こんにちは。遠藤です。Benchmark Emailを利用しているユーザーの方に、お話を伺うインタビューシリーズです。今回お話を伺ったのは、地域創生・移住促進の取り組みを紹介するローカルコミュニティメディア「LOCAL LETTER」を運営する株式会社WHERE 高山様です。

LOCAL LETTERのメール施策概要

メール配信を行っているサービス名:
ふるさとがもっと好きになるメディア「LOCAL LETTER」

対象:
・Webサイトからのメルマガ購読希望者
・20~30代
・地域の取り組みに関心がある人

主な配信コンテンツと頻度:
LOCAL LETTERの注目記事紹介およびイベント告知(4回/月)

担当組織:
メルマガ担当者 1名(メルマガ・メディア・SNS兼任)

地域のファン作りとして、個人や企業に地域を紹介する「LOCAL LETTER」

 

株式会社WHEREでは地域のファン作りのため、個人または企業と結びつけるマッチング事業を行っています。地域の魅力や存在を知っていただくためのツールとして「LOCAL LETTER」というWebメディアを運営しています。

また、地域の魅力や情報に触れることができるイベントを、地域と都内で、月に2〜3回開催しています。

ユーザー層とリスト取得方法

LOCAL LETTERのWebサイトから直接ご自身で購読登録をしていただきます。また、イベントでお配りするアンケートでも購読を募集しています。

主な読者は20~30代です。
属性としては、すでに地域に入って活動をしている方が多いですね。例えば二拠点生活やボランティアに取り組まれている方々です。他には地域の取り組みに興味がある個人や企業、他の地域の取り組みを知りたいという地方自治体の方にも読んでいただいています。

配信コンテンツ

LOCAL LETTERの注目記事およびイベント情報

配信頻度:月4回
配信時間:18時
内容:LOCAL LETTERの注目記事またはイベントのお知らせ

Webメディア「LOCAL LETTER」の注目記事と、開催イベントをお知らせしています。

LINE@とSNSでも同じ記事・イベントをお知らせしますが、メルマガとLINE@はコアな読者が多いと感じているので、SNSよりも先に配信しています。

メルマガの最後には「編集後記」を設けています。私自身が、取材やイベントで地域を訪れていることを活かし、メディア記事に書ききれなかったことや、ちょっとリアルな話をここで紹介しています。

運用と設計について

大事にしているのはコミュニティの濃度を上げること

━メールマガジンの効果はいかがですか?

実際に、購読者のイベント参加に繋がっているのでありがたいです。
メルマガならではの読者との繋がりも感じていて、例えば「編集後記」のコーナーについて「あの話は面白かったよ」「最近、上手いこと書いてるよね」と声をかけてくれる方がいたりします。

同社のイベントスペース「てむすび」にて取材に応じて頂いた。

 

━開封率やクリック数など、どんな数字をみていますか?

ニッチな界隈ですので、PV数を追うよりも、地域に関心・興味を持ってくれる人たちの濃度をどれだけ高められるかに焦点を置いています。
メディアでもあまりPVを追わず、リアルなイベントに力を入れているのですが、いずれもコミュニティを大切にしているという理由からです。

メディアやメールマガジンには、はじめの接点としての力があると感じています。記事を通じて、広島や東北からわざわざ遠い場所まで来てくれる方もいらっしゃるんです。

デザインとタイトルの試行錯誤

━デザインやメッセージで意識されていることはありますか?

「地域ってダサい」とか「田舎暮らしは定年後にのんびりゆったりする場所」とか、そういうイメージが、世の中的にあります。でも、地域って本当はもっとイケていて、面白くて、けっこうな覚悟を入れないと入っていけなかったりします。活動していくためには本当は大きな覚悟が必要なんですね。そうした考えから、LOCAL LETTERでは地域メディアの一般的なイメージとは違うデザインを採用しています。

メルマガやLINE@で用いるトーンや画像は、Webサイトと統一しています。

━メールマガジン以外にはどんなことをされていますか?
私は、メディアもメールマガジンも一連でやらせてもらっています。イベントの運営もしますし、地域のプロデュース事業でツアーを作ったり、地域でイベントを作ることもやっています。

そのおかげで、メディアとメルマガの温度感は統一しやすいです。

━メールマガジンのデザインはどのように作られていますか?

