*最新の調査結果は「日本のメールマガジン購読状況調査 2023年度版」をご確認ください。

当記事では、Benchmark Japanが行った「日本のメールマガジン購読状況調査 2022年度版」の結果をダイジェストでお届けします。

当調査の目的

当社では昨年から「メールマガジンがどの様に読まれているのか?」について、日本国内のインターネットユーザーを対象に調査を行っています。

今回の2022年度調査でも、昨年同様にプライベート用メールアドレス、仕事用メールアドレスそれぞれのメルマガ購読状況を調査しました。また、今回新たにSNSサービスの利用状況についての設問を追加しています。調査結果の詳細については記事の末尾にスライドへのリンクを設置しておりますので是非ご覧になってください。皆様のメールマーケティング施策にお役立ていただけましたら幸いです。

調査概要

インターネットリサーチによる調査を行った。調査期間は2022年7月26日~8月7日で、プライベート用と仕事用のメールアドレスそれぞれの購読状況の違いを調べるため、会社員、公務員、自営業、経営者など20代〜60代を対象とし、回答者の年齢分布は国勢調査の年代比率に対応させた。

 

メルマガを1通以上受信している人はどれくらいの割合か?

SNSの利用が普及した現在、メルマガを受信している人はどれくらいの割合なのでしょうか?今年の調査では、4,354名に対して、「プライベートと仕事用のメールアドレスいずれかでメルマガを最低1通以上受信しているかどうか?」について聞き、以下の回答を得ました。

世代別メルマガ購読率

昨年(2021年)の同設問の結果は74.9%でしたので、今年は全年代合計で1.9%低下したことになります。情報収集チャネルとして、年代が上になるほどメルマガになじみがあるのに対し、若い年代ではメルマガだけでなくSNS等に分散していることが年代間の違いに影響していると考えられます。総務省の最新の調査では、SNSの利用状況について「生活や仕事のうえで活用が欠かせない」「便利なので積極的に活用している」の回答比率の合計が、20代で58.1%なのに対して、60代では18.3%となっています。情報収集のチャネルは、メルマガの重要性は維持されつつも、若い年代を中心に少しずつにSNSにも分散し、今後も当面併用されていく状況が続いていくものと考えられます。

(出典)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」総務省(2022)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf308000.html

以降の設問は、最低1通以上のメルマガを受信していると回答した方々を対象に、仕事用・プライベート用、それぞれのメールアドレスでのメルマガ購読状況についてまとめたものです(有効回答数858名)。

 

メルマガを読む時間帯はいつか?

メルマガを読む時間を、幾つかの時間帯に区切って質問しました。コロナ禍の自粛期間にあった昨年の調査と比べてどのような変化があったのでしょうか。

Q. メルマガを読むのはどの時間帯が多いですか?最も多い時間帯をお選びください。

仕事用アドレスでは、1位が「12時~15時台(28.0%)」、2位が「〜9時台(19.5%)」、3位が「10時〜11時台(14.3%)」と、昨年と順位もその比率もあまり変わらない結果となりました。仕事用アドレスは業務に関する連絡を目的としていますので、朝から午後にかけての時間帯が中心になるのは自然なことと考えられます。昨年と比べると夜間にメールを見る人が数%減り、その分だけ日中に見る人が数%増えていました。

プライベート用アドレスについては、1位は「21時~23時台(27.0%)」、2位は「12時~15時台(22.4%)」、3位は「19時〜20時台(16.7%)」という結果となりました。昨年と比べると、1位は変わらないものの、2位と3位で入れ替えがありました。仕事用アドレスでも見られた傾向ですが、プライベート用アドレスでも夜間のメール閲覧比率が減り、その分だけ日中の閲覧が増える傾向がありました。

昨年と今年で日本人のライフスタイルに極端な変化があったとは考えられませんが、昨年度の調査時(2021年春)はコロナ禍による影響が今年よりも強くあったことが影響しているのかもしれません。

メルマガ購読に利用されているメールソフトはどれか?

どのようなメールソフト(メールクライアント、アプリケーション)を利用してメルマガを閲覧しているのかについて、仕事用アドレス、プライベート用アドレスそれぞれについて調査しました。

Q. どのメールサービスを使ってメルマガを読んでいますか?

1位は共に「Gmail」で、仕事用アドレスで63.4%(昨年比+6.2%)、プライベート用アドレスで65.9%(昨年比+9.0%)と、昨年からさらにシェアを伸ばしていることが分かります。

2位は、仕事用アドレスでは「Outlook」で49.7%(昨年比+3.5%)で、プライベート用アドレスでは「Yahoo!メール」で52.7%(昨年比+1.9%)と、それぞれ昨年よりシェアを伸ばしています。

一方、4位は「Thunderbird」でしたが、仕事用アドレスでは12.7%(昨年比-0.9%)、プライベート用アドレスでは10.7%(昨年比-1.4%)と昨年比でシェアを落としており、「その他」の回答も数%ずつ落ちていることから、「Gmail」「Outlook」「Yahoo!メール」3つのメールソフトに利用者が集中していく傾向にあることが分かりました。

スマホとPC、どちらのデバイスで読まれているか?

