
2025年3月26日(水)に、無料オンラインセミナー「LTVを最大化させるメール戦略と作成のポイント」を開催いたしました。
本セミナーは、ECサイト制作やプロフェッショナル支援サービスを提供する株式会社HATと、メールマーケティングツール「Benchmark Email」を提供する株式会社ベンチマークジャパンが共催したセミナーです。
ゲスト講師としてお招きした株式会社HATの梅田哲平氏と、Benchmark Emailの山本美智が講師を務め、ECの売上アップにつながるリピート施策とメールマーケティングのポイントについて解説いたしました。
今回は2024年11月に開催した「ECリピート対策方法&メルマガのポイント」の内容をさらに深めた内容でお届けしました。本記事では、セミナー内容の一部と質疑応答パートの回答を公開します。
目次
セミナー本編のダイジェスト(一部抜粋)
なぜリピート施策が重要なのか
昨今では、 EC・通販事業全体において新規顧客を獲得するためのコストが上昇してきています。このような状況の中では、2回目以降の購入を促すリピート施策を打ち出し、LTV(1人の顧客がもたらす売上や利益)をいかに高めていくかが重要となります。
メールを活用したCRMのメリット
EC・通販事業でのCRMは「インナーツール」「LINE」「DM」など多岐に渡りますが、CRMの中でもメール施策を行うメリットは、顧客に直接届けられる距離感の近さ、コストパフォーマンスの良さ、カバレッジの広さです。
SNSと比較してメールはプライベート感が高く、顧客との距離感が近いため、一人一人の顧客との関係構築がしやすいチャネルだと言えます。そのため、メール施策を行う際は、「顧客の求める情報を提供すること」がより一層重要となります。
ここからは、実際に送るメール作成のポイントをお伝えします。
メール構成パターンと作成ポイント
EC業界におけるメールの構成パターンを以下3つに分類してみます。
(A)商品紹介メール
(B)クーポンメール
(C)ナーチャリングメール
各メール種類の説明は前回のセミナーレポートをご確認ください。
(A)の商品紹介メールは、さらに4パターンに分けてみると以下スライドのようになります。
①ビジュアルタイプ:ブランドの世界観が伝わることが売上につながる
②じっくり解説タイプ:商品の付加価値を説明することが購入につながる
③プチ解説タイプ:商品の紹介が1〜2行で書いてあるバランス型のメール
④商品羅列タイプ:多くの商品から選べる楽しさが売上につながる
どのパターンが合っているかは商品やショップの特性によって異なりますが、CV率に悩んでいる場合は、他のパターンの要素をテスト的に取り入れて見ることをおすすめします。
売上が上がるメールデザインのコツ
クリック率やCV率を上げるためのメールデザインのコツについて詳しく解説をしました。
ヘッダとフッタ、CTA、色の使い方、画像、ファーストビューなど、それぞれの要素にポイントがあります。
例えば、ヘッダは必ずユーザーの目につきますので、一番上の帯にセールや送料無料条件などのお得な情報を入れておきましょう。また、ブランドロゴを掲載して認知付けを行います。ロゴにはウェブサイトへのリンクをつけてください。
少人数で業務を回す4つのヒント
業界や会社全体の人数規模に関わらず、メルマガ担当人数は1〜2名というユーザー様はとても多いです。「少人数で業務を回すための4つのヒント」と題して、効率的な運用方法をお伝えしました。
例えば、特に定期的に送ることの多い商品紹介メールはテンプレート化しておき、メール複製機能やお気に入りブロック機能などを使って作成を効率化しましょう。
なるべく少ない手間で更新できるメールに変えた際は、売上にどのように影響するのかをテストしてみるのもおすすめです。
質疑応答パートまとめ
今回は15分ほど質疑応答タイムがあり、参加者からのご質問に講師が回答いたしました。その内容をまとめてお届けします。
Q. 徐々に開封率が下がってきてます。その原因と対策に関して伺いたいです。ほぼ毎日ユーザーに配信しているので、リストの摩耗と飽きが要因かと考えています。
おっしゃる通り、この特定のメールだけ開封率が低いということであれば、そのコンテンツがたまたま受けなかった可能性がありますが、だんだん低下している場合は飽きが原因かと思います。
毎日発信できるネタがあるのは、商品の入荷頻度が高い小売、ニュース・人材・サービス販売などの会社さんでしょうか。新商品や新着情報を羅列して届けていらっしゃると仮定します。
開封率が平均よりもずっと低いということであれば、読者の方との需要が合っているか見直す必要があると思いますが、新着商品やニュースはどなたでも知りたいところだと思いますので、見せ方や頻度、届け方を改善できると思います。
具体的な改善方法として3つご提案します。
①セグメント配信を取り入れる
全体配信だけではなく、特定の属性のユーザーにおすすめ商品を紹介するセグメント配信を取り入れてみてはいかがでしょうか。その際は、タイトルやファーストビューに、商品カテゴリや特徴、セグメント属性を入れましょう。
