こんにちは。遠藤です。Benchmark Emailを利用しているユーザーの方に、お話を伺うインタビューシリーズです。今回お話を伺ったのは、NY発のセレクトショップ「UNION TOKYO」を運営している株式会社ジャック ユニオン事業部 ECマネージャーの冨岡様です。

 

UNION TOKYOのメール施策概要

メール配信を行っているサービス名:

UNION TOKYO
・アパレルの衣料品、雑貨、小物類の販売
・実店舗とインターネットショッピングの両軸で展開するO2O形態

対象:
・自社サイトでの購入者およびメルマガ購読希望者
・SNSからの抽選購入希望者
・20代、30代の男性が中心

主な配信コンテンツと頻度:
新商品の告知(4回/月)

担当組織:
メールマガジンの担当者1名

1989年にNYで誕生したセレクトストア「UNION TOKYO(ユニオン トーキョー)」

━UNION TOKYOは、どのような事業をされていますか?
アパレルの衣料品、雑貨、小物類の販売をメインにしています。実店舗とインターネットショッピングサービスの両軸で展開を行なっています。

━メールはどんな目的で使われていますか?
ブランド認知拡大と売上拡大を目指して取り組んでいます。UNION TOKYOで取り扱っているブランドの新商品や、限定販売品の周知、あるいは、レセプションやポップアップといったイベント告知に使っています。

ユーザー層とリスト取得方法
━UNION TOKYOのメールマガジンの読者層はどのような人でしょうか?
UNION TOKYOの顧客層は20代から30代の男性です。扱っているのはメンズのストリートラグジュアリーと言ってカジュアルでありながら少し値段設定が高めのブランド群のため、このようなターゲット設定になっています。

━メールマガジンの配信リストは、どのように獲得されていますか?
ECサイトで商品を購入された方、メールマガジン登録フォームから配信希望をされた方が主になります。

また、注目度が高いスポット商品は購入のために事前抽選を行っているのですが、応募の際の条件にメールマガジンの登録を組み込み、リストを獲得するという方策をとっています。

例えば「話題のブランドとコラボレーションしたスニーカー」となると、SNSで大きな反応があり、メールマガジンの登録者数も伸びます。

━抽選へは、どういった経路でたどり着くのでしょうか?
一つの事例をご紹介すると、はじめの接点はSNSやサイトのNEWSページです。SNSではInstagramで商品のリリースと抽選開催をアナウンスしています。仮設の抽選サイトより、個人情報を入力の際にメールマガジンの購読証明をしてもらい、当選者に向けて商品購入ページのURLをメールでご連絡し販売しました。

配信コンテンツ

新商品の告知

 

実例1

実例2

配信頻度:月4回程度
配信時間:決まっていない(ブランドの情報解禁スケジュールに合わせて)
内容:ニューリリース商品の告知

弊社のブランドイメージに合わせ、極力シンプルなデザインと構成を目指しています。コンテンツはあまり増やさず、新商品を軸に、来週発表する商品の事前のアナウンスなどを合わせて配信しています。

配信をする曜日や日時は決めていません。特に限定販売品はブランド側から差し込みで話がくるので、急なスケジュール調整が必要なことも多く、ブランド側から「この日の何時から公表して良いよ」といった情報解禁の日時指定があったりするんです。その場合は、解禁日時に合わせてなるべく最速で出すようにしています。

運用と設計について

SNSとの役割分担と効果測定

━メールマーケティングに取り組んでいる目的はどんなことでしょうか?

メールマーケティングはオンライン施策のなかでも重要なポジションにあり、力を入れている分野です。
弊社のUNION事業部は今年で2年目とスタートしたばかりです。メールマガジンを通して、お客様がコンテンツや商品のうちどういうところに興味があるのかを数値化して、データを取っていきたいと考えています。

メールマガジンは直接のコミュニケーションツールでもあるので、SNSよりも重きを置いています。SNSは情報が流れていくイメージなのに対して、メールマガジンは直接問いかけるイメージで取り組んでいます。

━効果測定では、どんな数値を追っていますか?