スマホとPC、どちらのデバイスでメルマガが読まれているのかについて調査しました。

Q. スマホとPC、どちらでメルマガを読みますか?

回答として一番多かったのは、仕事用アドレスでは「両方だがPCが多い(33.4%)」、プライベート用アドレスでは「両方だがスマホが多い(36.0%)」でした。

今回の調査で明らかに増加したのはスマホでのメルマガ閲覧です。「スマホのみ」「両方だがスマホが多い」を合わせると、仕事用アドレスで41.6%(昨年比+5.0%)、プライベート用アドレスで55.5%(昨年比+6.2%)がスマホでメルマガを読んでいる結果となり、昨年から大きく増加していることが分かりました。

メルマガ閲覧時間帯,スマホ比率,メールソフト

1日平均何通のメルマガを受信しているか?

1日あたり何通くらいのメルマガを「受信」しているのかについて調べました。

仕事用アドレスでは、1位が「1通~5通(27.5%)」、2位が「6通〜10通(27.3%)」、3位が「16通〜20通(10.6%)」で、昨年と同じ順位となりました。

プライベート用アドレスでは、1位が「6通〜10通(28.5%)」、2位が「1通~5通(24.0%)、3位が「21通以上(23.4%)」となり、昨年1位だった「21通以上」が3位へ後退し、2位3位だったものが1位2位へと繰り上がった結果となりました。プライベート用アドレスでの受信通数は、平均すると少し下がったものと考えられます。

1日に平均何通のメルマガを開いて読んでいるか?

前設問ではメルマガの1日あたりの「受信数」について調べましたが、次に「開いて読んでいる数」について調べました。

Q. そのうち、平均何通のメルマガを開いて読んでいますか?

仕事用アドレスでは、1位が「1通~5通(37.0%)」、2位が「6通〜10通(22.7%)」、3位が「1通未満(20.1%)」で、プライベート用アドレスでも、1位が「1通~5通(36.7%)」、2位が「6通~10通(24.3%)」、3位が「1通未満(16.1%)」と、共に昨年とあまり変わらない結果となりました。

会社用でもプライベート用でも、約8割の人が1日10通以内、約2割の人が1日10通以上読んでいるということになります。

1日にどれくらいの時間メルマガを読んでいるか?

前設問に関連して、1日にメルマガを読む「時間の長さ」について調べました。

Q. 1日あたり平均どのくらいの時間をかけてメルマガを読んでいますか?

仕事用アドレスでは、1位が「1分〜5分程度(41.7%)」、2位が「1分未満(20.9%)」、3位が「5分〜10分程度(14.4%)」であり、プライベート用アドレスでも同じ順位で1位が「1分〜5分程度(39.5%)」、2位が「1分未満(21.2%)」、3位が「5分〜10分程度(16.1%)」という昨年と大きく変わらない結果となりました。

一日あたりのメルマガの通数から考えても、メルマガ1通が読まれる時間はそう長くはなさそうです。多くの方は、メール全体をチェックしたのち、関心が高い数通を開いてさっと目を通したり、特に気になるものがあればじっくり読む、という行動を取っていると考えられます。

メルマガを開く、開かないの判断に最も影響するところはどこか?

購読者は何を見てメルマガを開くかどうかを判断しているのでしょうか?

Q. メルマガを開く、開かないの判断に最も影響するところはどこですか?

1位は「件名(50.8%)」、2位は「送信元名(19.1%)」、3位は「本文プレビュー(18.2%)」という結果となり、昨年と大きな違いはありませんでした。

慣れ親しんだメルマガの場合には送信元に対する安心感がある為、「今日は何の内容かな?」という観点で受信箱を見ることが多く、件名やプレビューの影響が大きくなると考えられます。一方、新たに購読を開始したばかりのメルマガの場合には、「誰から届いたか?」という送信元名の重要性が高くなると考えられます。

*メルマガの開封率向上に関する解説動画も是非ご覧になってください。

どんな理由でメルマガを購読停止しているのか?

メルマガを読まなくなったり、最終的に購読停止してしまうのはどのような理由なのでしょうか?

