こんにちは、カスタマーサクセス担当の林です!
ユーザー様にメールマーケティングで成功していただくためのお手伝いをしているのですが、その中でよくいただくご相談に「キャリアメール宛にメールが届かない」というものがあります。キャリアメールというのは、docomoやau、softbankなどの携帯キャリアがドメインを提供しているメールアドレスのことです。
スマートフォンの普及によりGmailなどWebメール利用者が増えていますが、それでもなおキャリアメールを利用する人は多くいます。2022年版:スマートフォン利用者実態調査第一弾によると、スマートフォン利用者のキャリアメールの利用は、1日平均3.4回だそうです。
そこでこの記事では、キャリアメールアドレス宛のメール送信がうまくいかない場合の対処法ご紹介します!
目次
キャリアメールに届かない!お問い合わせ事例
ではまず、具体的にどういったお問い合わせがあるのかを見ていきましょう。
まず「使われているアドレスなのは確認できているのに、いつもエラーになってしまうアドレスがある」というケースや、「前回まで送信できていた○○@docomo.ne.jpだけ、突然エラーになってしまった」というケースです。
そして最も多いのが、メールが遅れて届く、というものです。例えば、「夕方の16時に配信設定を行い、その時間に配信も完了しているメールが、なぜかキャリアメールの読者には夜中の2時に届いてクレームになった」というケースです。
どのケースも、しっかりメールマガジンを読んでもらいたい送信者にとっては非常に困る事象ですよね。
把握しておくべき原因と対策
なぜキャリアメールアドレスに配信をすると、こうした事象が起きてしまうのでしょうか?その原因は大きく分けて3つあります。
対策と併せてそれぞれ見ていきましょう。
ユーザーのメールアドレス変更
1つ目は、メールアドレスの変更によるものです。
例えば、ユーザーが機種変更をしたときにアドレスも変わってしまうことがありますよね。パソコンやwebメールと比較して、キャリアメールアドレスは変更される頻度が多いです。そのため「前回まで送信できていた○○@docomo.ne.jpだけ、突然エラーになってしまった」という事象が起こるのです。
ユーザーのメールアドレス変更への対策
登録時にキャリアメールアドレスでの登録を避けるよう促しましょう。
登録フォームを使用している場合は、フォームのメッセージ欄に携帯メールアドレスでの登録を避けるよう注意書きを追加する、などの方法が有効です。(例えば、「メールマガジンが届かないことがございますため、携帯メールアドレスでのご登録はお控えください。」等)
あとは、メールアドレスを変更する際に忘れずに登録情報を更新するようお願いしておくのも一つの方法ですが、やはり変更予定のないパソコン・webメールアドレスで登録してもらうことが確実です。
RFC規格違反
2つ目は、RFC規格違反によるものです。
電子メールについて定められた国際基準(RFC規格)に反したメールアドレスは、携帯電話間では送受信が可能でも、それ以外では送信エラーになる場合があります。例えば「.」(ドット)が@マークの直前に使用されていたり、連続で使用されているものなどが該当します。
現在ではこのRFC規格に反したメールアドレスを登録することはできませんが、例えばdocomoでは2009年3月末まで登録が可能となっていました。そのため、現在もRFC規格に準拠していないメールアドレスが存在しており、メールを配信しようとしてもエラーとなって送れない、といったことが発生します。
「使われているアドレスなのは確認できているのに、いつもエラーになってしまうアドレスがある」という場合には、このRFC規格違反の可能性があります。
RFC規格違反への対策
メールアドレス変更の場合と同様、登録時にパソコンやwebメールアドレスでの登録を促しましょう。キャリアメール宛に配信をするとなれば、RFC規格違反のものがでてくることを完全には防げません。
キャリアブロック
3つ目は、キャリアブロックによるものです。
迷惑メール対策を重ねてきた結果、携帯キャリアのセキュリティは非常に高いレベルになっています。そのため、メーリングリストの中に機種変更等で存在しなくなったメールアドレスや入力間違い等の使用されていないメールアドレスが一定割合以上含まれていると、配信遅延や一時的な未達が発生することがあるのです。これをキャリアブロックといい、携帯キャリアが迷惑メール対策のために取り入れているシステムになります。
先ほど挙げたお問い合わせの、「夕方の16時に配信したメールが、なぜか夜中の2時頃に届いた」という事象。こちらも、配信リストの中に使用されていないメールアドレスが多く含まれていたために迷惑メールと疑われ、受信までに時間がかかってしまったものでした。
また、auのサイトでは下記のような記述があります。
“EZwebメールサーバあてに送信されるメールの中に、既に使われていないメールアドレスをあて先とするものが多数含まれると、その余分な処理により、EZwebメールサーバが影響を受け、Eメールが届かない、もしくは遅延するといった一時的なサービス品質の低下が発生することがあり、場合によってはネットワーク全体に悪影響をおよぼす恐れがあります。そのため、状況によりそのような送信元ネットワークから送信されるEメールを一時的に受信ブロックすることがございます。”(引用元)auメール(@au.com/@ezweb.ne.jp)へメール送信する際の注意事項
このことから、「確実に有効なメールアドレスも含まれていたのに、ezweb.ne.jpのアドレス宛のものが全てエラーとなってしまった」という事象の原因は、すでに使われていないauアドレスが一定数含まれていたためと考えられます。
このようにリスト内に無効なアドレスが多く存在していると、本当は届くはずのアドレスへも届かなくなってしまう、という恐ろしいことが起きてしまうのです。
キャリアブロックへの対策
キャリアブロックを防ぐには、配信リストから宛先不明のメールアドレスを排除する必要があります。有効なメールアドレスのみに配信をすることで、キャリアブロックによる遅延や不達を回避することが可能です。
ちなみにBenchmark Emailではリスト照合サービスをご利用いただくことで、どれが有効でないメールアドレスなのか、を判別することができます。
もし、リスト全体ではなくキャリアメールアドレスの中に無効のものがある、と判明している場合には、キャリアメールアドレスだけを抜き出して照合することも可能です。
その他の原因
上記に限らず、「メールアドレス自体が有効なのになぜか届かない!」と言った場合には、「なりすましメール判定」が原因だったりすることもあります。送信サーバー情報と実際の送信メールサーバーが異なる場合に「なりすましメール」と判定がされ、「なりすましメール拒否」設定を行なっているユーザーにメールが届かないというシステムです。これはキャリアメールに限ったことではなく、gmailなどwebメールでも行われているものです。
この対策としては、ドメイン認証設定を行うのが効果的です。こちらの記事にてわかりやすく解説をしております。
関連FAQページ:送信ドメイン認証の設定方法について
まとめ
以上、キャリアメールアドレス宛にちゃんとメールが届かない原因と対策のご紹介でした。
繰り返しとなりますが、購読者にメールを届けるためのシンプルで効果的な方法は、そもそもキャリアメールアドレスでのメルマガ登録を避けるように促すことです。すでにキャリアメールアドレスでご登録の購読者様に対しては、上記の他の対策をお試しください。