こんにちは、セミナー講師の前田です。
2/13(木)に、A/Bテスト機能使いこなしワークショップを開催しました。
メールマーケターにとって、開封率とクリック率の向上は最も重要なミッション。このミッションを果たすために有効な手段となるのがA/Bテストです。
今回は、ワークショップにてお話をしたA/Bテストの考え方について図入りでご説明します。
目次
メルマガのA/Bテストとは
メルマガにおけるA/Bテストとは、あるメールに対して、メールの要素に変更を加えたテストパターンを2種類作成・配信し、どちらがより高い開封・クリック率を得られるのかを検証するものです。
Benchmark EmailにはこのA/Bテストの実行を支援するツールがありますが、A/Bテストを実行する際、「どのような要素でABテストを行えばいいかわからない」「どんな考え方でテストの要素を選んでいいかわからない」というハードルが存在します。
それではまず、開封率とクリック率に影響する要素について考えてみましょう。
開封率とクリック率を向上させる要素
開封率とクリック率を向上させる要因はシンプルに整理すると、下図のようになります。
開封率向上にはメールの件名、差出人名、配信日時。クリック率向上には画像やテキストのレイアウト、メッセージの長さなどがあります。これらの要素に、受信者の属性を加えて検討することで、どの要素でABテストを行うかを決定していきます。
ワークショップでは、Gmailなどメールクライアントの特徴から、重要な要素の説明を行い、過去の事例から得た要素ごとの影響度などをお伝えしました。
ここからは、A/Bテストの要素の取捨選択と、件名でA/Bテストを実行する際の「AとBの出し方」について解説します。
開封率向上のためのテストに取り組む際の優先順位
ワークショップでは、下記のABテストシートを参加者のみなさんに書いていただきました。
A/Bテストを実行するにあたり、まずみなさんが受信者に届けたい情報を選びます。このメールの内容がセールやキャンペーンといった売上に即つなげたいものなのか。見込客育成のためにお役立ち情報を届けるのかによっても、A/Bテストの件名や配信日時に影響を与えます。
次に配信予定日と受信者像を書き、受信者の属性を明らかにします。すぐに思い浮かぶ受信者の属性には年代や性別といったものがありますが、メールでこの掃除機の件名でABテストを行う際、まず大きな要素として、機能、ベネフィット(ユーザーが製品・サービスによって受ける便益)、価格や容量などの数量、特典などがあります。
そして、製品やサービス特有の属性もあるはずです。サービスの利用プランや利用年数、購入頻度やリテラシーなどもA/Bテストを検討する際の参考情報になります。
こうした情報を整理したうえで、No.4にあるどのような要素でABテストを実行するかを検討していきます。
前述したとおり、開封率を向上させるための要素には、差出人名、件名、配信日時があります。
これら複数ある要素のうち、どれから取り組むべきかというと、一番最初に試していただきたいのが、差出人名です。
これは、「社名or担当者名」「社名orサービス名」「社名+担当者名 or サービス名+担当者名」など、比較する項目も考える時間も少なくて済むからです。
比較する項目と考える時間の少なさという意味では、次に取り組むべきは配信日時ですが、ここはみなさんが扱う製品やサービスによって差異が大きいであろうことから、この記事では割愛します。
多くの要素を含む件名でのABテスト方法
A/Bテストで最も悩ましいのが件名です。
件名は開封率への影響が大きく、またメールの内容を要約するために考えなければいけない事柄が多いためです。
下図をご覧ください。
件名でABテストを行う際、みなさんが受信者に届けたい情報の内容にもよりますが、上図のようにさまざまな項目を細分化することができます。
まず大きな要素として、機能、ベネフィット(ユーザーが製品・サービスによって受ける便益)、価格や容量などの数量、特典などがあります。どの要素が受信者に対して影響を与えるかを試したい場合、これらの要素でABテストを行います。これが、上図左の枠にある「A or B」です。
ただ、機能といっても、みなさんの製品・サービスに複数の機能があって、どの機能が影響を与えるか試したい場合は、異なる機能でABテストを行うことができます。これが上図の「Aa or Ab」にあたります。
さらに、一つの機能を選んだとしても、それをどのように表現すれば良いかわからなければ、ここでもABテストを行うことができます。これが上図の「Aa1 or Aa2」になります。
掃除機を例にとって説明しましょう。
この掃除機には機能、ベネフィット、数量などいくつかの要素がありますが、メルマガ担当者は機能に絞ってABテストを行いたいと考えます。
吸引力や充電時間の短さなどいくつかの機能があり、特に訴求したいのが吸引力だったのですが、これをなんと表現すれば受信者の購買につながるかわからなかったため、ストレートに「吸引力が凄い」と表現するか、「ブラックホールなみの吸引力」と表現するかをテストすることにしました。
・・・このように、件名は検討する項目が多いため、様々な項目を一人の担当者があれこれ考えるのは、どうしても限りがあります。
そこで、共通のワークシートを使用し、後日その成果をワークショップ参加者同士で共有することで、扱う製品・サービスは違っても、自分がABテストを行う際の参照物とすることが、このワークショップの目的でした。
参加者の一人で、海外向けの旅行商品を担当する方は、ABテストの要素を件名にして「夏にお勧めのプラン」という「時期」で表現したものをAにして、Bには「花火、祭、海水浴」といった「夏の代名詞となる言葉」を選びました。
これは、海外の人によって、「まだ具体的に何をするか決めていないけれど、夏休みに日本に行こうと考えている人」がリストに多いのか、「ある程度、日本の情報を持っている人」が多いのかを確かめるためでした。
このような考え方は、母の日や結婚記念日といったイベントシーズンに配信するメールのABテストを行う際の参考になりそうです。
ワークショップではこうしたワークシートをつくっていただき、後日の成果共有を約束いただき終了しました。
一人では実行しきれないABテストの知見を、同じBenchmark Emailユーザーのみなさんと共有しあうこのワークショップは、今後も定期的に開催予定です。
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