こんにちは。遠藤です。
Benchmark Emailを利用しているユーザーの方に、お話を伺うインタビュー第2弾です。
今回、お話を伺ったのは、家族アルバムアプリ「Famm(ファム)」を提供している株式会社Timersのマネージャの植木様と、サポートスペシャリストの金子様です。

植木様、金子様

 

Fammのメール施策概要

メール配信を行っているサービス名:
家族アルバムアプリ「Famm(ファム)」

対象:
主に20代から40代の子育て中の女性

主な配信コンテンツと頻度:
メール1:カレンダーやフォトアルバムの締め切りアナウンス(3回/月)
メール2:イベント開催のお知らせ(毎週、地域ごと)
メール3:Fammレター(自社メディア)の更新告知(1回/月)
メール4:クーポン配布、新サービスリリース(随時)

運用体制:
各部署の担当者が作成・配信を別々に行なっている。
スケジュール調整のシートを共有して、頻度やタイミングを調整している。

家族アルバムアプリ「Famm」とは

 

━Fammは、どういったアプリなのでしょうか?

Fammはお子様の写真を家族で共有できる写真管理アプリです。

その中で、子育て家族の方々がより絆を深めるためのプロダクトを提供しています。子どもの成長を家族みんなで楽しめる、毎月写真を選んで注文するカレンダーやフォトアルバムが主力プロダクトです。同時にユーザーへ向けたオフラインイベントも提供しています。楽しい写真を撮る機会を提供する撮影会イベントでアプリ利用をご案内しています。また産後復帰のためのスクール事業も、子育て中のご家族の方の課題解決を応援する一つの形として提供しています。

ユーザー層とリスト取得方法

━Fammのユーザー層は、どういった人でしょうか?

主なユーザーは子育て中の方で、20代後半から40代までの女性がほとんどですね。30代が最も多く、20~40代がその半分以下だと思います。

━メール配信のリストはどのように得ているのでしょうか?

アプリ上で有料購入をしたことのある方が対象となります。
Fammはメールアドレスを登録しなくても使えるアプリです。お金がかかる注文をするタイミングではじめてメールアドレスを登録します。そこでメール配信のリストにも追加されるわけです。退会したユーザーへはアプリのお知らせはお送りしないようにして、イベント等のお知らせだけを行なっています。退会のフラグを立てて連携するという運用を行なっています。

配信コンテンツ

メール1:カレンダーやフォトアルバムの締め切りアナウンス

配信頻度:月3回(締め切り3日前〜前日)
一番開封される時間:夕方(子育て中のユーザが一息つく時間を考慮して配信)
効果:締め切りを忘れるユーザーが従来の半分に減った

最も多く配信しているのは、カレンダー・フォトアルバムの作成締め切りのお知らせです。
毎月、締め切りの3日前から「3日前です」「2日前です」「本日が締め切りです」というリマインドメールを送っています。これまでPUSHとアプリ内の通知でお知らせしていたのですが「気がつかず間に合わなかった」という声が見受けられたので、メールでのお知らせを追加しました。

メール2:イベント開催のお知らせ



配信頻度:週1回(地域でセグメント)
一番開封される時間:夜8時以降
一番申し込みのあるタイミング:週末

イベントの告知は、ユーザーの所属地域ごとに送っています。

実は最近デザイナーが整えてくれたテンプレートに変えたところ、少し申込率が落ちたんです。より綺麗なメールになったはずなのに。
前は「イベントの日程、会場の住所、最寄り駅、駅から徒歩何分、地図のURL」と情報が多く載っていたのですが、今のテンプレートは「日付、大まかな地区名、地図のリンク」と情報が少ないんです。これが一因かと推測しているので、Benchmark EmailのA/Bテスト機能を使って検証したいと思っています。

メール3:Fammレター(自社メディア)の更新告知

配信頻度:毎月

「Fammはどんなサービスか」「こんな新サービスがでました」「そろそろ行楽シーズンですね。写真で残しませんか」や、スクールの卒業生のインタビューを載せた「Famm Letter」というお知らせメールも配信しています。

メール4:クーポン配布、新サービスリリース

新しいサービスが始まったときや、クーポンが出たとき(キャンペーン)なども配信をしています。これは日時の決まりはなく都度計画して送っています。

運用について

API連携を構築して良かったこと

ポイント:APIによって最適な相手にメールを配信できるようになった

━メールの配信は自動化はしていますか?

期日が決まっているものは、半自動くらいです。今まではBenchmark EmailのAPIを繋いでいなかったので、毎月コンタクトリストを作って、アップロードをしてと、手作業で大変でやっていたのでやっていませんでしたが、システム部門(植木担当のチーム)にAPIを繋いでもらったので、できるようになりました。

お客様の数がかなり多くいらっしゃるので、それを毎月手作業で洗い替えするためには時間もかかりますし、作業ミスのリスクがあるため、お客様が変更するタイミングでシステム連携して更新しています。使いたいときに最新になっているという状態です。

初めての注文の人とか、毎月すでに継続している方とか、お客様の状態によって訴求する内容も変わってくるので、セグメント機能を活用し属性情報で分けています。地域ごとの撮影会の情報もあるので、都道府県の情報も連携をしセグメントしています。

━APIはどれくらい前から使われ始めたのですか?

