こんにちは!Benchmark Emailでメールマーケティングアドバイザーをしている山本です。ユーザー100社の導入相談会を行ってきた経験から、メールマーケターが持つお悩みに対する解決策をブログでご紹介しています。
今回は「メルマガ配信後のレポートでは、何を確認するべきですか?」というご質問にお答えします。そのために、まずは世界中のメルマガ担当者がよくチェックしている指標のTOP5をご紹介します。
Benchmark Emailのレポート画面
また、
- 開封率やエラー率といった指標の定義(算出方法)
- それぞれの指標から読み取れること
- 他社平均や改善方法
についても合わせて理解することで、自社の見るべき指標がわかります。
目次
多くのメルマガ配信者がレポートで確認している指標は何?
米国のメールマーケティング調査会社Litmus社の「2020 State of Email Workflows」というメルマガ配信者を対象にした調査資料によると、メルマガ配信後のレポートで確認している人の割合が多い指標TOP5はこちらでした。
1. 開封率(95%)
2.送信に対するクリック率(88%)
3.配信停止率(73%)
4.開封に対するクリック率(69%)
5.エラー率(56%)
さっそく、この指標について詳しく説明していきます!
【1. 開封率】
開封率とは【配信したメールが何割の送付先で開封されたか】を指す数字です。
Benchmark Emailのレポートでは(開封数➗送信したメール件数)×100(%) で表されます。平均的な開封率の目安としては15%〜25%と言われていますが、これは業種やターゲット層やコンテンツによって異なってきます。
Benchmark Emailでは、開封率をレポートのトップ画面で確認できます。たとえば以下のサンプルメールであれば、9通(開封数)➗16通(送信したメール件数)×100なので、開封率は56.25%です。
Benchmark Emailの開封率レポート
開封率の数値変化からは、以下のようなことが推測できます。
「件名にしたトピックに関心があるか」
「メルマガのコンテンツが読者の期待に応えられているか」
「配信頻度は適切か」
「配信しているリストは良質か」
開封率が低下傾向にある場合には、いずれかを見直す必要があるかもしれません。
平均開封率
「メルマガの業種別・地域別(国別)平均開封率レポート【2020年版】」というページでBenchmark Emailユーザーの平均開封率を公開しています。
開封率を上げる方法
開封率を上げる方法はこちらの動画シリーズをご覧ください。
・【メルマガ開封率①】自社業界の平均開封率を知っていますか?
・【メルマガ開封率②】開封されやすい件名・差出人名とは?
・【メルマガ開封率③】A/Bテストで開封率アップを目指そう!
クリックに関するレポート指標はいろいろ
クリックからはいろいろなことがわかります。例えばBenchmark EmailのようなHTMLメール配信システムでは、「送信に対するクリック率」「開封に対するクリック率」だけでなく、「コンテンツのどこがクリックされているか?」「誰がクリックしているか?」という貴重な情報も計測することができます。
もちろんメルマガのタイプには、メルマガ内で完結する読み物タイプもあれば、リンクをクリックしてもらうことを目的にしているタイプもありますので、自社のメルマガの目的に応じて活用してください。
クリック率
TOP5の中に、「2.送信に対するクリック率(88%)」と「4.開封に対するクリック率(69%)」の2種類があり、混乱される方もいらっしゃるかと思います。
どちらもクリック数を元にした指標であり、割り算の際の分子はクリック数ですが、分母を「送信した人全員」にするか「メールを開いた人」にするかの違いがあります。
【2.送信に対するクリック率】
2.の送信に対するクリック率とは【送信したメールのうち何割の受信者がリンクをクリックしたか】を指す数字です。(クリックした受信者数➗送信したメール件数)×100(%)で表され、平均値は2.48%*です(当社調べ)。
メール全体の効果が分かるシンプルな指標ではありますが、件名と、メールのコンテンツやデザインのどちらが影響したのかが分かりにくくなります。その為、Benchmark Emailのレポートではこの指標は使用していません。
【4.開封に対するクリック率】
一方、4.の開封に対するクリック率とは【開封されたメールのうち何割の受信者がリンクをクリックしたか】を指す数字で、(クリックした受信者数➗開封されたメール件数)×100(%)で表されます。
「開封に対するクリック率」は、単にCTR(Click-Through-Rate)と呼ばれることもあれば
、前述の「送信に対するクリック率」と区別するためにCTOR(Click-To-Open-Rate)や、日本では「反応率」などと呼ばれることもあります。
この数値は「メールのコンテンツやデザインが効果的だったか」を図ることができる重要な指標です。
開封率の上下には影響されないため、より高い精度でコンテンツなどの検証・改善を行うことができるというわけです。
Benchmark Emailのレポートではこちらを「クリック状況」の欄で確認できます。
Benchmark Emailレポート(クリックスルー率と表現しています)
その他のクリックに関する情報
効果測定で本当に大切なのは「クリックしてほしいと狙った場所が、クリックされているか」ということです。Benchmark Emailでは「リンククリック」の「URLクリックパフォーマンス」で、URLごとのクリック数を確認できます。
狙い通りにクリック数が伸びた場合も、思ったように伸びなかった場合も、デザインや原稿と比較して「なにが良かったのか/悪かったのか」を分析しましょう。
Benchmark Emailのクリックマップ機能では、クリック比率をメール上で確認できます。
Benchmark Emailのクリックマップレポート
また、Benchmark Emailではどの読者がクリックしているかも確認できます。この情報は営業部に共有したり、クリックした顧客にだけ追加のメールを送ったりと一歩上のマーケティング活動にも活かせますね。
クリック率を上げる方法
「クリックしてみよう」と思わせるCTA(コール・トゥ・アクション:行動喚起)をうまく配置することで、さらにクリック率を上げることができるかもしれません。
関連記事:メルマガでクリック率を高めるための7つのヒント!CTAを設置した効果的なメールの作成方法
【3.配信停止率】
配信停止率とは【配信数に対して配信停止を選択したメールアドレスの割合】を示す数字です。(そのメールから配信停止した読者数➗到達したメール件数)×100(%)で表され、平均値は0.14%*です(当社調べ)。
この数値からは、
「読者層は適切か?読者リストの集め方は適切か?」
「コンテンツ内容が読者層の期待に沿っているか?」
「配信頻度・時間は適切か?」
という点を推測できます。
Benchmark Emailでは「反応状況」で配信停止数と配信停止率を確認できます。
配信停止率を下げる方法
配信停止率を下げるには、まず配信頻度を確認しましょう。受信するメールが多すぎると苛立って配信停止する可能性が高くなります。
関連記事:メルマガの頻度は月に何回がいいの?他社平均と最適なペースの見つけかたは?
