当記事では、Benchmark Japanが行った「メルマガ配信業務における失敗談調査 2023年度版」の結果をダイジェストでお届けします。

調査概要・目的

当社では「メールマガジン購読状況調査 2022年度版」「コロナ禍におけるメルマガ配信・マーケティング業務の変化について 2021年版」など、日本国内のインターネットユーザーを対象に様々な調査を行っています。今回はメルマガ配信担当者の課題把握を目的として「メール配信業務における失敗談の調査」を行いました。

本調査では「連絡帳やリストの管理」「配信設定や日時」「件名や送信元」「メールの内容」「メールの表示デザイン」「メールの自動配信」に関する失敗経験、失敗時のフォロー・対応の実施有無や実施方法、失敗経験への対策状況、配信業務における悩みなどについて調査を行いました。(有効回答数416名)

尚、リサーチ会社の規約上、宛先の間違いに関する質問は当調査から除外しています。

調査概要:
インターネットリサーチによる調査を行った。調査期間は2023年3月8日~3月23日で、メールマガジン配信経験者による失敗談を調べるため、会社員、公務員、自営業、経営者など20代〜60代を対象とし、回答者の年齢分布は国勢調査の年代比率に対応させた。

 

メールマガジンの配信方法

最初に、どのシステムでメールマガジンを配信しているのか、配信方法について尋ねました。

Q. メールマガジンの配信方法を教えてください。過去に利用していたものも含め、あてはまるものをすべて選んでください。
Q. メールマガジンの配信方法を教えてください。過去に利用していたものも含め、あてはまるものをすべて選んでください。
結果はGmailやOutlookなど、一般的なメーラーのBCCを利用してメルマガを配信したことがある人が最も多く(65.9%)、続いて2位はメール配信システム(54.3%)となりました。MA、CRM、ECカートの配信機能を利用したことがある人は23.3%、自社開発システムは15.1%、そして「その他」の回答には「LINE」「サーバー上で使える無料メールサービス」などがありました。
Q. メールマガジンの配信方法で「Gmail、Yahoo!メール、OutlookなどのBCCを利用」のみを選択した回答者の割合を調べた。
また、回答者の中でBCC機能による一斉配信のみ利用したことのある人は全体の34%、それ以外の方法を利用したことのある回答者は全体の66%でした。

ご参考までに、現在Gmailの1日あたりの送信数の上限は500通、Google Workspace利用の場合でも上限は2,000通です。このように通常のメーラーは送信数上限が設けられていることもあるため、大規模な一斉配信にはメール配信サービスがおすすめです。

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続いて失敗談に関する調査結果を見ていきます。この調査では、メルマガ配信業務で経験したことがある失敗について、失敗の種類ごとに質問をしています。

 

失敗を経験したことがある人の割合

まず、本調査において「メールマガジンの配信業務で何らかの失敗を経験したことがある人」の割合は以下となりました。

失敗を経験したことがある人の割合

93%の回答者が何らかの失敗を経験しており、全ての質問において「失敗をしたことがない」と回答した人は7%に収まっています。

それでは、実際にどういった失敗をしたことがあるのか、具体的な失敗談の内容を見ていきましょう。

 

「連絡帳やリストの管理」に関する失敗談

一つ目は 「連絡帳やリストの管理」に関してミスをしたことがあるかについてです。

Q.「連絡帳やリストの管理」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
Q. 「連絡帳やリストの管理」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
1位は「登録や更新を忘れた」(52.9%)、2位は「メールアドレスや名前を間違えて登録した」(46.9%)となり、それぞれ約半数の方が経験があると回答しました。
また、3位は「連絡先を誤って削除した」(25.7%)でした。

配信先のメールアドレスが間違っていたり、連絡先を削除してしまうと、せっかく作成したメルマガを読者に届けることができません。誤った連絡先を登録してしまうことで情報漏洩に繋がることもありますので、配信先の顧客情報の取り扱いには十分注意が必要です。

 

