダーテーブルのサイトはこちら

━ メールはどんな目的で使われていますか?

国内で展開をしている12ブランド全てでニュースレターを配信をしています。最終的には集客に繋がるように配信をしています。
2020年4月以前は、各店舗でのイベントや、フェア、新店情報などを発信していました。しかしコロナ禍で店内の営業ができなくなっていた時期もあってなかなか売上が前年に戻るということがなく、それを補填するために、テイクアウト、デリバリー、それからオンラインショップというものに力を入れて、そういった情報もニュースレターで発信するようになりました。

新型コロナウィルス感染予防策についても「うちではこういうことをやっています」ということを併せて発信をしています。ニュースレターは必ず毎回見ていただける訳ではないので、しっかりと新型コロナ対策について知って頂けるように、毎回なるべく載せるようにしています。

ユーザー層とリスト取得方法

━ 株式会社ワンダーテーブルのメールマガジンの読者層はどのような人でしょうか?

来店をされた方(予約をされた方)に配信をしています。ほかには来店されて名刺交換をされた方にも「お店の情報を配信してもよろしいですか」とお伺いした上で、お送りをしています。
ホームページにも、登録フォームを置いていますが、SNSも含めて「メールマガジンの告知」は積極的にはしていません。

年齢層は、それぞれのブランドごとに変わります。オリジナルブランドであるクラフトビール専門店「よなよなビアワークス」は、年齢層は若めです。海外から誘致したレストランは、単価的にも高めというところがあり、比較的、年齢層は高めです。

リスト管理はTableCheckの予約システムに集約

━ メール配信のリスト管理はどのようにされていますか?

ブランドの店舗ごとにリスト管理をしています。TableCheck(予約システム)に全てを集約しておいて、メールを配信するときにCSVで引き出して、Benchmark Emailでメール作成~配信しています。

TableCheckは顧客情報の管理がしやすいんです。複数店舗を登録しているので、例えば「前回、系列店のこのお店にいつ行って、何食べた」っというのが分かるんです。そういった情報があると違ったサービスができます。例えばアレルギーの情報で「前回は伝えていたけど、今回、何もおっしゃらなくて大丈夫かな」というときは、念の為もう一度「アレルギーございますか?」とお伺いすることができます。

配信コンテンツとデザインの事例

スポット(ニューリリース)商品の告知

ローストビーフ専門店「ロウリーズ」の例

レストラン・飲食店のメルマガデザイン事例

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配信頻度:ブランドによって異なる(月1〜月5)
配信時間:平日のお昼前後(開封率が上がるタイミングで)
内容:スポット商品の告知

各ブランドのカラーに合わせたデザインにしています。配信頻度や曜日などは決めていませんが、週1でフェアを開催しているブランドではメールも週1配信をする、というように、ブランドに合わせています。ただ、忘れられないように月に1回は必ず配信するように心がけています。

デザインは、写真ありきだと思っています。私達のお店は「これが食べたいから行く」よりも「これがあるから、今度、家族で食べに行こう」という方が多いんです。1人で食べに行のではなく、みんなでというシーンのイメージを膨らませるにあたって、素材というか、写真は絶対に必要だなと思っています。

メール内の項目の数は3つまでにしています。店舗から「5つ入れたい」という要望があって、増やすことがありますが、やはり予約数などの反応は良くありません。数を増やすと分散してしまいますし、お客様も最初の2トピックくらいしか頭には残らないんですよね。

使う言葉も、カタカナがずっと続くと、全然頭に入らないんです。例えば、3ワードあったとして、間の文字は日本語に変えたりしています。ブランドによって「お知らせ」が好きなお客様もいます。あるブランドでは「◯◯のお知らせ」のときは開封率がすごく高くなるんです。

他にはエリア(地域)によって単語を変えたりしていますね。エリアによって、伝わる言葉(響く言葉)が違うことがあるので、ブランド的にはNGワードでも、お客様に響く言葉を使うようにしています。例えば、10年ぐらい前ですが、東京ではビュッフェだけど、大阪ではバイキングを使ったりしていました。他にもピッツァじゃなくて、ピザとかですね。

運用と設計について

店舗と調整をしながらニュースレターを配信をしている

━ 配信するメールの内容はどのように決めていますか?

ブランドによって違いがあります。計画がちゃんとできていて、しっかり内容やコンテンツも決まっているブランドもあれば、やりながら決めている店舗もあります。

配信する直前になって「やっぱり変えてこうしたい」と変更になることもあります。食材の入荷状況で、配信に載せる予定だったメニューの内容が変わって、写真を撮りなおさなければいけなくなることもあって、結構バタバタすることもあります。

コンテンツの精度を、作る前までに高めたほうがいいと思っているので、それを現場だったり、現場を統括している営業メンバーにも協力を求めてやっています。少なくとも「どういう内容で、いくらで、いつからいつまでなのか」そこだけは決めてもらっています。配信前のチェック体制は現場主導なので、まず現場に確認、その次に担当役員に確認をして、配信という流れです。

株式会社ワンダーテーブル マーケティング部 竹原様

株式会社ワンダーテーブル マーケティング部 竹原様

━ 効果測定では、どんな数値を追っていますか?

