メールマガジン(メルマガ)は、商品購入や申し込み・問い合わせの獲得など、売上向上のための成果を生み出すために有効な手段ですが、その鍵となるのがコンバージョン率の改善です。

しかし「コンバージョン率の目標値はどのくらいが適切なの?」「どこから改善したらいい?」とお悩みの方も多いのではないのでしょうか。

今回はメルマガのコンバージョン率の基本的な考え方から、具体的な改善策までをご紹介します!

メルマガのコンバージョン率の基本

ここでは、コンバージョン率の定義や計算方法、そして一般的な平均目安についてご紹介します。

コンバージョン率とは

メールマガジンにおけるコンバージョン率(CVR)とは、メール読者のうち、目標とする行動を完了した読者の割合のことです。
この目標とする行動は、購入、資料請求、お問い合わせなど、メルマガを配信している企業の目的によって異なります。

配信からコンバージョンまでのイメージ図

コンバージョン率を計算する方法

メルマガのコンバージョン率を計算する基本的な方法は、コンバージョン数÷配信総数×100(%)です。
例えば、1000通のメルマガを配信して、そのうち20人が商品を購入した場合、コンバージョン率は20(コンバージョン数)÷1000(配信総数)×100=2%となります。

ただし、コンバージョン率の計算方法には、クリック数に対するコンバージョン数の割合を用いるケースもあります。例えば、Webサイト全体のコンバージョン率を比較する場合は、クリック数を母数とすると比較がしやすいです。目的に応じた計算方法を選びましょう。

コンバージョン率の平均と目安

一般的に、メルマガのコンバージョン率の平均は約1~5%程度と言われていますが、実際には業界や商材、そして一体何をコンバージョンとして設定するかによって大きく異なります。

大切なのは、これらの平均値や目安に囚われすぎず、自社の過去のメルマガ実績や事業目標に基づいた現実的な目標を設定することです。売上目標から逆算して、必要なコンバージョン率を算出しましょう。

📬 目標コンバージョン率、開封率、月間配信回数などを算出してみましょう(ECサイトの例)
ここでは、ECサイトにおける商品の購入をコンバージョンとします。
メールの開封率を24.3%、クリック率を1.3%、メール経由のサイト訪問者のコンバージョン率を3%とすると、メールの想定コンバージョン率は0.04%と導き出せます。
1人あたりの購入平均金額をかけると、メール1通あたりの売上金額が算出できます。
売上目標金額と比較すると、月に何回メールを送るべきかも決められます。

ECサイトの目標売上金額と、メールの目標数値の例

コンバージョン率を上げるための分析ポイント

メルマガのコンバージョン率を向上させるためには、現状の結果を分析し、課題となっている箇所(ボトルネック)を特定しましょう。到達率、開封率、クリック率といった各段階での問題点を解決することで、最終的なコンバージョン率の向上に繋げることができます。

コンバージョン率のボトルネック

コンバージョン率が上がらないときはボトルネックを特定する

メルマガによるコンバージョンまでのプロセスは、いくつかの段階に分かれています。具体的には、メールが読者の受信箱に届く「到達率」、メールを開封する「開封率」、メール内のリンクをクリックする「クリック率」です。
また、メールからランディングページへ遷移したあとの「サイトのコンバージョン率(目標の行動の実施)」も重要です。

コンバージョン率が低い場合には、これらのどの段階で読者の離脱が起きているのか、ボトルネック(障害)となっているポイントを特定することが非常に重要です。

到達率が低い場合

メルマガが読者に届かなければ、その後の開封やクリック、そしてコンバージョンには繋がりません。

到達率が低い主な原因としては、無効なメールアドレスが多く含まれる配信リストの使用や、迷惑メールと判断されてしまうような送信方法が挙げられます。

到達率を改善するためには、まず定期的に配信リストをクリーニングし、エラーとなるアドレスを削除することが重要です。また、送信ドメイン認証(SPF,DKIM,DMARCなど)を設定することで、送信元としての信頼性を高め、迷惑メールフォルダへの振り分けを防ぐ効果が期待できます。

✅ Benchmark Emailの到達率改善機能
配信エラーのアドレスは、自動で次回から送信対象外になります。
GmailOutlookなど各社の送信ガイドラインに則ったメール配信が可能です。

開封率が低い場合

メルマガの開封率は、件名とコンテンツに大きく左右されます。

読者は件名を見て、そのメールを開封するかどうかを瞬時に判断することが多いため、魅力的で関心を引く件名を付けることが非常に重要です。具体的には、件名の冒頭20文字以内に読者の興味を引くキーワードを含めたり、数字を使って具体性を持たせたりする工夫が有効です。