「配信設定や日時」に関する失敗談

続いて、配信設定・日時に関して失敗をしたことがあるかを尋ねました。

Q.「配信設定や日時」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
Q. 「配信設定や日時」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
「送信日時の設定を誤った」が最も多く47.4%、続いて「送信ボタンを押し忘れた」(36.3%)が2位となり、人為的ミスが上位に入りました。

3位は「送信後、読者にメールが届くまでに想定より時間がかかった」(34.1%)でした。規模にもよりますが、メルマガの様な一斉配信をする際は配信完了まで時間がかかることがあります。
特にBCCでの配信はそもそも一斉配信を想定されていないため、サーバーに負担がかかり予想以上に時間がかかってしまいます。
大規模な配信を行う際は、一斉配信に対応したメール配信システムを利用するのがいいでしょう。

また、「メールの準備に時間がかかり予定通り配信できなかった」と答えた人も19.7%いました。具体的にどの部分に時間がかかったかは人により異なると思いますが、コンテンツの準備に時間がかかる場合は、あらかじめメルマガのコンテンツカレンダーを作成しておくと、業務管理がしやすくなるのでおすすめです。

コンテンツの基本的な作り方を解説しているブログ記事もありますので是非ご覧ください。

参考記事:ネタ出しどうしてる?メルマガコンテンツの基本的な作り方

✅ 失敗をしないためのPOINT

初めてメール配信システムを使う場合は、「メールの送信にどのくらい時間がかかるか」「メールの配信前に必要な準備はどのくらいあるか(ドメイン認証設定、リスト照合など)」を予め確認しましょう。

 

 

「件名や送信元」に関する失敗

Q.「件名や送信元」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
Q. 「件名や送信元」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。

件名の誤字脱字が1位(51.7%)となり、2位と3位も件名に関する失敗となりました。
件名はメルマガの開封に最も影響する要素なため、件名の間違いには注意したいところです。

✅ 失敗をしないためのPOINT

・配信前に自分のアドレス宛にテストメールを送信してチェックをすると、件名のミスに気づきやすいのでおすすめです。

Benchmark Emailでは件名が空白のまま配信することはできません。Benchmark Emailに限らず、件名が空白のままでは配信ができない配信システムのご利用でこの失敗は防げそうです。

 

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「メールの内容」に関する失敗談

次は、メールの本文や内容についての失敗談です。

Q.「メールの内容」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
Q. 「メールの内容」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
1位は「誤字脱字があった」(44.7%)、2位は「メール内の情報に誤りがあった」(41.6%)、3位は「メールが完成していないのに配信した」(33.2%)となりました。

「失敗をしたことがない」と回答した人は11.3%となり、他の設問と比較をすると「メールの内容」に関する失敗経験者は多い傾向にあるようです。

✅ 失敗をしないためのPOINT

・配信前にテストメールを送り、メールの内容に誤りがないか確認しましょう。
・メール内のリンクは一度全てクリックし、URLが正しいかチェックしましょう。

 

「メールの表示・デザイン」に関する失敗談

続いてメールのデザインや表示についての質問です。

Q.「メールの表示・デザイン」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
Q. 「メールの表示・デザイン」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。
メールのデザインや表示については、「表示エラーや文字化けが起きた」「デザインや文字が見づらかった」の2つの失敗に集約されるため選択肢が少ないですが、それぞれ約半数の人が経験したことがあると回答しています。

受信者側のデバイスやセキュリティ設定などによって、メルマガの表示のされ方は異なりますので、全ての受信者を想定して作成をするのは難しいかもしれません。

Benchmark Emailでは、デスクトップ版・スマホ版のプレビュー機能のほか、受信テスターのオプション機能があります。受信テスター機能では、PCの種類やスマホの機種・バージョン毎に表示の確認をすることができます。

全ての表示エラーを防ぐことは難しいですが想定外の表示を最小限に抑えることができる機能ですので、是非お試しください。

参考記事:HTMLメールの表示をテストするには?受信環境での表示確認ができるサービス「Litmus」を使ってみた

「メールの自動配信(オートメーション等)」に関する失敗談

ステップメールなど、自動でメルマガを配信するオートメーションに関する失敗についてです。

*本設問は、「メールマガジンの配信方法」についての設問で「Gmail、Yahoo!メール、OutlookなどのBCCを利用」のみ選択をした回答者(34%)を除いた66%の方を対象としました。

