本記事はBenchmark本社のブログ記事 “Why Building is Better than Buying When it Comes to Email Lists” を翻訳したものです。

時間と手間のかかるメーリングリストを自身で増やしていくより、リストを購入する方が簡単で素早く効率的と思われるかもしれません。しかしながら、メーリングリストを購入すると、実際にはビジネスに良い影響より悪い影響を与える可能性が高いのです。

ここでは、リストの購入を避けるべき7つの理由と、堅実で有益なリストを自分で構築するための6つの方法をご紹介します。

購入リストとは?

購入リストとは、何千人もの「質の高い」コンタクトを取得できると約束するサードパーティから購入した情報の集まりのことです。一見、このように購入したリストが複雑な問題をすぐ解決してくれるように見えるかもしれませんが、実はこれで上手く行くことはほとんどありません。むしろ、問題を大きくしてしまう原因となります。

リストを購入してしまう理由

多くの人は、お金と引き換えに膨大な数の連絡先をリストプロバイダーから購入しています。このようなプロバイダーは、下は数千人から数十万人、上は百万人を超えるコンタクト情報をパッケージにして販売しています。

プロバイダーは購読者情報を共有するパートナーがいる場合もあれば、高度な検索エンジンを使って企業のメールアドレスやその他一般公開されている情報の長いリストをまとめて作成する場合もあるようです。

このようなプロバイダーは、ターゲット層やサイコグラフィックでセグメント化された質の高いコンタクトがあらかじめ搭載されたリストを、顧客に提供しています。ほんの数分でターゲットにしたい層や業種を含んだ5万人、10万人以上のコンタクトリストを追加できるため、特にメルマガを始めたばかりの人がリストを購入したくなるのは当然でしょう。

しかし、この罠にはまってはいけません。メルマガを受け取るつもりがない大勢のリストより、少人数でもメルマガに興味を持っている健全なリストの方が断然良いのです。購入したコンタクトが本物のメールアドレスという意味では質が高いと言えるかもしれませんが、オプトインしている購読者という意味では質が高いとは言えません。なぜなら、受信者はメールを即座に削除するか、最悪の場合、迷惑メール報告を行ったり、配信停止をしてしまう可能性が高いのです。

リストを購入することで、不本意に迷惑メール送信者としてブランドが位置付けられてしまうのです。購読者を苛立たせ、配信停止率を上げ、その結果として、メールの到達率が低下する恐れがあるだけなく、企業の必死さが見えてしまって決して良い印象を与えません。これでは、マーケティング戦略で目指すブランド認知が得られません。

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リストを購入すべきでない7つの理由

リストを購入すべきでない理由をまとめると、以下の通りです。

  • 特定電子メール法に違反してしまう可能性がある
  • 質の高いメールアドレスが売りに出されることはほとんどない
  • 購入したリストのコンタクトは購入した側の会社や人を知らないため、売り込み活動となり、これで成功することは滅多にない
  • 評判の良いメールマーケティングプラットフォームでは、購入したリストの利用はできない(Benchmark Emailでも、購入したリストはご利用いただけません)
  • 迷惑メールの送信者としてフラグが立てられ、IPや送信元評価を傷つける恐れがある
  • 企業のイメージを悪くする
  • メールサービスプロバイダーが罰する可能性がある

効果的なリストの増やし方

メーリングリストを構築する最も効果的な方法は、オプトイン方式を使うことです。コンテンツの受信を選択したコンタクトを元に独自のリストを作成することは、法的規制に準拠して評価を守ることとなります。これにより、お客様と本物の関係を築き、大事に育てる機会を得ることもできます。

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オプトインの購読者を増やすには、以下のような方法が挙げられます。

1. 無料のコンテンツを提供する

人は何か価値のある見返りがあれば、喜んで連絡先を提供して、メールの受信に同意するものです。訪問者が名前とメールアドレスを提供する代わりに、無料でダウンロードできる電子書籍、ガイド、ホワイトペーパーやプレミアムコンテンツを作成しましょう。コンテンツはメールマーケティングを行う上で非常に重要な役割を果たしますが、まずは以下の基本ルールを確認しましょう。

  • 質の高いコンテンツを提供しましょう。文法的に正しいか、文章の流れが良いか、画像やインフォグラフィックスを活用しているか、などを確認し、コンテンツを編集しましょう。
  • 興味を持ってもらえるような、楽しくてユーモアに富んだコンテンツにしましょう。実際コンテンツが魅力的であればあるほど、読者はメールから得るものが多くなり、もっとコンテンツをダウンロードしたくなるはずです。
  • 教育的な情報を共有しましょう。読者がダウンロードするコンテンツは、どこでも手に入るような情報であってはなりません。学べて有益なコンテンツにすることで、長く使ってもらえるようにしましょう。

2. マーケティングチャネルで宣伝する

個人情報と引き換えに提供するコンテンツは、サイトに公開したらそれで終わりではありません。さまざまなマーケティングチャネルやソーシャルメディアチャネルでそのコンテンツを効果的に配信して宣伝するまでが仕事です。

無料ダウンロードコンテンツの宣伝計画を立てることで、コンテンツを適切な人に届けるだけでなく、より多くの読者にリーチし、メールマーケティングに新規見込み客を取り込むことができます。

