
こんにちは!カスタマーサクセス担当の山本です。
今回はメルマガの件名の重要性と、効果的な件名作成のステップについて解説します。
目次
件名はなぜそんなに重要か?
メールの配信時に、毎回メールマーケターの方々を悩ませる作業として「件名の作成」があります。
現在最も利用されているメールクライアントであるGmailを例に挙げると、受信BOXでは以下の4項目が表示されています。
①タブ
②送信元
③件名+本文プレビュー
④受信時間
このうち、①のタブはGmailの判断で振り分けられるものなので配信する側ではコントロールができませんし、②の送信元や④の時間も開封率にとって非常に重要ですが毎回変えるものではありません。
一方、画面の中の一番大きな面積を占めているのが件名と本文プレビューで、ここに関してはメールごとに新しい内容を作成する必要があります。
なお、件名はPCとスマホで表示される文字数は変わりますが、両方を考慮すると最初の20文字以内に重要なキーワードを設置し、長くても30文字以内程度で簡潔にまとめるのが良いでしょう。また、本文プレビューは、Benchmark Emailでは任意の内容を設定することができます。詳しくはこちら。
今回は、メールマーケターが毎回件名を考える労力を軽減するため、ジョン・ケープルズの『ザ・コピーライティング』を用いて、実際のテストを経て科学的に証明された「見出し」部分の書き方を解説します。ジョン・ケープルズはアメリカの広告業界で58年間も活躍し続けた人物で、「広告の父」オグルヴィも絶賛した名著です。
『ザ・コピーライティング』では主に広告での「見出し」部分の重要性が語られていますが、ここで使われているテクニックはメールマーケティングの「件名」部分に十分に活用できます。
ジョン・ケープルズ流、見出し作成法
ジョン・ケープルズは、見出しの作成には5つのルールがあると解説しています。
①得になること
②新情報
③好奇心を刺激すること
④明るい面・プラス面から書くこと
⑤手っ取り早く簡単であること
①得になること
読者にとって「得になる」情報が含まれているかは、見出し作成のルールの中でも最も重要だとジョン・ケープルズは主張しています。
「得になる」情報というのは、例えば下記のような件名です。
例)
・自宅にこもっていても-5kg痩せる方法
・売り込んでいないのに、勝手にサービスが売れていく仕組みとは?
・【20%OFF】新作もまとめてセール【〜5/31まで】
これらの件名には、「健康」「お金」「知識」などそれぞれの分野で、読者にとってお得な情報が入っています。「-5kg」や「20%OFF」など、具体的な数字を入れるとさらに現実味や信憑性が増します。「このメールは自分にとってプラスだ」と読者が思えるポイントが入っているかどうかで、開封率は大きく左右されるのです。
②新情報
メールの内容が新着情報だと分かると、読者の目に留まる傾向があります。
例)
・【発売開始】あの人気ブランドのカジュアルスーツが新登場
・ついに始動!SNS特別講座が7月からスタートします
・【発見】ヒットしたダイエット商品の共通点3つ
このように新しく商品を発売する際や、アンケートやデータ収集などで明らかになった情報は「新情報であること」を強調して書くと読者へのアピールとなります。
③好奇心を刺激すること
「なんとなく面白そうだな」「一体どんな内容が書かれているのだろう?」と読者の関心を引く言葉を選ぶことも重要なポイントです。
例)
・こんな時、あなたならどうしますか?
・無駄なミーティングは、なぜ減らないのか?
・私が会社を辞めて料理教室を始めた理由
好奇心を刺激する時の工夫として、上記のように疑問文にして読者に問いかけるというのも有効です。「“こんな時”って、一体どんな時だろう?」「正解は何だろう?」と興味を引くことができるからです。
ただし、ジョン・ケープルズはこの「好奇心を刺激する」要素のみを取り入れるのではなく、「得になること」や「新情報」と組み合わせて使うことが重要だとしています。読者が「読む理由」を見つけやすいためです。
④明るい面・プラス面から書くこと
ネガティブでマイナスな表現・事柄が書かれていると、読者はわざわざメールを読もうと言う気になりません。
ほとんどのメールの件名では、明るい事柄やポジティブな表現が使用されているため、この点についてはそれほど深く考える必要はありません。ネガティブな表現とは、例えば下記のような見出しです。
例)
・本を読んだだけで満足していませんか?
