こんにちは!Benchmark Emailカスタマーサクセス担当の林です。
ユーザー様からいただく様々なお問い合わせやご相談を拝見し、FAQページなどの資料アップデートやサービス改善に日々努めております。

今回は、メールの到達率に大きな影響を与えるスパムトラップの概要と、その対策についてご紹介致します。

スパムトラップとは?

スパムトラップとは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)やメールサービスプロバイダ(ESP)、スパムメール撲滅のための団体(Spamhaus、SpamCopなど)が迷惑メール配信者を特定するために用意しているメールアドレスのことです。

スパムトラップへ配信を続けてしまうと、配信元として使用されているドメインの評価が下がり、メール到達率が低下してしまう恐れがあります。さらには、ブラックリスト(​​​​スパムやなりすましメールを配信している送信者のIPアドレスリスト)に登録され、配信したメールのほとんどが届かなくなってしまう危険性もあります。

関連記事:メールが届かない?ブラックリストを確認する方法と対処法

スパムトラップの種類

スパムトラップは、大きく分けて3種類あります。

1. プリスティントラップ

プリスティントラップとは、迷惑メール配信者を特定することのみを目的として作成されたメールアドレスのことです。このアドレスからメール配信のオプトイン(同意)を得ることはできません。プリスティントラップにメールを送るということは、コンタクトリストを購入した、あるいはインターネット上で無作為に収集し、オプトインを得ないままメールを送りつけていることになります。プリスティントラップにメールを配信した場合、他のスパムトラップへの配信に比べて到達率により大きな悪影響を及ぼします。

2. リサイクルトラップ

リサイクルトラップは、かつてアクティブなアドレスであったものの、その後放棄され使われていないメールアドレスです。一定期間(通常1年以上)使用されないと、ISPによってアドレスがリサイクルトラップに変換されます。「リサイクルトラップにメールを送る=迷惑メールを送っている」とはなりませんが、リストの管理を怠っている(古いアドレスや未開封が続くアドレスの整理ができていない)ことを意味し、配信を続けることでドメイン評価の低下を招きます。

3. タイプミストラップ

タイプミストラップは、タイプミスのあるドメイン(例:「gmai.com」、「gmali.com」など)をスパムトラップとして設定したメールアドレスです。これも、メールアドレスの収集方法に問題のあるメール送信者を特定するためのトラップです。

スパムトラップに引っかからないようにするための3つのポイント

スパムトラップへのメール配信を回避するためには、以下の方法があります。

1. 購入したリスト・無作為に収集したリスト宛にメールを配信しない

購入したリストや、インターネット上で無作為に収集したアドレスにメールを送らないようにしましょう。こうしたリストへの配信は、スパムトラップに引っかかってしまったり迷惑メール報告されてしまう危険性が高いのはもちろん、「広告または宣伝メールは、メールの受信を希望または同意している人のみにしか送ってはいけない」とする特定電子メール法に違反してしまうことになります。

関連記事:メルマガ配信で大切な法律「特定電子メール法」の注意点を押さえて宣伝・広告メールを配信しよう

2. シングルオプトインではなく、ダブルオプトインを取るようにする

メールの配信先には必ずオプトイン(同意)を取らなければいけませんが、オプトインの取り方にも注意が必要です。

Webサイトに設置している登録フォームは、シングルオプトインではなくダブルオプトイン方式になっているでしょうか。

シングルオプトイン方式は、登録フォームに入力されたメールアドレスがそのまま配信リストに登録されるというものです。タイプミスのあるメールアドレスの登録やボットからのスパム登録が行われた場合も、そのまま配信リストに反映されてしまいます。

一方でダブルオプトイン方式は、メルマガ購読希望者が登録フォームに入力をしたら、そのメールアドレスへ確認メッセージが送信され、メール内のリンクをクリックして初めて登録が完了するというものです。これにより、第三者が勝手に他人のメールアドレスを登録することを防ぎ、入力されたメールアドレスが本人のアドレスであることの確認ができます。また、タイプミストラップ宛にメールを配信してしまうリスクもなくなります。

3. 定期的にリストの整理を行う

配信リスト内で、長期間未開封が続いているアドレスには注意しましょう。取得時には有効だったメールアドレスでも、何らかの理由で使用されなくなり、ISPがリサイクルトラップに変換している場合があります。リサイクルトラップへの配信を防ぐためには、定期的なリストの整理が重要です。長い間メールを開封していないアドレスを抽出して、購読の意思を確認するメールを配信し、結果によって通常の配信リストから除外するようにしましょう。

関連記事:メルマガの配信リストを整理!開封していない人に購読の意思があるか確認しよう!

スパムトラップに引っかかってしまった場合の対応方法

もしスパムトラップに引っかかってしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。

Benchmark Emailでは、ISPよりスパムトラップへの配信が行われているとの報告があった場合、ユーザー様に対応方法についてご連絡を差し上げています。

残念ながら、どのアドレスがスパムトラップなのかを確認する方法はありません。そのため、配信先のリストの中から、一定のメール通数で未開封が続いているアドレス(直近30通のメールが全て未開封のアドレス、等)を除外いただく方法をご案内しております。

詳しい除外方法については、以下のページをご参照ください。
関連FAQページ:コンタクトリストのスパムトラップとは何ですか?

スパムトラップへの配信が原因でブラックリスト登録されてしまった際の対応方法については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:メールが届かない?ブラックリストを確認する方法と対処法

おわりに

今回は、メルマガの到達率に悪影響を及ぼしてしまうスパムトラップについてご紹介しました。

メルマガの到達率維持にお役立ていただけますと幸いです。

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