3カ月前からですね。これは社内の事情ですが、お客様への対応としてメール配信サービスをより積極的に利用していこうという判断がありました。

マネージャ 植木様

サービスの初期、一部ユーザを対象に手動で運用していました。ユーザーが増えてきて、使い続けたユーザのなかにも締め切りを忘れる人数の絶対数も増えてきました。その解決策として、全ユーザーに送ったほうがよい、という議論になりました。メール配信サービスを効果的に使っていこう、社内体制も整っている、やるべき理由もある、ということでやろうとなりました。

このタイミングでサービスと連携しユーザ情報を同期するようにしました。2年くらい前に調べたときよりもBenchmark EmailのAPIがアップデートもされていて使いやすくなっていたので、スムーズに開発ができました。そこも大きかったと思います。

複数部署での配信ツール共有

ポイント:メール担当の部署はなく、それぞれの部署がメールを配信している。配信タイミングはスケジュール調整のGoogleスプレッドシートで管理。

━メールマガジンの担当部署はありますか?

実は、メール担当の部署はありません。メールは4種類以上を配信していますが、それぞれの部署が、それぞれのメールを作成・配信しています。

大量のメールが、1日に2、3通も来ると「なんだ?」と思われるので、そういったコントロールは気をつけています。
スケジュールが被らないように、スケジュール調整用のスプレッドシートを共有しています。シートには配信日時と内容を記入します。同じ日に配信したい部署が複数あるときは部署同士で時間の調整をしています。

サポートスペシャリスト 金子様

━メールマガジン全体を管理するような人はいないのですか?

私(金子)が配信スケジュールを常に見ていて「ここ、被っていない?」というツッコミをしています。
社内では私が一番メールマガジンの担当経験が長いため、部署を超えてフィードバックをする人のような立ち位置にはいます。
初めて配信をスタートするチームには、初回配信前に内容共有してもらい作り方や設定を事前に確認します。やはり、作り慣れていない部署の人がやると、テキストメールを編集し忘れたとか、送信元のメールアドレスを代表メールアドレスにしたまま、チームのものにしていなかったなど、細かいミスが起こります。なので、最初に送るときだけ、チェックをして「ここを変えてください」と指示をしています。

1回目に私のほうでチェックポイントを共有しているので、2回目以降は、それぞれのチーム内でダブルチェックする運用をしています。

━1通1通のメールのテンプレート、決まりはありますか?

テンプレートはデザイナーが用意をしてくれています。そのテンプレートが下書きになっているので、コピーしたものを各部署で自分たち仕様に変えたりしながら、内容を書いて送ります。

アプリのプッシュ通知とメール配信の併用効果

ポイント:アプリのプッシュ通知とメールマガジンは両方必要

━アプリ自体にもプッシュ通知の機能がありますが、使い分けはあるんでしょうか。

アプリの通知とメールを、併せて使っています。
同じ内容で、同じ日に送ります。どちらかを見てくれたら良いなという感じです。

━メールマガジンのメリットは、どんなところでしょうか?

プッシュ通知をオフにしていて見てくださらない方が、メールだと見てくださるというのは、すごく利点です。
以前から「カレンダーの締め切りを忘れた、困った」というユーザが一定数いて、いろいろと手は尽くしていたんです。新たにメールでの通知を始めたところ、そうした方が今までの半分に減りました。お問い合わせも減りましたね。

━メールの効果測定はされていますか?

現時点ではメールにKPIは設けていません。例えば締め切りを忘れるお客様が減ったなどの成果は見ていますが、ユーザの満足度向上のためにやるべき「投資」として続けています。

イベントのほうも集客数は見ていますが、メール自体の開封・クリック数は、見ていません。まだ頻度が多いこともあり、運用を軌道に乗せることを優先しています。

まとめ

今回、お話を伺って印象的だったのは、メールマガジンの社内体勢とAPIの活用です。

社内体勢では、金子様が全体の包括をしてはいるものの、特定のメールマーケティングチームはなく、配信の調整をスプレッドシートの共有で行い、メルマガの作成から配信を、それぞれの部署で行っているのは新鮮でした。

専門のチームがなくても、十分にメールマーケティング に取り組める、いい例だと思います。

APIの活用は、今回のお話を伺うまで、私自身ピンときていませんでした。APIを使って自社の顧客情報とメール配信システムと連携をさせることで、メールマーケティングがより効率的に、そして最適な人にメルマガを配信することができる。

顧客数が膨大で配信先のリスト数の数が多ければ多いほど、APIを活用することでメールマーケティングの生産性も高まることがよくわかりました。

アプリ会社としても、プッシュ通知とメールマガジンの併用など参考になるところがあったと思います。

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