2024年にGmailと米Yahooメールがメール配信者向けガイドラインを制定し、ドメイン認証設定や配信停止システムなどの規定をクリアした配信を行うことが義務付けられました。

これに続き、Microsoftも2025年5月から段階的に新ガイドラインを施行します。

本記事では、Microsoft社のテックブログをもとに、新要件の特に重要なポイントや対応の優先度が高い項目についてわかりやすく解説します。

ガイドラインの対象と目的

1日に5,000通以上のメールをOutlook宛に送信するドメインが対象となります。

ガイドラインが制定されることにより、なりすまし・フィッシング・スパムの削減が行われるとともに、ルールを守っている正当な送信者のブランド保護・配信率向上が期待されます。

主な要件

SPF・DKIM・DMARC以下のドメイン認証設定が正しく行われていない場合、メールは迷惑メールフォルダに振り分けられ、将来的には配信が拒否される可能性があります。

    • SPF:メールを送信するドメインが、実際にそのメールを送っているサーバー(IPアドレスやホスト名)を正しくリストしておく必要があります。
    • DKIM:電子メールの完全性と真正性を検証するためにパスしなければいけません。
    • DMARC:SPFまたはDKIMと整合性があり、最低でもp=noneを設定する必要があります。
▶︎ Benchmark Emailをご利用の方は、ドメイン認証設定を行ってください。

 

推奨事項

以下の対応もメールの信頼性を高めるために推奨されており、準拠しない場合はOutlookによって迷惑メールと判定されたり、受信拒否をされる可能性があります。

送信元・返信先には有効なアドレスを使う

送信元アドレス(From)と返信先(Reply To)に設定するアドレスは実在しており、メール受信可能なものを設定しましょう。

▶︎ no-reply@などの送信専用アドレスは使用を避けましょう。

わかりやすい配信停止リンク

​​購読者が簡単に配信停止できるようにしましょう。

▶︎ Benchmark Emailではわかりやすい配信停止リンクが自動で挿入されます。

リストの定期的なクリーニング(エラー管理)

無効なアドレスを定期的に削除し、エラーやスパム苦情の発生を防ぎましょう。

▶︎ Benchmark Emailでは、エラーアドレスが自動管理され、送信先から除外されます。

透明性のあるメール配信

メールの送信許可を得ている購読者へのみ配信し、件名には誤解を招く表現を使わないようにしましょう。

▶︎ Benchmark Emailでは購入およびインターネット上から収集したアドレスの利用は禁止されていますので、改めて注意してください。

 

ガイドラインの実施スケジュール

2025年5月5日以降、Outlookでは非準拠のメッセージを迷惑メールフォルダに振り分ける対応が始まります。送信者には、未解決の問題に対処する猶予期間が設けられますが、将来的にはさらに厳格化される予定です。

 

まとめ

今回のガイドラインはスパムの削減を目的としており、正しく運用することで到達率の向上が期待できます。今一度、配信環境がガイドラインに準拠しているかを見直し、メールの信頼性をさらに高めましょう。

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参考記事

Gmailと米Yahooメールの新しい迷惑メール判定ポリシーとメール配信者が行うべき対応について
エラー率を減らしてメルマガの到達率を上げる方法

著者情報:

by 山本 美智