ソーシャルメディア、メールやPPCなどあらゆる利用可能なツールを活用して、多くの人に情報を発信しましょう。ブログ記事に無料ダウンロードコンテンツへのリンクを掲載し、注目を集め、より多くのオプトイン購読者を獲得しましょう。

3. ウェブサイトにポップアップ登録フォームを設置する

ポップアップ型の登録フォームは、パッと注目してもらうのに最適です。特定のページやブログ記事に設置し、読者にメルマガのオプトインを促し、最新情報を受け取るようにすることができます。

画像の使用や大胆なキャッチコピーで、楽しく目を引くポップアップを作成しましょう。コンテンツを詰め込みすぎず、短く簡潔にすることで読者に素早く行動してもらい、その後はサイト上で読んでいたところへすぐ戻れるようにしましょう。

Benchmark Emailでは、ポップアップ登録フォームを簡単に作成することができます。

関連FAQページ:登録フォームの作り方は?

4. カンファレンスで購読者を集う

会議、展示会やセミナーなどのイベントは、人脈作りや短時間で多くの人にビジネスを宣伝するのに最適な場です。つまり、今後のキャンペーンやニュースレターの新規購読者を集うのに絶好のチャンスとなります。会場で購読者を集める方法は以下の通りです。

  • 口頭:会話のどこかに必ずニュースレターのことを伝えるようにしましょう。キャンペーンを伝えるタイミングを見つけて、メールを受け取るメリットについて語りましょう。
  • プレゼンテーション:イベント中のどこかでオーディエンスに情報を伝える機会があれば、プレゼンの内容にニュースレターとその購読をおすすめする理由を説明することを忘れないでください。その場で簡単に登録できるよう、アドレス記入用のカードを配布しても良いでしょう。
  • ブース:企業ブースに訪れた人に、自社がどんな会社で何を提供しているかを伝えましょう。口頭ではメルマガについて話したくない人もいるかもしれませんが、ブースから読み物を手に取ってメルマガの事を知ってもらうこともできます。必ず配布するものすべてに自社のウェブサイト情報を記載し、ブースにアドレス記入用のカードと投函箱を設置しておきましょう。

ニュースレターに登録した人たちから受信の同意を得た後に配信することが重要です。名刺を受け取るだけではオプトインと見なされません。メルマガの受信に同意してもらう必要があります。

5. 店舗で購読者を集める

コンタクトを集める方法の1つとして、より個人的な繋がりを感じられる対面でのコミュニケーションを考慮してみましょう。お客様と直接接することは、関係を築くきっかけになります。店舗がある場合は、訪問したお客様をメーリングリストに追加して、お客様との関係を発展させましょう。ここではいくつかの方法をご紹介します。

・お客様をサイトに誘導するため、全ての物にサイトのURLを印刷する

身の回りにあるアイテムを思い浮かべ、可能な限りサイトURLを載せるようにしましょう。

-看板
-購入時の袋
-レシート
-名刺
-文房具
-パンフレット
-製品のパッケージ

・直接お客様にメールアドレスを要求する

既存顧客や見込み顧客にメルマガ購読を希望するかしないかを、時間をかけながら直接尋ねてみるのも非常に効果的です。次のオンライン購入時に20%オフといったインセンティブを提供してみるのもいいでしょう。

・保留音でニュースレターを宣伝する

お客様が電話をかけてきた時の保留音の代わりに、ニュースレターやウェブサイト情報を録音して流してみましょう。待っている間に会社情報をすぐ調べたり、オンラインの登録フォームにアクセスしたりすることができます。

メールアドレスを尋ねる時は、口頭でお願いするか(電話でまたは店頭での購入時に)、お店のどこかに登録用紙やカードを設置してお客様が自分のタイミングで記入できるようにしましょう。ただし、単にメールアドレスを聞くだけでは十分ではありません。マーケティング目的で情報を要求していることを明確にし、ニュースレターを配信する許可をもらう必要があります。

また、必ずウェブサイトの分かりやすい場所に登録フォームを設置してください。サイトへの誘導は効果的ですが、ニュースレターなどに登録できるページに訪問者を誘導するとさらに良いでしょう。

6. 質の高いメールキャンペーンに注力する

メールは、受信者がすでに登録しているため、新規ビジネスを獲得するチャネルとしては軽視されることが少なくありません。しかし、受信者の多くがメールを友人や同僚に転送しているという事実はあまり知られていません。つまり必要以上の広告費をかけることなく、配信したメールが新規見込み客という全く新しい読者に届く可能性があるということです。人は自分の知っている人がおすすめするものは信用する傾向にあるため、その確率はさらに高くなります。

必ずCTA(行動喚起)を設置し、読者がコンテンツをシェアしやすくしましょう。

関連FAQページ:ソーシャルブロックを使ってリンクを挿入する方法

まとめ

メールマーケティングは今でもなおリードの育成とコンバージョンに最も効果的なツールの1つです。

しかし、コンタクトリストを購入するのは賢い方法ではありません。その代わりに、質の高いコンテンツを制作し、適切なチャネルで宣伝することに力を注ぐ必要があります。そうすることで、着実に成果を上げられる確かなリストを構築し、それを維持することができるのです。

リスト購入を避け、リスト構築のためにオプトイン購読者を増やす方法を身につけ、今後のメールマーケティングにお役立てください。

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