こんにちは!Benchmark Emailのカスタマーサクセス担当のYurikoです。
数か月間におよぶニュースレター改善計画と、その結果についてお届けするシリーズの第5回です。第4回の記事は、こちらからご覧ください。
今回は「ニュースレターのコンテンツ数を減らした際の検証結果」についてお届けします。
目次
これまでのニュースレターのコンテンツ数(記事数)について
Benchmark Emailのブログニュースレターでは、2020年の8月までは基本的に毎回3つのブログ記事を配信していました。
<Benchmark Emailのブログニュースレター(2020年6月配信)>
Benchmark Emailのブログニュースレターが、このように「3つのコンテンツでの配信」となった経緯について、まずは説明します。
ブログニュースレターを配信し始めた当時は現在ほどブログ記事が充実しておらず、社内の目標として「月に3本の新しいブログ記事を出そう!」という方針がありました。そのため、新着記事3本を毎月のブログニュースレターで配信する形式をとっていました。
次第にブログ記事の種類が豊富になったことでその方針も必要がなくなり、結果的に3本は公開しない月も出てくるようになりました。そういった月は、過去に作成した人気のブログ記事を入れて、合計3つコンテンツを配信するようにしていました。
コンテンツ数とクリック率の関係性について考えてみた
今回はこの「コンテンツ数」に注目し、クリック率を上げる方法はないか考えてみました。
先述の通り、現在はブログ記事を毎月3本公開しているわけではないため、ブログニュースレターのコンテンツ数を固定する必要はありません。「もしかするとブログ記事数を減らすことで、クリック率が上昇するのではないか」と推測しました。
ブログ記事数が減ることで「どの記事を読もうか」という迷いを減らし、直感的にクリックしてくれる人が増えるのではないかと考えたのです。
そこで、毎月の新着記事が3つに満たない場合も過去記事で補わずにそのまま配信してみることにしました。また、新しく公開された記事のみ配信する運用に変えることで、以下の利点も想定できました。
- いま最も読んでほしい新記事にクリックを集中させることができる
- 過去のブログ記事をピックアップする手間が省ける(社内の運用におけるメリット)
はじめに、それぞれ内容の異なるニュースレターの配信結果3回分を利用して、記事数の違いによるクリック率の傾向を調べました。
【検証結果1】コンテンツの中身のほうが、コンテンツ数よりもクリック率への影響が大きい
検証結果の前に、まずは2020年1月〜8月(ブログ記事3本での配信)の開封数に対する平均クリック率は以下です。
- 有料ユーザー 13.0%
- 無料ユーザー 7.7%
上記を踏まえ、今回の検証ではクリック率がどのように変化したのか見ていきます。
今回検証を行ったメールのクリック率がこちらです。
・赤字=2020年1月〜8月の平均クリック率と比較して上昇
・青字=2020年1月〜8月の平均クリック率と比較して低下
上記の表を見ると分かるように、無料ユーザー・有料ユーザーに関わらず、クリック率が過去の平均より上がっている時もあれば下がっている時もあるという結果になりました。その回によって、クリック率が大きく異なっています。
ここまでの検証で、それぞれ内容の異なるニュースレターでは、コンテンツの中身によるクリック率の変化のほうが大きく、コンテンツ数の違いによるクリック率の変化は認められないことがわかりました。
【検証結果2】コンテンツの中身を揃えた場合も、コンテンツ数によるクリック数の変化はない
そこで、同じ回のニュースレターで記事数を変えてみた場合もクリック率には影響がないのかを確かめるため、追加検証をしてみました。
・テストAグループ:ブログ記事 2本
・テストBグループ:ブログ記事 3本
こちらのメールの3つ目の記事を入れたバージョンと、入れないバージョンで送った場合にクリック率に変化があるのか?という検証です。
(2021年5月配信のニュースレター)
そしてその検証結果がこちらです。以下は開封に対するクリック率の数値となります。
■ 有料ユーザー
■ 無料ユーザー
1通目も2通目も、ブログ記事数の変化によるクリック率の変化は、数値に有効性があるほどの差は出ず誤差となりました。
むしろ、1通目と2通目でクリック率が大幅に異なっていることから、コンテンツの中身のほうがクリック率に影響があると言えそうです。読者にとって魅力的なコンテンツが載っていた2通目の方が圧倒的にクリック率が高い結果となっています。
検証結果から分かったこと(考察)
今回の2つの検証結果から分かったことは以下となります。
①クリック率を左右するのはコンテンツ数ではなく、コンテンツの内容である
→ 有料ユーザー・無料ユーザーそれぞれが興味・関心を持ちやすいコンテンツ内容があり、読者のニーズと一致した場合はクリック率が上昇する。
②コンテンツを絞ることで、狙った記事にユーザーを集中させることはできる
→ コンテンツ数が減っても「開封に対するクリック率」が変わっていないため、コンテンツ数がいくつであってもクリックする人数自体は毎回大体同じということになる。
そのため、コンテンツ数が多いとその分クリックがバラける一方、コンテンツ数を絞ることで一つの記事にクリックを集中させられるということが分かる。
③コンテンツ数は絞りすぎない方が良い場合もある
→ 読者にとって興味がないコンテンツはクリックがされないため、より多くの読者のニーズをカバーするには、一定数以上のコンテンツ数がある方が良い場合もある。
※上記はあくまでも今回の検証によって判明した、弊社のブログニュースレターの場合に考えられる点となります。
アパレル系の企業やレストランなどで「商品・メニューをたくさん見せたい」という目的がある場合は、コンテンツ数を増やすことでクリック数が増えることもあります。一方で、全読者が注目をするような大々的なニュースなどは、コンテンツ数を制限することで最も見てほしいコンテンツへクリックを集中させることができることもあります。
そのため、毎回同じ形式で送るのではなく配信内容や目的に応じてコンテンツ数を調整してみることが重要です。コンテンツの量で悩んでいる方は、何回かテストをしてクリック率の変化をチェックしてみていただけたらと思います。
次回予告
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
記事数をひとつ増やす/減らすという条件で検証をしてみましたが、「コンテンツ数を2つから10つに増やしても、変化は認められないのか?」ということが気になってきました。そこで次回は、「ニュースレターのコンテンツ数を○倍に増やしてみた」検証です。ぜひそちらの記事もご一読ください!
(シリーズ記事)
- 第一回:メールマーケターYurikoの挑戦「フッターのSNSアイコンを変えてみた」編
- 第二回:メールマーケターYurikoの挑戦「基本操作セミナーの参加者数を増やしたい」編
- 第三回:メールマーケターYurikoの挑戦「配信頻度を月1回から月2回に変えてみた」編
- 第四回:メールマーケターYurikoの挑戦「配信時間を変えてみた」編
- 第五回:メールマーケターYurikoの挑戦「メルマガのコンテンツ数を減らしてみた」編
- 第六回:メールマーケターYurikoの挑戦「メルマガのコンテンツ数を3倍に増やしてみた」編
- 第七回:メールマーケターYurikoの挑戦「ボタンデザインを変えるとクリック率は上がる?」編
- 第八回:メールマーケターYurikoの挑戦「件名に【】を使うと開封率は上がる?」編
- 第九回:メールマーケターYurikoの挑戦「件名に絵文字を入れると開封率は上がる?」編