配信リストをセグメントして特定の読者層に合わせたコンテンツを配信することも、効果的な手法の一つです。

クリック率が低い場合

メルマガの開封率が高くても、本文中のリンクがクリックされなければコンバージョンには繋がりません。

クリック率を改善するためには、まずメルマガ本文の内容が読者の関心を引き、クリックした先にどのようなメリットがあるのかを明確に伝えることが重要です。
また、コール・トゥ・アクション(CTA)の分かりやすさもクリック率に大きく影響します。
さらに、リンク先ページの内容がメルマガの内容と一致していることも、読者の信頼を得てクリックを促すためには欠かせません。

ランディングページで離脱してしまう場合

開封率やクリック率では好調に見えたメールでも、ランディングページ到達後に離脱してしまう人が多いとコンバージョンには繋がりません。

Google Analytics(GA)などによるアクセス解析を併用すると、フォーム送信やボタンのクリックなどもイベントとして記録できるため、「どのメルマガ経由で」「どれだけWebサイトへの流入があり」「どのような行動を取ったか」を可視化できます。

ランディングページでの離脱率が高い場合は、メールとの一貫性を持たせる工夫や、コンバージョンまでのわかりやすい動線づくり、入力フォームの改善などを行いましょう。

✅ Benchmark EmailのウェブサイトCV率改善機能
Google Analytics連携機能で、計測用のUTMパラメータを自動挿入できます。
ランディングページ機能で、簡単にランディングページを作成・公開できます。

 

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コンバージョン率を上げる具体的な施策

ここからは、メルマガのコンバージョン率をさらに向上させるための具体的な施策について解説します。

セグメント配信で読者層に合ったコンテンツを届ける

読者の属性や興味関心に基づいて配信リストを細分化し、それぞれのセグメントに合わせた内容のメルマガを配信するセグメント配信は、コンバージョン率向上に非常に効果的です。

読者の年齢、性別、過去の購買履歴、クリック履歴といった行動履歴に基づいてセグメントを作成し、ニーズに合った情報やオファーを提供することで、魅力的で気になるメルマガを配信できます。BtoBであれば業種、役職、検討段階などでセグメント分けを行うことも有効です。

📬 セグメントメールを配信したら効果測定をしましょう
セグメント配信はメール作成・配信の手間が増える諸刃の剣でもあります。「全体配信より数値が向上しているか」「全体配信ではできないフォローができたか」はチェックしましょう。
開封率・クリック率・コンバージョン率に改善が見られない場合、リストの分け方やコンテンツの選定に課題があるかもしれません。成果につながるセグメントを見極め、時間と労力をそこに集中するのが理想的な運用です。

開封されやすい件名をつける

メルマガの件名は、読者が最初に目にする情報であり、開封するかどうかを判断する上で最も重要な要素です。

メールの受信箱での件名表示

開封されやすい件名を作成するためには、具体的にどのようなメリットが得られるのか、どのような情報が得られるのかを簡潔かつ魅力的に伝える必要があります。

そのために、ターゲットとする読者層の興味や関心に合わせたキーワードを選定しましょう。数字を用いたり、人気の商品名やカテゴリ名を入れることも効果的です。

こうした情報は、スマホ読者の受信箱で表示される冒頭20文字に納めましょう。

参考動画:メルマガ開封率アップ!件名のつけ方セミナー

CTAをわかりやすく置く

メルマガのコンバージョン率を上げるためには、読者にどのような行動を取ってほしいのかを明確に示し、そのための導線を分かりやすく設置することが不可欠です。この「行動喚起」の役割を果たすのがCTA(CalltoAction)です。

CTAは、ボタン形式にして目立たせたり、色やサイズ、配置を工夫したりすることで、読者の目に留まりやすくすることが重要です。

また、CTAのテキストも具体的に何ができるのかを示す内容にすることで、読者の次の行動を促します。「詳しくはこちら」だけでなく、「今すぐ無料で試す」「資料をダウンロードする」といった具体的な言葉を使用することが効果的です。

メルマガの目的や内容に合わせて、複数のCTAを配置することも有効ですが、配置しすぎると読者を混乱させる可能性もあるため、バランスを考慮しましょう。

参考記事:クリック率UP!メルマガのCTAを目立たせるデザインや場所、言葉選び

ランディングページ(LP)とメールに一貫性を持たせる

メルマガからランディングページ(LP)へ読者を誘導する際は、両者の内容に一貫性を持たせることが重要です。

  • 件名やCTAと同じ文言・ビジュアルを使う(一貫性)
  • メールで約束した価値をLPの冒頭で即提示する(訴求の継続性)
  • 迷いなく次の行動が取れる設計(導線のシンプルさ)

メール内の件名やCTAで伝えたメッセージやビジュアルと、LPの冒頭で提示される内容が一致していなければ、読者は混乱し離脱してしまいます。

メルマガで訴求した価値をLPでもしっかりと伝え、「購入」「問い合わせ」などのアクションにつながるシンプルな導線を設計することで、コンバージョン率の向上が期待できます。

入力フォームを改善する

申し込み・問い合わせの際に使われる入力フォームはコンバージョンの最終段階であり、フォームの使いやすさがコンバージョン率に大きく影響します。入力項目が多すぎたり、入力方法が分かりにくかったりすると、ユーザーは途中で離脱してしまいます。