他には配信時間も原因になり得ます。また、ある特定のメルマガで突然配信停止率が上がった場合、そのコンテンツに原因があるかもしれません。こうした傾向はコンテンツ計画に生かしましょう。また、リストに登録されている読者と、メルマガのコンテンツの中身が合っているかも大切です。
【5.エラー率】
エラー率とは【送信したメールのうち受信サーバーによって弾かれた件数】を指す数字です。(受信サーバーによって弾かれたメール件数➗送信したメール件数)×100(%)で表され、日本の平均値は2.12%*です(当社調べ)。
エラー率からは「リスト内のアドレスの正確性」「受信サーバーへの到達率」「受信ボックスへの到達率」が読みとれます。
エラー率が高いメルマガは、エラーアドレスに読まれないのはもちろんのこと、受信ボックスへの到達率も低くなってる可能性が高いです。
Benchmark Emailではレポートのトップページでエラー数とエラー率を確認できます。
また、詳細ページではエラーになったアドレスを確認できます。また「無効アドレスリスト」にアクセスすれば過去のエラーアドレスが蓄積されています。
エラー率を下げる方法
エラーには、受信BOXの容量や通信環境など一時的な理由でたまたま受信できなかった「ソフトエラー」と、アドレスが存在しないなどの理由で恒久的にメールが届かない「ハードエラー」があります。
エラー率が高くなってしまうと、受信側のサーバーは警戒して迷惑メールフォルダに振り分けたり、最悪の場合はメールをブロックします。そうすると開封率やクリック率も下がってしまいます。そのため、
- ハードエラーのアドレスには、次回から配信しない
- 初めての配信前に、リスト内のアドレスの有効性を調べておく
- SPFなどのドメイン認証設定を行う
などの対策が必要です。
Benchmark Emailでは自動でエラーアドレス管理がされており、アドレスの有効性調査やドメイン認証設定についても一部サポートを行っています。
関連記事:自社ドメインの信頼性を守るために、メーリングリストは初めての配信前にチェックしよう!
関連記事:これでばっちり、メールセキュリティー三銃士 ~メールの到達率を上げるSPF、DKIM、DMARC~
その他の指標
TOP5には入っていなくても、メルマガ運用の役に立つ指標をご紹介します。
開封デバイス
PCでの開封者とモバイルでの開封者の比率を知っておくと、PC版/モバイル版どちらに重点を置いてメールを作成すればいいのかがわかります。
どちらのデバイスかによって、メールをチェックする時間や、ちょうどいいコンテンツの量、クリック(タップ)されやすい場所も変わってくるでしょう。
Benchmark Emailの開封デバイスレポート
開封時間
一般的に、メールは配信直後に開封が最も多くなります。
配信直後でもないのに開封時間が多い箇所があれば、多くの読者がその時間にメールをチェックしているということです。その少し前の時間に配信をしてみると、次回はさらにメールに気づいてもらいやすくなるかもしれません。
Benchmark Emailの開封時間レポート
コンバージョン率
メールからの購入、会員登録など、自社が独自に定義する「コンバージョン」を計測したい場合は、Googleアナリティクスなどを用いる必要があります。
メールからの流入をGoogleアナリティクスで計測するためには、URLの最後に「パラメーター」をつける必要があります。そこでBenchmark Emailではパラメーターを自動で振る「Google Analytics連携」機能を提供しています。
関連記事:Googleアナリティクスを使ってメールマガジンの1歩踏み込んだ効果分析しよう!
メルマガの開封数やクリック数はなぜ計測できる?
最後に、メールレポートのしくみを説明します。
メール配信システムから送られるメールには、見えないくらい小さい、または透明な計測用画像(tracking pixel)が埋め込まれていて、その計測用画像が表示されることで開封と見なされる仕組みになっています。
またクリック数を測るために、Benchmark Emailではメール内のリンクをトラッキングURLに自動変換して配信しています。メール内のリンクをクリックした読者は、一瞬、計測用のトラッキングURLを経由して、その後でリンク先として指定したウェブサイトへ着地するようになっています。
これは「メールごとに」「設置したリンク箇所ごとに」「受信者ごとに」固有のトラッキングURLが発行されるため、各トラッキングURLへのアクセスを計測することで「誰が、いつ、どのリンクをクリックしたか」がわかるようになっているのです。
こうした効果測定ができるのはHTMLメールの特長です。
関連記事:テキストメールとHTMLメールの違いとは?メルマガにはどちらが向いているの?
まとめ
大切なのは、レポートでの計測を続けていくことです。
良い結果が出たときは「うまくいった理由」を分析し、うまくいかなければ「どこを改善したらいいか」を探すようにして、レポートを活用したより良いメール配信をしていきましょう!
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