開封率を見ています。ブランドと内容によって、かなり差が出るのですが、高いお店では35%ぐらいで、平均して25%ぐらいです。

特別感がある内容のときは開封率が上がります。「ジャン・ジョルジュ」というフレンチレストランはニューヨークに本店があって、ニューヨークでは約10年、ミシュランの星を取り続けているお店です。年に2回だけ、クリスマスはホールケーキ、バレンタインのときはチョコレートの物販をやっています。この物販を楽しみにされている方がたくさんいらっしゃって、物販の情報を配信すると、開封率がすごく上がりますね。

開封率以外の数字については、予約の仕方もいろいろあるので、メールマガジン内のクリック率などを気にしてしまうと、間違った方向に進んでしまうかなと思っています。

来店しているお客様のニーズにあった内容はヒットしやすい

━ 開封率を上げるために大事にしていることはありますか?

キャッチーとかタイトルであるとか、言い回しも工夫しています。実際にリストの方々が求めている含む内容のもの、なおかつ限定というものが開封率が高くなる要因かなと思います。

例えばブラジルのシュラスコ料理の「バルバッコア」では、ファミリーで利用される方が非常に多くて、自分の子ども、自分の親と一緒に来られる方が多いんです。そこでキッズフリーキャンペーン(12歳、小学校6年生までは無料)を2カ月間やったんです。このときの開封率もいつもよりも高くなりました。

逆に、お客様が望んでない情報や、すでに知っている情報、お客様が「わお!」って感動しないようなものをやっても、あまりフィットしないなという感じがします。

アメリカのローストビーフの専門店「ロウリーズ」では、デザートもビュッフェスタイルになっていて、たまに苺フェアとか、桃フェアとか、そういうものを打ち出すのですが、季節ものによってもお客様が喜ぶものと、そうでないものがあるんです。店舗から、例えばですが「カボチャフェアやりたい」という要望がでたとして、過去の配信経験からの予測として「フェアがあるのはいいけど、カボチャで「わぉ、行きたい」ってならない。苺だったら行きたいけど」なんて意見があれば伝えて、店舗と調整をしています。

メールマガジンだけでなく、マーケティング全体として考えています。開封率を上げて、知ってもらって、来てもらうということが大事なので。実際に食べて、また行ってみようという形にするツールであると思っています。その上で、やっぱり最初のインプットはすごく大事。どういう見出しと内容にするかというのは、けっこう重要視をしています。

ローストビーフ専門店「ロウリーズ」の例(2)

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以前からの取り組みが、コロナ禍で救いになった

━ ニュースレターを配信していて感じる成果はありますか?

10年ほどメールマガジンに取り組んできましたが、今、このコロナ禍で特にそれは感じてます。以前はレストランのビジネスといえば、食べログとか、ぐるなびとかグルメサイトを出して、お客様にそこから検索して来てもらうというのが、当たり前な状況でした。ですが、こういう状況なので、みんなわざわざ、グルメサイトを見に行くことが少なくなりました。

そんな状況になっても、自社でちゃんとファンを抱え込んでいて、情報発信をすれば、お客様に情報を届けられる。その顧客情報のありがたみと、お客様に情報を届けるBenchmark Emailの仕組みというのは、非常に重宝しているし、ありがたいなと感じています。

━ コロナ禍前から取り組んでいたことに、今、救われているんですね

そうだと思います。2019年度に脱グルメサイトというのを掲げて「グルメサイトの利用を辞めようよ」という取り組みを進めました。というのも2018年度、グルメサイトを利用すると、送客手数料だけで云千万円も支払いがありました。この手数料はどんどん上がっていって「これはなんとかしよう」と、ちゃんとニュースレターのお客様情報の精度を高めて、ニュースレターでお客様を呼び込む。補足でSNS、Google Mapとか、そういうもので集客していこうよということで、1年間取り組みました。

結果は、3割減も支出を削減することができました。これは、すごく良い流れで、コロナ禍でも支えてくださっているのは、そういうグルメサイトではなく、ニュースレターでつながっているお客様です。ニュースレターで情報発信をし続けることで、来店やオンラインでも買ってもらったりもできています。

コロナ禍になってから、何もないところから、繋がりを作ろうと思っても、かなり厳しいところがあると思います。2019年の1年間、取り組みをやり続けて良かったなと思っています。

まとめ

コロナ禍になって、それまでに取り組んでいた「脱グルメサイト」が救いになったというお話は、とても印象的でした。お客様と直接つながる手段があることの強さを改めて感じました。

竹原様は広報やWebなども担当されているとのことで、お話を伺いながら、マーケティング的な目線で考えて、それがメールマガジンにもしっかりと落とし込まれているなと感じました。ニュースレターを単体として取り組むのではなく、店舗と調整をすることでイベントなどの施策と、ニュースレターとの連動が適切にされていて、まさに手本となる事例でした。

コロナ禍で飲食店は特に厳しい状況に置かれていると思います。今回の株式会社ワンダーテーブル様の事例を、少しでもコロナ禍を生き抜く参考にして頂けたらと思います。

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「【基礎編】最初はこれだけで大丈夫!まずは抑えたい3つの機能」でリスト連携のデモをご覧いただけます。
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