入力項目を最小限に絞り、必須項目と任意項目の違いをわかりやすくしましょう。また、入力例を表示したり、エラー箇所を分かりやすく示したりすることも有効です。デバイスに最適化されたフォームデザインを採用することも重要になります。

✅ Benchmark Emailで入力フォームを改善!
登録フォーム機能で、入力フォームとメルマガリストを自動連携できます。
作成したフォームは、ランディングページに挿入できます。

A/Bテストで改善する

メルマガのコンバージョン率を継続的に改善していくためには、A/Bテストが非常に有効です。

A/Bテストとは、メルマガの要素の一部を変更した複数のパターンを作成し、それぞれの効果を比較検証する手法です。

テスト結果に基づいて、より効果の高かった要素を特定し、その要素をその後のメルマガ配信に反映させることで、データに基づいた確実な改善を積み重ねていくことができます。一度のテストで大きな成果が出なくても、継続的にテストを行い、改善サイクルを回すことが長期的なコンバージョン率向上に繋がります。

✅ Benchmark EmailのA/Bテスト機能では、以下の項目のテストが可能です。
・送信元名、件名、プレヘッダーテキスト(本文プレビュー部分)
・メール本文のデザイン
・配信時間

 

参考記事:A/Bテストを使ってみよう!比較すべき項目や注意点、必要なサンプル数は?

レスポンシブデザインを採用する

現代では、多くの人がスマートフォンやタブレットからメールを閲覧しています。

そのため、様々なデバイスの画面サイズに合わせて表示が最適化されるレスポンシブデザインをメルマガに採用することは、読者にとって快適な閲覧体験を提供し、コンバージョン率向上に不可欠です。

レスポンシブデザインに対応していない場合、スマートフォンでメルマガを開いた際に、文字が小さすぎて読みにくかったり、画像が崩れて表示されたり、リンクがクリックしにくかったりといった問題が発生し、読者の離脱に繋がってしまいます。

▶︎Benchmark Emailのレスポンシブデザイン機能
ドラッグ&ドロップエディタで作成したメールはすべてレスポンシブ対応になります。

 

適切な配信タイミングを選ぶ

メルマガの開封率やクリック率は、配信する曜日や時間帯によって大きく変動することがあります。ターゲットとなる読者層の行動パターンを考慮し、最もコンバージョンしやすい時間帯に配信しましょう。

メールが読まれやすいのは、BtoCでは夜寝る前の時間帯BtoBでは平日の営業時間内と言われています。ただし、開封率が高くなるタイミングと、コンバージョンしやすいタイミングは異なる場合もあります。そのためはじめは、自社サイトのアクセス数や購入回数が多い曜日・時間帯の少し前を狙って配信してみることをおすすめします。

参考記事:メルマガを配信する時間と曜日の”正解”は?読者の行動時間と調査データから仮説を立てよう

読者との関係構築につながるコンテンツを配信する

一方的な営業メールばかりではなく、読者にとって価値のある情報提供や、共感を呼ぶようなコンテンツを届けて、読者との関係構築を行いましょう。

ブログ記事の紹介、お役立ち情報の提供、限定クーポンの配布など、読者のエンゲージメントを高めるためのコンテンツを盛り込むことが効果的です。読者との良好な関係が構築できれば、メルマガに対する好感度が高まり、結果として開封率やクリック率の向上、そして最終的なコンバージョン率の向上に繋がります。

参考記事:ネタ出しどうしてる?メルマガコンテンツの基本的な作り方

成功事例やケーススタディの紹介

メルマガ本文中に、自社の商品やサービスを利用して成功した顧客の事例や、具体的な導入事例(ケーススタディ)を紹介することは、読者の購買意欲を高め、コンバージョンを促進する上で効果的です。

具体的な数字や固有名詞を交えながら、商品・サービスがどのように役立ったのか、どのような成果が得られたのかを示すことで、読者は自分自身が利用した場合のイメージを具体的に描くことができ、商品やサービスに対する信頼感が増します。

特に、導入を検討している段階の読者にとっては、実際の利用者の声は何よりも説得力を持つ情報となります。可能であれば、写真や動画を交えて紹介することで、よりリアルな成功事例として伝えることができます。

 

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まとめ

コンバージョン率には、到達率、開封率、クリック率が影響しています。各ステップでの課題を見つけて改善していくことが、コンバージョン率向上の第一歩です。

さらに、ターゲットに応じたセグメント配信、わかりやすく効果的なCTA(行動喚起ボタン)の設置、入力しやすいフォームの見直し、A/Bテストの活用など、複数の施策を組み合わせることで、メルマガの成果を最大限に高めることが可能になります。

こうした取り組みを継続することで、読者との信頼関係を築きながら、メルマガ経由の売上や問い合わせを獲得していきましょう!

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著者情報:

by 山本 美智