②特集号を挟む
新商品だけでなく特集号を挟むことで、これまで開封しなかった方にみていただける可能性があります。
③開封率が低い方たちへは、コールド・ホットに分けて配信頻度を変える
Benchmarkユーザー様であれば、エンゲージメントスコア機能でリスト作成ができます。
Q. メール文作成のコツを教えてください。SNSと比べてメール文作成は時間がかかってしまい、配信回数が増やせません。それなりに情報量が増える分、長文になるためですが、効率的にメール文を作成するコツなどありましたら、ご教授願います。
メール作成を丁寧にされていて、配信ごとに売上金額もあるので回数を増やしたい状況かと思います。
本日解説したメールの種類に「じっくり解説タイプ」や「羅列タイプ」がありますが、ご質問者様はじっくりタイプに近そうですね。
メール文作成の手間を減らす手段として、「羅列タイプ」を試してみてはいかがでしょうか。メール内でじっくり紹介する商品数を減らして、一部を羅列していただくのも良いと思いますし、「おすすめ15選!」などの文章を考えなくて済むメールを挟むのもおすすめです。
また、文章作成の手間を減らす別の方法ですが、商品紹介文はショップに掲載しているものを活用してみてください。ECメールは普段自力ではサイトに来ない方を誘導するためのものなので、サイト内の説明文を活用して問題ありません。
もしウェブサイトに文章がないという場合は、AIを活用するのもおすすめです。SNSを運用している方は投稿文をAIツールに膨らませてもらったり、伝えたい特徴を箇条書きにしてAIツールに書いてもらうと良いでしょう。
Q. セール情報や新商品情報以外のメール内容をどう考案するかについて教えてください。
お客様の意識や行動を変えてもらうことが大事なので、「商品を買ってほしい」という内容だけでなく、商品の使い方やTIPSといった情報をお届けするのがおすすめです。
例えば広告のランディングページでも、商品のアピールだけでなく、自社のフィロソフィーや生産工場の話、安全性、商品の使い方、ノウハウなど、様々な情報が書かれていると思います。まずはそういったランディングページの情報をメールで配信してみてはいかがでしょうか。
Q. EC業界で実際にそういった情報提供メールに取り組まれている事業者様は多いですか?
ある程度企業規模が大きい事業者様は、情報提供をしっかりしている印象があります。
通販に慣れていない事業者様はセールや商品情報を週に1回程度送っていますが、リピート商材を取り扱っている10〜20億円以上の会社だと、使い方などの情報提供も組み合わせてメールマーケティングを行っている印象です。
Q. クロスセルで自社商品の購入に繋げたいです。
よくいただく質問ですが、お客様の解像度をいかに上げていくかがポイントです。
解像度を上げることによって、「どの商品」を「誰に」「いつ」「どのように」購入してもらうかが見えてきます。クーポンをつけるかなど、自社ができる打ち手の解像度も見えてきます。
Q. 解像度を上げるにはどのようなリサーチをするのが良いですか?フリークエンシーごとのユーザーアンケートは取って分析済みです。
アンケートを取られているということで、ある程度ユーザーについては理解されていると思います。
さらに解像度を上げるためには、商品ごとの購入タイミングや、複数商品を同時購入する場合の組み合わせパターンを調査できると良いでしょう。誰に何をおすすめするべきかがデータとして見えてくるはずです。
Q. 私はECサイト運営の初心者なのですが、メルマガ・SNS・LINEのどれがいいか迷います。どう選んだらいいでしょう?
テストをしてみて、費用対効果がいいものを選ぶのがおすすめです。施策にかかる費用ではなく、費用対効果を見ていただくと良いでしょう。
まだ何も始めていない場合は、低コストの施策から行ってみましょう。
今後のセミナー開催について
今回のセミナーは、質疑応答コーナーを含め1時間半と長めのお時間でしたので、前回よりもたっぷりの内容でお届けしました。
こちらのレポートでは、セミナー内容のほんの一部のみ抜粋して記載しておりますが、当日ご参加いただいた皆様からはご好評をいただきありがとうございました。
今後も様々なテーマでセミナーを開催する予定です。
セミナーの最新情報は弊社のニュースレターで随時お届けしておりますので、ぜひ興味のあるテーマのセミナーがあればお気軽にお申し込みください。
Benchmarkユーザーの皆様は既にニュースレターを受け取られていると思いますが、新しく受け取りを開始したい方はこちらよりご登録ください。
(関連記事)
配信日はECサイト売上2倍に!「かまわぬ」のROAS1000%超えメルマガ事例
ChatGPTも活用!ファンづくりと販売の2本配信で成功するECサイトの事例
ECサイトで使えるメルマガテンプレートのご紹介
「ECリピート対策方法&メルマガのポイント」セミナーを開催しました!