先日、非常時に読者へどのようなメールを送ることができるのかについて、非常時にメールマーケティングで出来る6つの対応例という記事を公開しました。メールは読者へ情報を直接届けられる点で優れているものの、情報を「拡散」するには不向きな面もあります。
一方、SNSには自社のリスト以外の人々へも情報を「拡散」して届けることができるという特徴があります。Benchmark Emailユーザーの約半数がSNSの運用も担当されていることもあり、今回は非常時のSNSでのコミュニケーションについて、SNSマーケターの育成や運用支援、コンサルティングを行う株式会社BESからコンテンツ提供を受けた記事をお届けします。
株式会社BESについて
株式会社BESは代表の田中千晶を中心に、数多くの企業様のSNS運用のコンサルティング兼運用代行を行っています。SNSの運用担当者を育成する研修サービスの【SNS SCHOOL】も好評開催中です。
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目次
非常時にSNSを利用できることのポイントは?
情報の発信・共有・拡散という主に3つの機能に特化しているSNSは、非常時に顧客とのコミュニケーションを取る上で有効に活用することができます。
情報の発信:一次情報として正確な情報をダイレクトに伝えられる
情報の共有:顧客と情報を相互的に共有することができる
情報の拡散:拡散性があり、多くの人に届けられる
一方で、間違った情報や不謹慎な情報を流すと、安易に炎上する可能性もはらんでいます。自社の信頼度が下がることはもちろん、非常時であるがゆえに情報の受け取り手側が甚大な被害を被る可能性も否めません。当然のことではありますが、正確さに欠ける情報を流すことや、担当者が独断で情報を流すことがないよう、常時より一層注意を払う必要があります。
また、情報自体に誤りがなくても、投稿のタイミングが悪かったり、世の中の流れにそぐわない内容を投稿すると、「不謹慎だ」という批判が来る可能性もあります。例えば、自粛ムードが広がる中で、外出を促すことや贅沢な生活の様子を投稿することは、反感を買うでしょう。
実際、2018年の西日本豪雨で甚大な被害が出ている最中、有名モデルがInstagramに「梅雨も明けた?ので夏の必需品〜!」と自身がイメージキャラクターを務める日焼け止めのPRを投稿して「不謹慎」の声が殺到しました。
だからと言って、投稿を突然パッタリやめてしまったり、過剰に自粛を促すような投稿をすればいいということではありません。「自粛のしすぎ」「正しい情報が欲しい」「こんな時こそ明るい話題を」などの声が上がることも決して珍しくなく、非常時こそ適切なSNS運用を行うことで、顧客との信頼関係の強化へとつながります。
発信に選ぶメディアの選び方
非常時に有効なSNS活用をするためには、投稿内容に合った適切なメディアを選択し正しい情報を流すことが求められています。
緊急度の低い情報、信頼性を求められる情報発信向きです。
写真と比較的長文のテキストにより、詳細な情報を届けることができます。また、実名登録制であるため信頼性があり、比較的炎上しにくいSNSでもあります。グループ機能を利用して、同業者どうしや同じ地域の住民どうしで有益な情報を共有することも可能です。
利用例:「今後の弊社の対応について」など
緊急度の高い情報、小さな変更点や注意点などの発信向きです。
炎上しやすいSNSであるため発信する内容やタイミングには注意が必要ですが、即時性と拡散性があるため、緊急時の情報発信には最も向いています。
例えば、災害時に、地図や位置情報を付けて危険な個所についての情報を投稿すれば、被害の拡大を防ぐことに繋がります。
また、話題にあがっているハッシュタグを見つけて投稿を寄せることで、自社のイメージアップを図れます。緊急時に人々を元気づけたり、正しい対処法を伝えることで被害の拡大を防いだりするための情報発信になるからです。
外出を自粛し身の安全を確保を促すハッシュタグの例
#StayHome
#うちにいよう
外出の自粛によるマンネリを乗り越えようとするハッシュタグの例
#外出禁止がポジティブになるコピー
利用例:「明日の営業時間について」「火災が発生しているスポット」など
文字だけで伝わりにくい情報発信向きです。