開封率やクリック数、オプトアウト率、エラーもみています。
平均の数値は開封率が27%以上で、クリック率が17%以上です。

一番重要視しているのは、CV数やCVRです。どこまで収益に繋がっているのかを、Googleアナリティクスと連携して毎回確認しています。

配信したものに対して「これが良くなかったんじゃないか」「あれが良くなかったんじゃないか」という話し合いをして「次回はこういう形で見せたらどうか」とPDCAサイクルを繰り返すようにしています。

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レポート数値を反映したコンテンツ設計

━メールマガジンのコンテンツで気をつけていることはありますか?

リスト取得元でもある限定販売品の抽選は、実はスニーカー商品であることが多いんです。それもあってUNION TOKYOのメルマガ購読者の内訳は、スニーカーの情報収集を目的としている層が一定数ありますね。

スニーカーから外れた情報を配信すると、反応が薄いことが数字として顕著にでました。

そこで洋服の魅力を伝えつつ、毎回必ずスニーカーの情報も載せるようになりました。スニーカーに興味のある人たちに「洋服もどうですか?」というスタンスで配信をする感じでしょうか。今週発表した洋服の情報を発信する場合は、来週発売されるスニーカーの情報を加えたりするなど、情報を組み合わせる工夫をしています(実例1を参照)。

ブランドイメージと合わせたデザイン

━メールマガジンのデザインでこだわっているところはありますか?

メルマガ全体のデザインは、本国が使用しているフォーマットを元に構築しています。そこから、徐々に日本向けにオリジナリティーを出していくというスタンスではじめました。向こうからも「ジャパンはジャパンの色を出してくれ」と言われています。良い部分は残して「これだと日本人にはまらないんじゃないか」という部分は、少しずつ変えていってます。

━日本向けの調整は、どのようなことをされていますか?

メールマガジンをはじめたときは、UNION店舗の公式ロゴである明朝体のものを用いていました。しかしこれではメルマガ画面の印象が弱いなと感じ、本国に「もう少しインパクトのあるロゴはないか」と相談しました。

「こういうものも使っているよ」と太ゴシック体のロゴを送ってもらったところ、ブランドイメージとインパクトが両立しているものでしたので、今はそちらを使っています。

2種類のロゴ

 

またUNION TOKYOでは、本国のブランドイメージを踏襲してWebサイトでも意識的に英語を多用しています。instagramの投稿も英文で投稿をしています。

メールマガジンでも当初は本国と同じような英文を用いていたのですが、反応の数値が変わったり「何が書かれているかわからない」という声がありました。そこで日本向けには、なるべくシンプルな英単語と短文に置き換え、直感的に伝わるように調整しています。

各ブランドからクオリティの高い写真が提供されることもあり、テキストは抑えめにしています。文章を最小限にすることで、写真を際立たせて「かっこいいな」「クリックしたいな」と思ってもらえる効果もあるんです。これは自社の強みと捉えており、積極的にビジュアル重視のデザインを用いるようにしています。

━GIFも使っていらっしゃいますが、どんなときに使われていますか?

モバイル読者が8割を超えているので、スクロールさせずに1画面でどれだけの情報を詰め込めるかということを意識しています。そのため、1枚分のスペースでいろいろな形で商品を見せてあげられるGIFを使うことがあります。

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まとめ

今回のお話を伺って印象的だったのは、instagramからの導線です。アパレルと相性の良いinstagramを使って認知を広め、スポット商品の抽選でメールマガジンの登録を条件に加えるという方法は、メールマーケティングだけでなく、SNSマーケティングとしても大変参考になります。

また、海外ブランドのイメージを守りつつ、日本向けにカスタマイズをするバランスの取り方も、とてもうまいなと思いました。英語だからこそ伝わるブランドイメージを、テキストを抑えてビジュアルを重視することで、日本人の購読者に配慮をしたメールマガジンを作り上げている。英語を使うことで生じてしまう「わかりづらさ」をデザインで解決しようとする、とても参考になる事例です。

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