この記事は英語版ブログの「Email Design Inspired by Physical Mail: What Marketers Can Learn from Direct Mail Aesthetics」を日本語へ翻訳・編集したものです。

 

日々、さまざまなメールが届けられる受信トレイの中で、メルマガ読者の注目を得るにはいったいどうすればよいのでしょうか。実はここにひとつ、意外なインスピレーション源があります。

それは「ダイレクトメール」です。

そう、何世紀にもわたって存在するあの「紙の郵便」です。デジタル全盛の時代にあって、伝統的な郵便の質感やデザイン原則を取り入れることで、あなたのメールマーケティングに新たな命を吹き込むことができます。

郵便物のビジュアル要素や戦略を取り入れることで、より個人的で、際立ち、記憶に残るメールを作り出すことができます。ここでは、ダイレクトメールの美学をメールデザインに組み込む方法を探ってみましょう。

1. テクスチャの力:視覚的な奥行きを加える

紙の郵便の質感がイメージできる写真

物理的な郵便の特徴のひとつは「質感」です。手紙やポストカード、カタログを受け取るとき、手触りがあり、その質感がすぐに品質の印象を与えます。光沢紙の滑らかさ、クラフト紙のざらつき、高級封筒の重み――いずれも受け取り手の感覚に訴えかけます。

メールの世界では、実際の触感を再現することはできませんが、その「視覚的な手触り感」を模倣して、デザインに深みや豊かさを加えることは可能です。

具体的な方法:

  • 影やレイヤーを使う: 画像やボタン、テキストブロックの背後に微妙な影を加えることで奥行きを生み、フラットな印象を和らげます。半透明のカラーを重ねたり、カード型のレイアウトを採用するのも効果的です。
  • ボーダーやフレームを活用する: ポストカードの縁取りや封筒のラインのように、メール内のセクションを枠で囲むと、整理された印象と「触れられるような」質感が出ます。
  • テクスチャ背景を取り入れる: 実際に触れなくても、紙や布、木目、リネン調の背景デザインを使うことで、デジタル感をやわらげ、温かみを加えることができます。

 

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2. 視覚的ヒエラルキー:物理郵便に学ぶ情報の伝え方

効果的なダイレクトメールに共通する特徴は、受け取った瞬間に「どこを見るべきか」が明確なことです。見出し、本文、行動喚起(CTA)の優先順位が一目でわかるよう設計されています。メールでもこの構造を取り入れることで、よりわかりやすく魅力的なデザインを実現できます。

ポイント:

  • 目立つ見出し: 太字や大きなフォント、コントラストの強い色を使って、最も伝えたいメッセージをすぐに認識できるようにします。
  • セクションの明確化: クーポンやオファーが明確に分けられているダイレクトメールのように、背景色や見出しで区切られた構成を意識します。特に重要な情報やCTAはスクロールせず見える「ファーストビュー」に配置しましょう。
  • コントラストのあるCTAボタン: 大きく、余白を十分にとり、背景色とボタン色のコントラストを強くすることで、自然とクリックを誘導します。

メルマガデザインの見本画像

 

3. パーソナライズと手書き風の演出

ダイレクトメールの魅力のひとつは「個人的なつながり」を感じさせる点です。手書きのメッセージや宛名入り封筒は、受け取る人を特別な気持ちにさせます。デジタルが主流の今こそ、こうした“人間味”のある工夫をメールに取り入れることが重要です。

実践アイデア:

  • 手書き風フォントを活用: 適度に使用すれば、手書きのような温もりを演出できます。見出しや署名、限定オファーのバナーなどに効果的です。長文で使用すると読みづらさにつながる恐れがあり、対応している受信環境も限定されるため、画像にキャッチコピーとして入れ込むのがおすすめです。
  • 個人宛ての挨拶: 「〇〇様へ」のように宛名を入れることで、受信者はより親近感を覚えます。
  • 興味・行動に基づいた内容: 郵送型DMがターゲットに合わせて内容を最適化するように、メールも購読者の行動履歴や嗜好に基づいてセグメント化し、内容を変えると効果的です。

 

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また、情報に基づいたセグメントリストの作成もかんたんです。

 

4. 封筒デザイン:第一印象を決める要素

封筒の写真

ダイレクトメールでは封筒が開封率を左右します。では、メールにおいて受信箱に届いた時に見えるものとは何でしょう?「件名」と「プレヘッダーテキスト」がその役割を果たします。

ヒント:

  • 件名は“デジタル封筒”: 封筒のデザインが中身への期待を高めるように、件名でも興味を引く工夫を。受信者の名前や、明確な価値提案、好奇心を刺激する言葉が効果的です。
  • プレヘッダー(冒頭文)を活用: 件名を補足し、さらに開封を促す情報を加えます。特にスマートフォン表示ではこの部分が大きく影響します。

5. 物理的な「体験」を再現する

ダイレクトメールは、予想外のフォーマットや質感で「ワクワク感」や「驚き」を演出します。メールでも、動きやインタラクションを取り入れることで、似た体験を作ることが可能です。

(例)
・開封アニメーションのようなGIFを使う
・クリックで隠れたオファーやクーポンが現れる仕掛けを作る
・「開封」や「めくる」といった体験を疑似的に表現する

両方の世界の“いいところ取り”をしましょう

メールマーケティングは、デジタルでありながら、物理的な郵便のように「温かみ」「個別性」「体験性」を持たせることができます。
質感のある背景、パーソナルな演出、情報の整理されたレイアウトなど、ダイレクトメールの美学を取り入れることで、受信者の心に残るメールを作ることができるのです。

マーケターの使命は、単に情報を送ることではなく、体験を届けることですよね。
ダイレクトメールが長年培ってきた“感覚に響く伝え方”を、今こそメールの世界にも活かす時です。

 

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by Benchmark Email Japan