24時間限定で画像や動画を簡単にシェアできる「ストーリーズ」の機能を活用することにより、重要な情報を写真で視覚的に伝えることができます。拡散性はありませんが、アパレル店などInstagramに多くフォロワーを持つアカウントは利用すべきです。また、非常時に活用できるような新機能が登場しやすいSNSでもあります。
例えば、写真や動画をアーカイブとして残し、プロフィール情報のすぐ下に表示させるハイライト機能は、Instagramを活用した情報発信の手段として非常に有効です。「ウイルス対策」や「安否情報」といったハイライトのカテゴリを作り、それぞれに投稿を保存しましょう。すると、ユーザーは、その店舗や企業の対策・対応を知ったり学んだりすることができます。
利用例:「当店の対策方法について」「外出を控え家で過ごしていることを気軽に伝えられる『おうち時間』スタンプ」など
(おうち時間)
LINE
確実に伝えたい情報発信向きです。
メッセージの開封率が60%以上に上るLINE。LINEの公式アカウントを利用した情報発信は一方的にはなりますが、友達登録をしている一人一人に確実に情報を伝えることができます。
また、既読・未読によって開封されたかどうかを確認することも可能です。ブロックや友達解除がされない限りは、未読のユーザーに再度同じ情報を届けるチャンスはあります。配信時間やタイトルを変更するなどして、必要な情報を届けていきましょう。LINE社が提供している分析機能を用いれば、メッセージの開封数やリンクのクリック数も確認できます。
利用例:「臨時休業のお知らせ」「域内、無料充電スポットのお知らせ」など
「特別な変更がない、通常運営であること」を伝える際のポイントは?
自粛ムードが広がっている際は、なぜ特別な変更を行わないのか、理由を明記しましょう。
また、台風や大雪が予想されている時や今回のような新型ウイルスの流行時には、顧客側に注意して欲しいことも明記すると良いでしょう。
【当店ご利用のお客様へ】
新型コロナウイルス感染拡大防止措置により、小中高生のみでの入場はお断りさせていただいておりましたが、
入場規制の解除・通常営業を再開いたします。
ご協力ありがとうございました。#ムトス pic.twitter.com/AhARX5mMuC— ムトス相模原店 (@muthos5001) March 26, 2020
特別な対応をしていることを伝える際のポイントは?
文字だけでなく、画像を添付すると情報がわかりやすくなり、好感度も上がりやすくなります。
例えば、Instagramの「ハイライト」は、ぜひご活用いただきたい機能です。「ハイライト」とは、投稿した動画や写真が24時間で消えてしまうストーリーズの内容を、カテゴリにまとめて閲覧できるように残しておく機能です。
また、ハイライトはプロフィールのすぐ下に表示されるので、アカウントを訪問したユーザーの目に留まりやすいのが特徴です。
「災害時の対応」「店舗の営業情報」「ウイルス対策」といったユーザーが必要とする情報をまとめておくことで、アカウントの誠実さが伝わり信頼度を高めることができます。
変更があることを伝える際のポイントは?
変更点がある場合には、利用しているアカウントを最大限に活用して、顧客に伝える必要があります。一時的にアカウント名の後ろに営業時間の変更を明記したり、プロフィール画像を緊急時ように変更したりするなどです。
そうした情報発信をしなければ、例えば、臨時休業や営業時間の変更が行われていることを知らずに、わざわざ飲食やアパレルの店頭までお客様が足を運んでしまうことも考えられます。その場合、その店に対する印象は著しく悪化してしまうでしょう。
本日29日(日)は11時から18時までの短縮営業です⛄️
お急ぎのお探しものなどご来店前にお問い合わせください❄️
商品のお問い合わせは
電話
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お問い合わせフォームhttps://t.co/1ejPgP9hY6 をご利用ください。
ウェブショップもございます✉️https://t.co/I0LiYCKcg2 pic.twitter.com/D1PC6pPCfD— 文具と雑貨の店 トナリノ (@tonarino_bungu) March 29, 2020
社内コミュニケーションでSNSを利用する場合は?
