この記事は「Why Email is Essential as Search Declines」を日本向けに翻訳・編集したものです。
ここ1年で、Google検索のあり方が大きく変わっています。AIが自動生成する「AI概要(AI Overviews)」が、検索結果の半分以上に表示され、ユーザーはリンクをクリックせずに答えを得られるようになりました。実際、現在では58%の検索が“クリックゼロ”で完結しているのです。
Googleはこの流れを一時的な実験ではなく、世界標準にしようとしています。200以上の国と地域、40以上の言語でAI概要の展開を進めており、情報検索の新たな常識となりつつあります。
オーガニック検索に頼ってきた企業やECサイトにとっては、まさに逆風です。だからこそ、メールマーケティングのような「自分たちでコントロールできる手段」の重要性が今、改めて注目されています。
目次
売り上げへの影響
検索からの訪問は、メルマガ登録や購入、ウェビナー参加といった行動の起点です。この流入が減ると、再ターゲティングの対象者も減り、広告の学習データも少なくなり、売上全体に響きます。
AI概要に自社の情報を載せてもらおうと対策を講じる動きもありますが、そもそもGoogleはユーザーが外部サイトへ行かずに済むように仕向けています。情報源としてサイト名が表示されたとしても、そこから実際にクリックしてもらえるとは限りません。
しかも、AI概要の中に掲載できるリンクの数はごくわずか。従来の検索結果ページ(SERP)で上位を争うよりも、さらに厳しい競争が待ち受けています。
メールは今も「確実に届く」最強の手段
そんな中、改めて注目されているのがメールマーケティングです。
世界の消費者のうち、69%が「ブランドからの連絡手段としてメールが一番いい」と答えています。この「好まれるチャネル」という点は非常に重要です。なぜなら、メールは日々の習慣として使われているからです。
Porch Group Mediaの2025年の調査によると、ユーザーの99%が毎日メールをチェックし、58%は朝起きて最初に確認しているそうです。つまり、メールは読者の「最もパーソナルな情報フィード」に直接届けられる貴重な接点といえます。
メールリストは、他社のアルゴリズムに左右されない“自社の資産”です。登録しているユーザーは、自ら「連絡を受け取りたい」と意思表示してくれた人たち。これは検索経由の訪問者とは大きく異なります。
ただし、油断は禁物です。GmailやYahooではガイドラインが設けられ、受信箱の門番機能はより厳格になっています。ワンクリックでの配信停止リンクや、送信認証(SPF・DKIM・DMARC)の徹底が求められています。
メールのチャネルとしての価値が高いのは、「参加のハードルが高いから」でもあるのです。
Benchmark Emailでは、GmailやYahooのガイドラインに則した配信が可能です。
パーソナライズの進化による反応率の向上
かつてのメールマーケティングは、何万人にも同じ内容を一斉送信するものでした。しかし今は違います。
現在のメールマーケティングは、単なる一斉送信ではありません。ユーザーの行動に応じて、リアルタイムに最適なメールを届けられるのが主流です。こうした行動ベースのメールは、一般的なキャンペーンメールの10倍の売上を生み、マーケターの90%が「セグメント化で成果が上がる」と回答しています。
AIの力を借りれば、開封タイミングの最適化や、パーソナライズされた商品レコメンドも自動で行えます。
メールから「その場で購入」することが当たり前に
メールはもはや、情報を届けるだけのツールではありません。購買行動そのものを促す、ダイレクトな販売チャネルとしても大きな成果をあげています。
事実、過去1年の間に「メールをきっかけに購入した」と答えた消費者は52%。コンバージョン率で見ても、メールは4.24%と非常に高く、検索(2.49%)やSNS(0.59%)を大きく上回っています。
その背景には「ショッパブルメール」と呼ばれる形式のECメールの台頭があります。メールの中に商品画像や価格を掲載し、さらには購入ページへのリンクを設置。こうしたメールは“ミニECサイト”のような役割を果たすことができるのです。
こうした進化により、メールは「関係構築」だけでなく「売上創出」の最前線に立つようになりました。
関連FAQ:ECブロックの使い方
モバイル時代にも強いチャネル
もうひとつ忘れてはならないのが、モバイル対応の重要性です。
現在、全体の78%のメールがスマートフォンで開かれています。つまり、ユーザーは通勤中や昼休み、あるいはベッドの中でもメールを見ているということです。メールは「時と場所を選ばない接点」として、ますますその存在感を増しています。
だからこそ、メールを送る際にはあらゆるデバイスでの読みやすさ・クリックしやすさを意識したレイアウトが欠かせません。
Benchmark Emailのドラッグ&ドロップエディタで作成したメールは、自動でモバイルレスポンシブ対応デザインになります。
メールの独自の強みとは?