Q.「メールの自動配信(オートメーション等)」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。

Q. 「メールの自動配信(オートメーション等)」に関して、ご自身が経験したことがあるものを全てお選びください。1位は「意図しないメールが配信された」(50.7%)となり、続いて「自動メールが配信されなかった」と「意図しない時間に配信された」の2つが同率(34.8%)で2位となりました。

✅ 失敗をしないためのPOINT

・オートメーションの配信を開始する前に、正常に動作するかテストをすることで上記のようなミスを防げることもあります。すでに稼働中の方は、今一度設定を確認してみましょう。

・最初は複雑なシナリオを組むのではなく、ステップメールを用いたウェルカムメールなど、シンプルなオートメーションから始めましょう。

 

失敗談の総合ランキング(1位〜10位)

それでは、全ての失敗の総合ランキングを見てみましょう。
1位〜10位までの結果はこちらです。
失敗談の総合ランキング

1位は「表示エラーや文字化けが起きた」(55.3%)、2位は宛先の「登録や更新の作業を忘れた」(52.9%)、3位は「件名に誤字脱字があった」(51.7%)でした。

これらが今回の調査で分かった頻度として高い失敗ですので、メルマガ配信時に特に気を付けて確認を行っていただけたらと思います。

「お詫びメール」や「訂正メール」を配信した経験は?

また、失敗をしてしまった時に、お詫びメールや訂正メールを送ったことがあるかについて尋ねました。

*こちらの設問は、上記の失敗に関する全ての質問において「失敗をしたことがない」と回答した人(全体の約7%)は対象外としています。

Q. メールマガジンの配信業務に関する失敗が起きた際に「お詫びメール」や「訂正メール」を配信したことはありますか?
Q. メールマガジンの配信業務に関する失敗が起きた際に「お詫びメール」や「訂正メール」を配信したことはありますか?
お詫びメールや訂正メールを送ったことがある人は86.0%、送ったことがない人は14.0%いる結果となりました。

続いて、お詫びメールや訂正メールを送ったことがあると答えた86.0%の方に対し、どんな失敗をした時に配信をしたのか尋ねました。

Q. 「お詫びメール」や「訂正メール」を配信したのは、何に関する失敗をしたときですか?あてはまるものを全てお選びください。
Q. 「お詫びメール」や「訂正メール」を配信したのは、何に関する失敗をしたときですか?あてはまるものを全てお選びください。
1位は「メールが届いていなかった時」(48.6%)でした。
「メールが届いていなかった」原因は様々ですが、配信したにも関わらず受信者に届かなかった場合は、以下のような理由が考えられます。

・迷惑メールフォルダに入っていた
・読者の受信ボックスがいっぱいで受信ができなかった
・受信者側のセキュリティツールによりブロックされた など

受信ボックスがいっぱいで一時的に受信ができなかった場合などは、送信側で出来る対策はほとんどありません。一方で、送信側のドメイン評価が低いためにブロックされている可能性がある場合は、ドメインの評価を上げるための対策を行いましょう。

参考記事:メルマガの到達率を高く維持するための正しい運用方法

また、2位は「件名を誤った時」(40.2%)、3位は「メールの配信時間に関する失敗をした時」(36.6%)でした。失敗総合ランキングでも「件名に誤字脱字があった」「送信日時の設定を誤った」は、それぞれ2位と3位にランクインしていました。

「その他」には「作成途中のメールが配信されたとき」という回答がありました。

参考記事:メルマガ誤送信後も慌てず対応、お詫びメールの書き方と心得

失敗をしないために対策したことは?