非常時には、リモートワークが実施される可能性が非常に高まるため、チャットツールをはじめとする社内SNSの導入を検討される企業さまも増えると思います。リモートワークを行う際には、普段以上に社員どうしの密なコミュニケーションが重要になってきます。
社内SNS導入のポイントは3点あります。
①社員全員が使えるSNSを選ぶ
②社員が利用するメリットを感じられるようにする
③利用時のルールを決める
一部の社員だけが積極的に利用しているうような状況では、必ずと言っていいほど業務に支障が出るので、社員全員が使えるように注意を払いましょう。
社内SNSを利用することによって社員が得られるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
-余計な挨拶文を省いて上司や部下と気軽にやり取りができる
-一目でそれまでのメッセージのやり取りの流れがわかる
-スタンプ機能などを使うことによってリアクションがしやすい
そして、これらのメリットを最大限に活用するためには、ルールを設定する必要があります。利用時のルールの例としては以下のようなものが挙げられます。
-利用時間を決める
-社内で統一のツールを使用し、他のツールは使わない
-無駄な挨拶文はいらない
-ファイル共有の権限を明確にする
-週1回はチーム単位で打ち合わせを行ってから全体会議をする
ルールなしで利用すると自由すぎるがゆえに、仕事とプライベートの線引きがうまくいかず、かえって社員の不満が高まる可能性があるので気をつけましょう。
プライベートでよく使うコミュニケーションツールはLINEだという人がほとんどだと思います。しかし、使い慣れているとはいえLINEを社内SNSとして利用することはおすすめしません。業務用と私用が混同してしまう可能性があることや、そもそも業務連絡用に作られたツールではないため機能が充実していないこと、セキュリティ面がそこまでしっかりしていないことなどが理由です。
では、どんなSNSが業務用として使うことに向いているのでしょうか。
代表的な社内SNSについて紹介します。
コミュニケーション系
chatwork(チャットワーク)
日本発のビジネスチャットということもあり、使いやすさと充実したサポートが支持されているため、SNS慣れしていない企業や初めて社内SNSを導入する企業におすすめ。グループチャット機能、音声通話・ビデオ通話機能があり、目的に合わせた使い方ができる。さらに、タスク管理や非常時の安否確認(図)もできるため、複数のツールを導入したくない企業にも向いている。
(※)災害時には、「安否確認です。無事なら『タスク完了』ボタンを押して知らせてください」という内容のタスクを追加する。“安否確認”のタスクを受けたメンバーは、タスクを完了することで安否を知らせる。『タスク完了』ボタンを自身の無事を知らせる機能として使う。
Slack(スラック)
世界中で1,000万人以上のアクティブユーザーを抱えるビジネスチャットツール。1対1のチャットはもちろん、チームやプロジェクトごとに専用のグループチャットを作ることもできる。他サービスとの連携機能が充実しているが、エンジニアの多いIT企業からの人気が高いことからも分かるように、テクノロジーに精通していないと使いこなすことが難しい。
web会議系
zoom(ズーム)
Web会議やメッセージング機能などを統合したコミュニケーションプラットフォーム。無料でも最大40分、最大100人までのグループ会議を行えるうえ、1対1のミーティングは時間制限なく使える。アプリインストールが必要なため通信が安定しており、モバイルアプリも使いやすく評判。
Whereby(ウェアバイ)
ブラウザ上でWeb会議を行えるサービス。主催者が発行したURLをクリックするだけで、ユーザー登録をしていない参加者とも会議を行うことができる。無料アカウントでは同時に4人まで、プランによっては同時に12名の会議参加も可能で、スクリーンの共有や会議室(チャットルーム)のロック、カスタマイズなど様々な機能がある。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからも利用可能。
プロジェクト管理系
イノピーエム
プロジェクトでの工数を可視化するのにおすすめのサービス。GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携でき、ドラッグ&ドロップでの操作が可能。スマートフォンからも入力できるため、現場スタッフや外勤営業が多い企業でも利用しやすい。メンバー設定や項目設定を細かく変更できる管理機能も充実している。
SNSを活用して円滑な社内コミュニケーションを図るためには、非常時に備えて普段から社内SNSを利用することが重要です。また、今回のようにすでにリモートワークが推奨されている際には、早めに社内SNSの利用方法やルールを社員に周知するようにしましょう。
さいごに
BESでは、非常時のSNS運用にお困りの企業さま向けに無料相談を行っております。非常時に関わらず、平常時のSNS運用やチャットツールをはじめとする社内SNSの活用についてもご相談を随時受け付けています。SNS運用についてお困りの方は、こちらのフォームよりお気軽にお問い合わせ・お申込みください。
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