突然ですが、送ったメールがエラーになった時、英語だらけの自動返信メールを受け取った経験はありませんか?(Benchmark Emailなどのメール配信ツールを使っている場合この様なメールは届かず、ツール内レポートににて「ソフトエラー」「ハードエラー」という形でエラーとあったアドレスの一覧が確認できることがあります。)

実はこのメールにはなぜエラーだったのか、理由がわかるエラーコードと呼ばれる数字が記載されています。今回のブログでは代表的なエラーコードを一覧でご紹介します。
メール配信システム,メルマガサービスの無料登録

エラーコードの読み方

こちらは私が実際に受信したエラー返信メールの画像です。ここで注目したいのが緑色で囲った部分。SMTP Status Codeと呼ばれるエラーコードで「xxx x.x.x」という左側(この場合は550)の3ケタの数字から始まります。これはインターネット上での転送のプロトコルで、ここを確認することで、メール送信がエラーとなった理由を確認することができます。

画像の例を元にすると、「550 5.1.1 The email account that you tried to reach does not exist…..」は3つのパーツに分けられます。

① 550 →応答コード

3桁の数字からなるコードで通常4か5から始まります。そしてそれぞれ、4から始まるものは一時的なエラー理由、5から始まるものは永続的な理由によるエラーと分類されます。

② 5.1.1 →ステータスコード

こちらは応答コードに合わせ追加の情報が記載される箇所です。

③ The email account that you tried to reach does not exist….. →テキスト

応答コード、ステータスコードがプログラムで判断されるものに対し、こちらは人間が判断できる様テキストで理由を記載している箇所になります。

ちなみに「550 5.1.1 The email account that you tried to reach does not exist…..」は送信先のメールアドレスが存在しないという、永続的なエラーです。

基本的なエラー理由は応答コードとテキスト文字を読むことで判明ができます。
ではここから一般的なエラーコードをチェックしていきましょう。

4xx:一時的なエラー

一時的なエラーのため、後でメール配信を再度試してみて送信ができることがあるものです。

コード テキスト エラー理由
421,”4.4.5” Server busy, try again later. 送信先のサーバーがビジー状態である。
421,”4.7.0” IP not in whitelist for RCPT domain, closing connection. 送信元アドレスが受信側のホワイトリストに入っていない。
421,”4.7.0” “Our system has detected an unusual rate of unsolicited mail originating from your IP address.
To protect our users from spam, mail sent from your IP address has been temporarily blocked.”
送信元となっているIPアドレスから大量の迷惑メールが送られているため一時的にブロックしている。
421,”4.7.0” Temporary System Problem. Try again later システムの一時的な問題。
421,”4.7.0” TLS required for RCPT domain, closing connection. 受信側にてTLS(メールの暗号化)の要求がなされた(暗号化がされていない)。
450,“4.1.1” Recipient address rejected. unverified address: 受信アドレス認証のないアドレスであるため拒否された。
450,”4.2.1” “The user you are trying to contact is receiving mail too quickly.
Please resend your message at a later time.
If the user is able to receive mail at that time, your message will be delivered.”
メール送信にかかった時間が短すぎる。(メールは一定時間内に受信可能な通数制限を設けており、それを上回る量のメール送信が行われた際にメール受信が拒否されたりします。それを防ぐためメール送信にかかる時間をあえて遅くすることを「スロットリング」と呼び、これによって安定的なメール配信を行うことができます。)
451,”4.3.0” Mail server temporarily rejected message. メールサーバーで一時的に拒否された。
451,”4.4.2” Timeout – closing connection. タイムアウト
452,”4.2.2” The email account that you tried to reach is over quota. 送信先のアカウント容量がオーバーしている。

関連記事:
Gmailの暗号化設定によりメールに対するセキュリティー意識が向上。ーセキュリティーにまつわるTLS、DMARCって何?

5xx:永続的なエラー

メールアドレスの容量がいっぱいになっていたり、アドレスが使われていないなど、何らかの対応をしない限り解決できないエラー。

コード テキスト エラー理由
501,”5.5.2” Cannot Decode Response. 応答を解読できない。
502,”5.5.1 ”Unimplemented command. コマンドが実行されなかった。
530,”5.7.0” Must issue a STARTTLS command first. メールの暗号化(STARTTLS)が必要。
550,”5.2.1” The email account that you tried to reach is disabled. 送信先のメールアカウントが無効である。
550,”5.7.0” Mail relay denied. メールリレーが拒否された。
550,”5.7.1” Email quota exceeded. メール容量が超過している。
550,”5.7.1” Unauthenticated email is not accepted from this domain. このドメインから認証されていないメールを受け取れない。
552,”5.2.2” The email account that you tried to reach is over quota. 送信先のメールアカウントの容量がいっぱいで新たにメールを受信できない。
553,”5.1.2” We weren’t able to find the recipient domain. 送信先となるアドレスが見つからない。

 

エラー配信を繰り返すことで、さらなるエラーを引き起こす

メールマーケティングにおいてその効果を左右するのが「配信リストの質」です。エラー配信を繰り返し行ってしまうことで、送信元のアドレス(またはドメイン)の評価が下がりスパマーや迷惑メール送信者と認識されてしまう様になります。そうなってしまうと、メールの到達率が低下し、本来ならメールを受信できる送信先にもメールが届かなくなってしまいます。
(一度下がった評価を再度元に戻すにはエラーのない配信を半年から1年続ける必要があると言われています。)

Benchmark Emailではエラー配信を少なくさせるために、配信前にエラーアドレスを見つけることができるツールの提供や過去にエラーとなったアドレスの管理方法をブログでご紹介するなど、利用される方のメールマーケティングの効果を最大限高めるためのサポートを行っています。

関連記事:
メルマガの到達率を高く維持するための正しい運用方法
Kickboxを使って配信前に使えないアドレスを簡単にチェック

さいごに

利用しているメーラーによって表記なども異なることもあるかと思いますが、こちらのブログでは一般的なエラーコードをご紹介しました。エラー内容を知ることで今後そのアドレスへのメール配信の対応を知ることができます。そうやって持っている配信リストの質を高めることでメール施策の効果を高めていくことが重要です。

参考資料:
SMTP エラー メッセージ
SMTP エラー リファレンス

・メルマガ購読状況調査2002年度版

*本記事は、2017年5月に公開した記事をアップデートしたものです。

メール配信システム,メルマガサービスの無料登録