基本となるテンプレートは、Webサイトと統一感を出すように社内で作りました。
はじめは色々なメディアのメルマガに登録をして雰囲気を掴みました。「これだったら視覚的にも見やすいかも、リンク的にも見やすいかも」と試した結果、今のデザインに落ち着きました。
写真や文章を当て込むだけで誰でも作れるくらいシンプルなテンプレートなのですが、一見手が込んでいるように見えるところがポイントです。

━デザインを変えていったときは、どういうところを見て判断したのでしょうか?
クリックマップレポートを見て判断しました。
どこで離脱されていくのかというチェックを続けていたのですが、メール末尾まで反応があったのは、今のデザインが一番でした。
コンテンツを4〜5本を載せて、記事のタイトルだけを紹介していた時もありましたが、1本の記事を丁寧に紹介するほうが反応がよかったんです。ユーザー層にもよるとは思いますが、LOCAL LETTERの読者の方は、じっくり読んでもらえるように届けようと今の形になりました。

その他「導入文章があったほうが良いのか」「タイトル付けはどうしたら?」と疑問に思う点は配信を通して検証していきました。

━件名は、どんなことを意識されていますか?

流行のキャッチーなワードを入れると、開いてくれる方が多いですね。あるいは「なんだこれは?」と思ってもらえる言葉を入れるようにしています。
例えば新しく流行が始まったタイミングで「テントサウナ」ツアーを開催したときに、そのワードを始めに置くと多くの開封がありました。

過去には「前略○○のあなたへ」というタイトルシリーズも試しました。
これは実際の配信で検証した結果、シリーズ感で揃えるよりも、キーワードに興味を持って開いてもらうよう仕掛ける方が効果的だと分かり、現在のタイトルの方向性を決めることができました。
その当時であれば『前略、自分の「ビジネススキル」を地域に還元したいと考えているアナタへ』という件名にしたのですが、現在であれば『【今日のレター】地域プレイヤー急増中。宮城県富谷市が「場づくり人材」を募集』という件名で送るといったところです。

━今は、HTMLメールで配信をされていますが、テキストメールを送られたことはありますか?
試した時期がありますが、ぜんぜんクリックが違いました。うちの場合はHTML版の方が良かったですね。

メールマガジンに載せるコンテンツはイベントを中心にバランスを取る

━掲載コンテンツはどうやって選ばれていますか?
イベントに流れてくれる方は多いので、集客の記事は、積極的に載せるようにしています。
告知ばかりになるとよくないので、取材記事も挟んでバランスをとっています。

LOCAL LETTERには400本ほどコンテンツがあり、地域ごとの記事数も豊富になってきます。
特定の地域の特集を続けて「最近、XX県の記事をよく見るな」「あっ、XX県のイベントをやるんだ」と、イベント告知へ繋げるキャンペーンを行うこともあります。

━イベントの告知は、1つのイベントに対して、どれくらいメールを送っていますか?
多い時は4回まで告知します。
はじめに、イベントの告知記事を開催1カ月前にリリースします。2週間前になったらリマインドします。3日前には「こんなイベントがありますよ。もし、お時間があれば」という感じで出します。前日は基本的に出しませんが、配信のタイミングが合えば告知することもあります。

メールはじっくり読むもの、LINEは気軽に反応してもらえるもの

━LINE@も使われていますが、メールとの違いは感じますか?

情報量が一番の違いでしょうか。LINE@では、文字量が多い通知は敬遠されます。少ないほうが良いというわけでもないのですが、ある程度限られています。
一方メルマガは、じっくり読むものだという前提があるようです。リッチなコンテンツを送っても楽しんでいただけるという点が、大きいなと思っています。

反対にLINE@の魅力は、読者側で気軽に反応ができることです。読者さんから「いいね」などのスタンプが送られてきたり、「このツアーはすごく気になっているんだけど、こうじゃないといけませんか?」と気軽に相談がきたり。そういうコミュニケーションが図れるという面で、LINE@はすごく良いかなと思っています。

まとめ

人手に限りがある会社にとって、LOCAL LETTERの事例は参考になりますね。メールマガジンを担当している高山さんは、メディアもイベントも担当されています。事業の全体的に関わっていることで、情報発信についても全体を見ながら取り組めているのでしょう。

デザインやタイトルなど、これまでに多くの試行錯誤を繰り返して、メールマガジンの形を作ってきたという、試すという行動をされてきたのは、見習いたいですね。

単に数字を追うのではなく、地域に関心・興味を持ってくれる人たちの濃度をどれだけ高められるか、コミュニティの濃度をどれだけ高められたかを大事にされているのは、しっかりと軸を持って取り組まれているんだなと印象的でした。

(その他事例記事)
メルマガ限定コンテンツで読者に価値を提供する!スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」
デザイン書籍出版「PIE International」が メルマガで本の魅力を伝える方法
SNSからメルマガへ繋げる工夫が光るNY発セレクトショップUNION TOKYOの事例