「同じ失敗を繰り返さないために対策を行ったことがあるか」についても調査を行いました。

Q. これまでに発生した失敗に対して、どのような対策を行ったことがありますか?あてはまるものを全て選んでください。
Q. これまでに発生した失敗に対して、どのような対策を行ったことがありますか?あてはまるものを全て選んでください。
1番多かった回答は「チェック人数を増やした」(57.1%)、2位は「マニュアルやチェックリストを用意した」(50.1%)でした。

弊社のブログ記事でも配信前のチェックリストをご紹介しています。意外と見落とされがちな項目もありますので、まだ対策を行っていない方はぜひご利用ください。

参考記事:HTMLメールの配信前チェックリスト!初心者から上級者まで忘れたくない17項目

メルマガ配信の悩みについて

また、本調査ではメルマガ配信に関する悩みも聞いています。

Q. メールマガジンの配信業務に関するお悩みはありますか?あてはまるものを全てお選びください。 Q. メールマガジンの配信業務に関するお悩みはありますか?あてはまるものを全てお選びください。1位は「読者の求めているコンテンツがわからない」(45.2%)、2位は「適切なデザインがわからない」(35.6%)でした。
メルマガを送っても開封率や反応率が思ったように上がらず、読者が何を求めているのか悩むことはあると思います。
読者の求めるコンテンツやデザインが分からず悩んでしまった時は、読者像(ペルソナ)を設計してみてください。読者像を設定することで、「どんなことを知りたいと思っているか」や「どんな文体やデザインが好まれるか」が見えてきます。
ペルソナ設定ができたら、社内リソースと照らし合わせながらネタや構成案を考えていくといいでしょう。

参考記事:メルマガを読むのはどんな人?読者像(ペルソナ)のつくり方とは?
参考記事:ネタ出しどうしてる?メルマガコンテンツの基本的な作り方

また、3位は「メルマガの効果が計測できない」(31.7%)でした。

メルマガが何人に読まれているかや、何時頃に最も読まれているか、どのリンクが最もクリックされているかなどは、効果的なメールマーケティングを行う上で非常に重要です。Gmailなどのメーラーを含め、効果計測の機能がない配信システムを利用している方に多い悩みだと考えられます。

メール配信システムを使うメリットとは?

最後に、メール配信システムについて利用するメリットをご紹介します。
メール配信システムは、大量のメールを効率的に配信できるシステムです。

・顧客情報をリスト化し、属性ごとにセグメントできる
・豊富なテンプレートを利用でき、見やすいデザインのメールを作成できる
・開封率やクリック率などを配信レポートで分析できる
・配信の前にプレビューやテストメール送信機能で表示の確認ができる
・リスト数を増やすための登録フォームを作成できる
・メルマガの文章を自動作成してくれる(例:Benchmark Emailのスマートコンテンツ機能)

など、通常のメーラーにはない多くの便利な機能が備わっています。

メール配信の悩みで3位にランクインしていた「メルマガの効果が計測できない」についても、レポート機能が備わったメール配信システムを利用することで解決ができます。

Benchmark Emailにも、開封率・クリック率などがリアルタイムで確認できるレポート機能のほか、何時に最も読まれているかが確認できる時間グラフ、メール上のどのリンクがクリックされたかがわかるクリックマップなど、効果改善に便利な機能が備わっています。
Benchmark Email レポート機能

これから本格的にメルマガ配信をしていきたい方は、メール配信システムの導入も検討してみてください。

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最後に

やってしまいがちな失敗に共感をしたり、興味深い結果も見れたのではないでしょうか。

日々の業務でメールをたくさん配信していると、どれだけ気をつけていても失敗をしてしまうことはあると思います。
失敗をしてしまった後はお詫びメールを送るなど、迅速な対応を行いましょう。

また、メルマガ配信における人為的ミスや誤送信・配信遅延などのリスクを最小限にするには、メール配信システムの利用がおすすめです。GmailやYahoo!メールなどのBCCを利用して配信をする場合は、リスクや注意点を理解した上で慎重に配信しましょう。

参考記事:CC・BCCとは?使い方と注意点。BCCで一斉送信する3つのリスク

本調査が皆様のメール配信業務にお役立ていただけたら幸いです。

調査結果のスライドはこちら:
調査結果スライド

 

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