Q. メルマガの購読を停止(解除)する時はどんな理由が多いですか?最も多い理由をお選びください。

昨年の調査とほぼ変わらず「メルマガの内容に興味がなくなった(38.6%)」と「配信数が多すぎる(35.8%)」の2つで全体の約7割以上を占める結果となりました。もし購読解除が多い場合には、コンテンツと配信頻度の見直しが有効な施策であるとと考えられます。また、「メルマガが読みづらかった」については、メールの構成や見出し、文字量の調整、イメージ画像の活用などによって改善できる可能性があります。

 

どんなコンテンツを期待してメルマガに登録するのか?

前質問では購読停止を防ぐためには「メルマガの内容」「配信数」がポイントであることが分かりました。まずコンテンツについて、読者は何を読みたい・知りたいと考えているのでしょうか。
Q. 特にどんなコンテンツを期待してメルマガに登録しましたか?

メルマガに期待するコンテンツは、「最新情報、ニュース(63.3%)」、2位「セール、クーポンなどお得な情報(57.9%)」、「商品の情報、カタログ、メニュー(45.3%)」「イベント、セミナー情報(37.8%)」「ブログ、コラムなど役に立つ読み物(28.7%」「実店舗の案内(14.0%)」という結果で、昨年と大きな違いはありませんでした。

期待されるコンテンツを送り続けることが開封率・購読率に大きく影響しますので、これらのコンテンツが提供可能にも関わらずまだメルマガに含まれていない場合には是非追加されることをお勧めします。

メルマガ配信解除,登録解除理由,期待するコンテンツ,開封理由

購読を停止したメルマガはどれくらいの配信頻度だったのか?

もう1つのポイントである配信頻度に関してはどうでしょうか。どれくらいの多さだと購読停止に繋がりやすいのでしょうか。

Q. 配信停止をしたメルマガは平均どのくらいの配信頻度でしたか?

1位は「週に4〜6通(26.3%)」、2位は「1日1通(23.2%)」、3位は「1日2通以上(21.9%)」という結果で、1日に1通以上が半数近くを占めています。もちろん、頻度だけが理由ではないかもしれませんが、あまり頻度が高い場合には購読解除率に注意が必要かもしれません。最適な配信頻度はメルマガの性質によって大きく異なりますし、当社の以前の調査でもニュースメディアや通販サイトでは頻度が高く、製造業などでは頻度が低いことが分かっていますが、自社メルマガの開封率低下や解除率増加が見られる場合には調整が必要かもしれません。

 

メルマガ、LINE、SNSなどで会社やお店に関する情報を見るか?

今回の調査ではオンラインの情報収集チャネル、特に「会社やお店に関する情報」に関して、メルマガに加えてどのようなSNSを日常的に閲覧しているのかについて質問をしました(複数回答)。

Q. 以下のメディアで会社やお店に関する情報を見ることはありますか?

まず、閲覧しているメディアについては、1位は「LINE(50.9%)」、2位は「メルマガ(45.8%)」、3位は「Twitter(40.9%)」という結果となりました。それぞれ性質が異なるため単純な比較は難しいところもありますが、情報収集のチャネルがかなり分散していることが分かります。また年齢や性別によってもその分布は大きく異なります。こちらは同結果を年齢別にまとめた図です(複数回答)。

メルマガ、LINE、SNSなどで会社やお店に関する情報を見るか

若い年代ほどLINEやSNSの比率が高く、年齢が上がるにつれメルマガの比率が高くなる傾向が分かります。また、グラフ内にはありませんが性別の傾向もあり、特にInstagramは女性の比率が高いという傾向が見られました。一方、メルマガでは特に男女に差はありませんでした。

 

メルマガ、LINE、SNSなど見ているメディアで購入や予約をするか?

続いて、前設問で「会社やお店に関する情報を見ることがある」と回答したメディアについて、そこからさらに商品やサービスを購入したり、お店や施設・イベントの予約をするきっかけとなることがあるかどうか?についても質問をしました。以下の図は「よくある」「たまにある」と回答した人たちの合計です。

メルマガ、LINE、SNSなどからの購入・予約率

メルマガ、LINE、SNSで会社やお店に関する情報を見る人のうち、購入・予約のきっかけになると回答した人が約8割〜9割という結果となりました。情報収集からサービスの購入や予約といったアクション至るまでに様々なメディアが併用されている中で、情報を届ける側のマーケターにとってはいかに効率的に複数のメディア・チャネルを管理し、活用していけるかがポイントとなりそうです。

 

まとめと調査結果詳細スライド

当調査はブログ記事やセミナー、解説動画など、Benchmark Emailユーザー様へお届けするコンテンツ用のデータ収集のために実施しています。今後もユーザー様に役立てていただけるテーマについて調査を行ってまいります。

調査結果のスライドはこちら:
メールマガジン購読調査 2022年度版 表紙

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