こうした変化の中で、メールが他のチャネルにはない強みを発揮している理由は、以下の3点に集約されます。
- ファーストパーティデータとしての確実性
サードパーティCookieの使用制限が進むなか、自社のリストを育てることは、そのままデータの主権を持つことにつながります。 - アルゴリズムへの依存度が低い
検索エンジンやSNSのように、「誰かの都合」で表示順位が変わることがありません。受信者が開封してくれなければ意味がないとはいえ、その主導権はGoogleでもMetaでもなく、ブランドとユーザー自身の間にあります。 - 積み上がる資産としての価値
メールリストは、一度獲得すれば継続的に活用できる“ストック型資産”です。SEO対策で上位に上がった記事は、検索順位が落ちれば価値が下がりますが、メールリストは配信を重ねるごとに価値が高まっていきます。
SEO中心から、メールも重視した戦略へシフトするには?
ここまで読んで、「今後はメールにもっと注力すべきかもしれない」と感じられた方も多いはずです。では、実際にどう行動すればよいのでしょうか?
流入が減っているページを特定する
まずは、自社サイトの中で「AI概要によって流入が減っているページ」を特定しましょう。そこに、メール登録を促すポップアップやリードマグネット(ダウンロード特典など)を設置し、残された訪問者を確実にリストへと引き込む導線を作ることが大切です。
関係性を深めるステップメールを配信する
登録後も気を抜かず、シンプルな「登録完了メール」だけで終わらせずに、段階的に関係性を深めていけるようなステップメールを組みましょう。これは「初めての出会い」から「信頼関係」へとつなぐ、非常に重要なステップです。
ガイドラインを守って配信する
DMARC・SPF・DKIMなどの認証設定を行い、長期間開封されていないアドレスは定期的に整理しましょう。スパム報告率が0.3%を超えると到達性に悪影響が出るため、健全なリスト運用が必要です。
AIツールを活用する
AIツールの活用も大きな助けになります。件名のA/Bテストや、開封タイミングの最適化、商品レコメンドの自動生成などにはAIを活用しつつ、コピーの最終的な調整やブランドトーンの統一は、必ず人の目で確認するようにしましょう。
まとめ:受信箱は「新しいホームページ」になる
検索の影響力が消えるわけではありませんが、かつてのように「最初のタッチポイント」として強い影響力を持つチャネルではなくなりつつあります。
AIが答えを完結させるようになった今、検索のクリックは減り、その先にあるあなたのサイトへ辿り着くチャンスも失われています。
一方、メールは違います。ユーザーが自ら「このブランドからの情報を受け取りたい」と選んでくれた場所であり、企業が自分の手で届け方を調整できる数少ないチャネルでもあります。
ゼロクリック時代において、この“選ばれた接点”こそが、デジタルマーケティングにおける最も価値のある資産になるでしょう。
執筆者:Lee Li Feng
シンガポールを拠点に活躍するプロジェクトマネージャー兼B2Bコピーライター。TaoBao、MeitTuan、DouYin(現TikTok)など、中国のフィンテックスタートアップで10年以上の経験を持つ。
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