・いつも行動に移せない人のパターンとは
読者は自分にとってプラスになる物に時間を割きたいので、不要な情報と認識されるとそのメールはスルーされる可能性があります。ネガティブな事柄が含まれてしまう場合は、下記のようにまずはポジティブな側面から記載します。
例)「いつも行動に移せない人のパターンとは」→「すぐに行動に移すために、捨てるべき習慣」
⑤手っ取り早く簡単であること
最後に、手っ取り早く簡単であることです。どんなに「得になる」情報であっても、読者に「自分でも簡単に実践できそうだな」と思ってもらえないと、自分には関係ないことだと認識されてしまう恐れがあるため、これも重要な要素です。
例)
・知っておくと便利!簡単ですぐにできるお弁当の詰め方
・自宅で出来る筋トレ!1日20分 × 2週間で腹筋を作ろう
さらにここで重要なのは、「情報に信憑性があるか」です。手っ取り早く簡単でも、「1日で-5kg痩せます」「これさえ読めば楽々収入アップ」といったような話が上手すぎる内容は当然信用されません。きちんと事実に基づいており、誰でも挑戦できそうな簡単な内容であることが理想です。
実践!件名を考えるときのステップ
次に、Benchmark Emailでおすすめしている見出し作成のステップをご紹介します。前章の見出し作成ルールを踏まえた上で、ステップに沿って実践してみましょう。
ステップ0. 本文をまず書き終える
まずはメールの本文を最後まで完成させます。
ステップ1. メールで最も伝えたいワードを書き出す
次に、完成したメールの中でも伝えたい情報(ワード)をピックアップします。
例)「10%オフ」「セール」「夏物アイテム」「ジーンズ」「7/31まで」など
ステップ2. それらのワードに優先順位をつける
ピックアップしたワードを、アピールしたい順に並べ替えてみましょう。
例)①「10%オフ」②「夏物アイテム」③「7/31まで」④「セール」⑤「ジーンズ」
ステップ3. はじめの15〜20文字を書く
それでは早速書いていきましょう。
初めの数や文字は確実に読んでもらえる場所なので、優先順位の高い言葉は出来る限り前の方に入れます。また、ここまででで大まかな内容が予測できるようにしておきます。
例)10%オフ!夏物が今だけ限定SALE(〜7/31)
ステップ4. 件名の続きを、残りのワードを使って書く
あとは残りのワードを足しましょう。
例)10%オフ!夏物が今だけ限定SALE(〜7/31)ジーンズはさらに5%引き
また、ステップ2でワードが多く出てきてしまった場合は、長い件名を書いてから不要な部分を削る方法もあります。
「10%オフ。夏物アイテムが今だけ限定SALE(〜7/31まで)ジーンズはさらに5%引き!次回以降使える割引クーポンもプレゼントキャンペーン中」
→今回のメールで最も伝えたい部分はどこか考え、絞っていく
「10%オフ!夏物アイテムが今だけ限定SALE(〜7/31まで)
「10%オフ!ジーンズはさらに5%引き!夏物アイテムが今だけ限定SALE(〜7/31まで)」など
ジョン・ケープルズも本書の中で見出し作成のコツを紹介しています。
「見出しをたくさん書いてから1番いいものを選ぶこと」
「書いた見出しをひと晩寝かせ、次の日にまた読んでみる」
考えが煮詰まった時や良い件名が決められない時には、少し時間を空けてから戻ってきてみると、客観的な思考で判断出来ることがあります。ぜひ、実践してみてください。
それでも迷った時は、テストをしよう
ここまでジョン・ケープルズの見出し作成の考え方や、Benchmark Emailでオススメしている件名考案のステップをご紹介してきました。
それでも件名作成はメール毎に行う必要があるため、迷ってしまうことがほとんどかと思います。
Benchmark Emailでは、「A/Bテスト」機能によって簡単にテストが行えます。「A/Bテストは、配信リストの中から一部の割合のアドレスに対し2種類の異なったメールを配信し、結果が良かった方を残りの全員に配信できる機能となります。件名のみテストを行うことも可能です。
A/Bテストについてはこちらのブログにて詳しく解説しております。
関連記事:開封率アップへ!メルマガのA/Bテストをするときに必要な考え方を図解で説明
今回参照した『ザ・コピーライティング』も同様に、テストを繰り返し、実際に結果が良かった見出しの特徴を分析した内容となっています。個人的な意見や、過去に誰かが主観で言っていたアドバイスに基づく非科学的なものではありません。
今後私たちが新しく見出しを作成する際も、できる限り事前のテストを行うことが結果を出すためには重要だと書いています。A/Bテストを活用し、顧客に響く件名の特徴を掴んでいきましょう。
(関連記事)
・メルマガ平均開封率レポート【最新版】
・【ワークショップレポート】開封されるメール件名に必要なラベル表現とインサイト表現とは?
・開封率が3倍に!メルマガの開封率を上げるために大事な3つのポイント
(英語圏に向けて配信している方はこちらもご参照ください)
・5 Subject Line Tips that Truly Work(英語)